
編集長
私自身、過去に何度も不用品回収サービスに助けられた
元・ヘビーユーザーです。
その実体験から、いざという時に頼れる『利用者目線の情報』をお届けするという
理念を掲げ、実体験に基づいた情報をお届けします!
第1章:電話をかける前の準備
「不用品回収なんて、電話一本で見積もりしてもらって、あとは来てもらうだけ」
正直なところ、昔の私は本気でそう思っていました。 引越しが迫り、焦っていた私は電話口での「5万円くらいですね!」という言葉だけを信じ、当日来てもらったんです。そして、作業が終わった後、当たり前のように「あ、追加で3万円になります」と告げられました。
「話が違う!」と言っても、もう後の祭りです。
この苦い経験から、私が骨身にしみて学んだたった一つの真実があります。
それは、料金トラブルを100%なくす唯一の方法は、必ず「現地」で見積もりを取ってもらうこと。
これに尽きます。
「でも、そのために何を準備すればいいの?」
「家に呼んだら、断りづらくなっちゃいそう…」
大丈夫です。
その不安、よく分かります。
この記事は、その不安をすべて解消し、あなたが主導権を握って「最高の現地見積もり」を実現するための、電話をかける前の完全準備マニュアルです。
面倒に感じるかもしれませんが、この一手間が、数万円単位のお金と、あなたの心の平穏を守ってくれるはずですよ。
1-1. 処分品の把握
「どうせ現地で見てもらうんだから、細かいリストなんて作らなくてもいいでしょ?」
そう思う気持ち、すごく分かります。
でも、これが最初の落とし穴なんです。
処分品のリストを作る目的は3つあります。
- 電話で「まともな業者か」をふるいにかけるため
- 現地見積もりをスムーズに進め、漏れを防ぐため
- 「この人は素人じゃないな」と業者に思わせ、不当な見積もりを防ぐため
業者に来てもらう前に、まずは「何を」「どれだけ」処分したいのか、自分自身で正確に把握しておきましょう。
① 品目・サイズ・数量のリスト化
ペンとメモ帳を用意して、具体的に書き出してみましょう。
- 【家具】 洋服タンス(木製・3段):高さ130cm × 幅80cm × 奥行45cm
- 【家電】 冷蔵庫(2ドア):137L
- 【小物類】 衣類:45Lゴミ袋で5つ分
② 状態・年式の確認
もしかしたら、お金を払って処分してもらうどころか、買い取ってもらえる「お宝」が眠っているかもしれません。
- 家電製品の側面や裏のシールを見てみましょう。
「2021年製」などと書かれていませんか?製造から5年以内の正常に動く家電は、買取の対象になる可能性大です。
- 家具のブランド名もチェック。
有名ブランドの家具なら、値段がつくことがあります。
③ 解体・取り外しの要否
これは、見積もり金額を大きく左右するポイントです。
- 解体が必要なもの: ベッドや組み立て式の棚など、そのままでは部屋から出せないものは、リストに「要解体」と書いておきましょう。
- 取り外し工事が必要なもの: エアコンやウォシュレットなどは、必ず専門の工事が必要です。これを伝え忘れると、現地見積もりで金額が跳ね上がる原因になります。
1-2. 住居・搬出環境の把握
これも「現地で見ればわかるでしょ?」と思いがちですが、事前に伝えておくことで、電話の時点から業者とのやり取りが驚くほどスムーズになります。
- 建物情報(階数・エレベーターの有無): 電話で「エレベーターなしの4階なんですが、訪問見積もりは可能ですか?」と最初に伝えるだけで、そもそも対応してくれる業者かどうかが分かります。
無駄な電話をせずに済みますよね。
- 搬出経路と駐車スペースの確認: 「家の前の道が狭くて、トラックが停められないかもしれません」 この一言を事前に伝えておくだけで、業者はコインパーキングの場所を調べてから来てくれたり、見積もりの時間に余裕を持ってくれたりします。私も以前、この確認を忘れて、見積もりに来てくれた営業さんが車を停める場所を探して30分も遅れてしまい、なんだか気まずい雰囲気でスタートした経験があります。
1-3. 希望条件の整理
現地見積もりの場は、ただ金額を聞くだけの場ではありません。あなたの希望を伝え、条件をすり合わせる「交渉の場」です。
- 希望日時・予算の設定: 希望日時をいくつか用意しておくと、「その日ならトラックに空きがあるので、少しお安くできますよ」といった提案を引き出しやすくなります。予算を伝えておくことで、業者も「じゃあ、この棚はご自身で処分されれば、予算内に収まりますよ」といった代替案を出しやすくなります。
1-4. 心構えと持ち物
さあ、ここが一番大事なパートです。準備が万端でも、気持ちで負けてしまっては意味がありません。
- 相見積もりの徹底: 最低でも3社には、現地見積もりに来てもらいましょう。 「え、3社も家に呼ぶの?」と思うかもしれません。でも、車を買うとき、いくつかのディーラーを回って話を聞きますよね?それと全く同じです。1社だけの話を聞いて決めるのは、あまりにも危険です。
- 「即決しない」意志: これは心に刻んでください。現地見積もりの際、営業さんはほぼ100%こう言ってきます。 「もし、今日この場で決めていただけるなら、5,000円値引きしますよ!」 これは、他社と比較されたくないための常套句です。ここで絶対に焦ってはいけません。にっこり笑って、こう返すのです。 「ありがとうございます。とても魅力的なので、前向きに検討します。他社さんの見積もりも見て、明日のお昼までには必ずお電話しますね」 この一言を冷静に言えるかどうか。これが、あなたが主導権を握るための最大のポイントです。
- メモとペンの準備: 現地見積もりの際は、業者の目の前でメモを取りましょう。「A社:基本料金〇円、エアコン取り外し〇円…」と書き留めるあなたの姿を見れば、業者もいい加減なことは言えなくなります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

現地見積もりは「業者を選ぶための審査会」であり、あなたが「審査員長」です。業者に審査してもらうのではありません。どの業者に仕事を依頼するか、あなたが選ぶのです。そのくらいの気概で、堂々と臨んでくださいね。
これで、最高の現地見積もりを実現するための準備は完璧です。
あなたはもう、ただ待っているだけの素人ではありません。
次の章では、いよいよ業者に電話をかけます。
何をどう伝えれば、いやな顔をされずにスムーズな訪問見積もりのアポイントが取れるのか。
その具体的な「トーク術」を解説していきます。
第2章:【料金編】電話での確認事項

さて、第1章で「最強の武器」となるリストは完成しましたね。
準備は万端です。
ここからは、いよいよ業者に電話をかける実践編。
私がかつて手痛い失敗をした、一番大事な「お金」の話です。
電話口での「〇〇円くらいですよ」という、あの甘い言葉。
その言葉の裏にどんな意味が隠れているのか、あの時の僕には知る由もありませんでした。
あなたには、私と同じ後悔をしてほしくない。
だから、ここからは業者に「料金」について確認すべきことを、具体的すぎるくらい具体的にお伝えしていきます。
これを一つずつ聞くだけで、料金トラブルのほとんどは回避できますよ。
2-1. 見積もりの精度
私が3万円の追加料金を払うハメになった最大の原因は、電話口での「5万円くらいですね!」という、あまりにも曖昧な言葉を鵜呑みにしてしまったことでした。
この「くらい」という言葉が、本当にクセモノなんです。
だから、電話をかけたらまず最初に、この質問でジャブを打ちましょう。
- 聞くべき質問:「お伺いしたいのですが、お電話での見積もりは『確定料金』でしょうか?それとも、あくまで『概算』になりますか?」
この質問をすると、業者の対応はだいたい2つに分かれます。
- 「お伺いした内容でしたら、確定で〇〇円です」 → 量が少ない場合や、内容が明確な場合はこう答えてくれる業者もいます。これは一番安心できる答えですね。
- 「あくまで概算ですね。正確な金額は、現地で拝見してからになります」 → これも、ごく普通の正直な対応です。ここで大事なのは、次の質問を重ねることです。
- 重ねて聞くべき質問:「承知しました。ちなみに、訪問見積もりは完全に無料でしょうか?もし、見積もり後にお断りした場合でも、出張費などを請求されることはありませんか?」
家にまで来てもらうと、なんだか断りづらい気持ちになりますよね。
その気持ちに付け込んで、見積もり後に「出張費だけでも」と言ってくる業者も、残念ながらいるんです。
この質問に「はい、完全無料ですのでご安心ください」と即答してくれる業者なら、信頼できる可能性が高いと言えます。
2-2. 料金体系の深掘り
不用品回収の料金プランは、大きく分けて2種類あります。
あなたがどちらのプランで考えているのか、そしてそのプランの「本当の意味」を理解しておくことが大切です。
- 品目ごとに料金が決まるプランの場合 →「冷蔵庫1台だとおいくらですか?」というように、単品ごとの料金を聞きましょう。量が少ない場合は、こちらのほうがお得になることが多いです。
- 「トラック積み放題」のようなパック料金の場合 → こちらが、一番注意が必要なプランです。僕もそうでしたが、「積み放題」という言葉に夢を見てしまいがちです。ここで必ず、次の質問をしてください。
- 聞くべき質問:「『積み放題』とのことですが、荷台のどの高さまで積むことが可能でしょうか?囲いの高さまでですか?」
前回の記事でも触れましたが、「積み放題」は、基本的にはトラックの荷台の囲い(アオリ)の高さまで、というのが業界の暗黙のルールです。ここを曖昧にしたまま頼んでしまうと、当日「これ以上は追加料金です」と言われる原因になります。この質問に明確に答えてくれるかどうかは、優良業者を見極める大きなポイントです。
2-3. 追加料金の徹底確認
さて、ここが料金確認のラスボスです。 基本料金がどんなに安くても、ここで思わぬ追加料金が発生して、結果的に高額になってしまうケースが後を絶ちません。
私が払った3万円の追加料金の内訳は、実は「階段料金」と「作業員追加料金」でした。電話で一言、「追加料金はありますか?」と聞いていれば、防げたかもしれない出費です。
以下のリストは、指差し確認するように、一つずつ聞いていきましょう。
- 聞くべき質問:「これからお伺いする項目について、追加料金が発生するかどうか、教えていただけますか?」
- 階段料金:「エレベーターがないのですが、階段を使っての搬出に料金はかかりますか?」
- 作業員追加料金:「作業員さんは何名で来ていただけますか?もし増える場合、料金は変わりますか?」
- 出張費・駐車料金:「基本料金以外に、出張費はかかりますか?家の前にトラックが停められない場合、コインパーキング代はこちらの負担になりますか?」
- 家電リサイクル料金:「テレビや冷蔵庫もお願いしたいのですが、法律で定められたリサイクル料金は、見積もりに含まれていますか?」
特に最後の「家電リサイクル料金」は、知らない方も多いのですが、国に納めることが決まっている費用です。これを「サービスしますよ」と言ってくる業者は、逆に少し怪しいです。
2-4. 支払い・キャンセル規定
最後に、契約に関する事務的なことを確認しておきましょう。当日になって「え、そうなの!?」と慌てずに済みます。
- 支払い方法とタイミング:「お支払いは、当日現金のみでしょうか?クレジットカードは使えますか?作業前に支払う必要はありますか?」 → 当日、手持ちが足りなくて慌ててATMに走る…なんてことになったら、本当に大変ですよね。
- キャンセル料の発生条件:「もし都合が悪くなった場合、キャンセルは可能でしょうか?いつからキャンセル料がかかりますか?」 → 万が一の時に備えて、必ず確認しておきましょう。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

どうでしょう?
料金の確認といっても、聞くべきことがたくさんあって驚いたかもしれませんね。
でも、これだけ細かく聞く姿勢を見せることで、業者側も「このお客さんは詳しいな。下手なことは言えないぞ」と、良い意味で緊張感を持ってくれます。
丁寧な言葉で、でも聞くべきことは臆せずに聞く。それが、賢い依頼主になるための第一歩ですよ。
これで、料金に関する不安はかなり解消されたのではないでしょうか。
でも、いくら安くても、作業が雑だったり、家を傷つけられたりしたら意味がないですよね?
次の章では、「どんな作業をどこまでやってくれるのか」という、サービス内容の具体的な確認方法について解説していきます。
第3章:【作業・サービス編】電話での確認事項

さて、第2章で一番気になる「お金」の話がクリアになりましたね。
これで大きな不安は一つ解消されたはずです。
でも、ちょっと待ってください。
料金が安いからといって、サービス内容がイマイチだったら、なんだかガッカリしませんか?
「これもお願いできると思ってたのに…」 「当日に『それはできません』と言われてしまった…」 なんてことになったら、せっかくの片付けも後味が悪いものになってしまいます。
昔の私は、料金のことばかり気にしていて、当日の作業内容についてほとんど確認していませんでした。
幸いトラブルにはなりませんでしたが、今思うと本当に冷や汗が出ます。
この章では、「どこまでの作業を、どんな風にやってくれるのか」を事前にしっかり確認し、当日の満足度をグッと引き上げるための質問リストをお伝えしますね。
3-1. 回収品目と買取
「なんでも回収します!」 この言葉、とても心強く聞こえますが、本当に鵜呑みにしてはいけません。業者さんにも、法律上どうしても回収できないものがあるんです。
- 聞くべき質問:「回収できないものはありますか?例えば、スプレー缶や中身の入ったペンキ缶なども大丈夫でしょうか?」
一般的に、生ゴミ、液体類(油や洗剤)、食品、危険物(スプレー缶、ライター、乾電池など)、医療廃棄物(注射針など)は、専門の許可がないと回収できません。
当日になって「これは回収できません」と不用品が残ってしまう悲劇を防ぐためにも、少しでも不安なものは具体的に品名を挙げて確認しておきましょう。
- 合わせて聞きたい質問:「ちなみに、買取もされていますか?値段がつくか分からないようなものでも、見てもらうことは可能ですか?」
ダメ元で聞いてみるのがおすすめです。
「こんなもの売れないだろう」と思っていた古いオーディオや使わなくなった楽器に、意外な値段がついて回収費用がグッと安くなった、なんて話は本当によくあるんですよ。
3-2. 当日の作業範囲
あなたは当日、どこまで自分でやる必要があるのでしょうか?「全部おまかせでOK」なのか、それとも「ある程度の準備は必要なのか」
ここの認識を業者さんと合わせておくことが、当日のスムーズな作業に繋がります。
- 聞くべき質問:「分別や梱包はこちらでしておく必要はありますか?それとも、すべてお任せして大丈夫でしょうか?」
業者さんによっては、衣類や食器などを「事前に箱詰めしておいてください」という場合もあります。
「全部やっときますよ!」という言葉を信じていたら、当日「すみません、分別はお客様の方で…」と言われて大慌て、なんてことになったら大変ですよね。
- 聞くべき質問:「作業の際に、床や壁を保護する『養生』はしてもらえますか?」
これは、特に賃貸住宅にお住まいの方は絶対に確認してください。
大きな家具を運び出す際、壁の角や床に傷がついてしまったら、退去時に修理費用を請求される可能性があります。
優良な業者さんほど、この「養生」を丁寧に行ってくれます。
これが基本料金に含まれているのか、オプション料金なのかも合わせて聞いておくと安心です。
- 聞いておくと好印象な質問:「作業が終わった後、簡単な掃き掃除などはしていただけるのでしょうか?」
必須ではありませんが、ここまでやってくれる業者さんは、お客様への配慮が行き届いていることが多いです。
大きな家具がなくなった後のホコリって、結構すごいですからね。
最後にサッと掃除までしてくれると、気持ち良さが全然違いますよ。
3-3. スケジュールとスタッフ
最後に、当日のスケジュールと、どんな人が家に来るのかという、特に女性の方が気になるであろう点について確認しておきましょう。
- 聞くべき質問:「即日対応は可能ですか?また、時間の指定は『午前中』といった形ですか?それとも『13時』のように、ある程度ピンポイントでお願いできますか?」
急いでいる場合は「即日対応」はありがたいですが、料金が割高になる可能性や、業者を選ぶ時間がないというデメリットも理解しておきましょう。
時間の指定についても、後の予定が詰まっている場合は「〇時~〇時までには必ず終わらせてほしい」と伝えておくことが大切です。
- 聞くべき質問:「当日、到着する前にお電話をいただくことは可能ですか?」
これは、地味ですがとても大事な確認です。
いきなりインターホンが鳴るより、「今から15分ほどで到着します」と一本連絡をもらえるだけで、心の準備が全然違いますよね。
- 聞くべき質問:「作業員の方は何名で来られますか?もし可能であれば、女性のスタッフの方に来ていただくことはできますか?」
特に女性の一人暮らしの場合、どんな人が家に来るのか、というのは大きな不安だと思います。
恥ずかしがらずに、ぜひ正直に聞いてみてください。この質問に対して、親身に、そして誠実に答えてくれる業者さんなら、安心して作業をお任せできる可能性が高いです。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

良いサービスとは、単に不用品を運び出すことだけではありません。
あなたの不安を取り除き、気持ちよく片付けを終えられるよう配慮してくれること、それこそが本当の良いサービスです。
この章の質問は、業者の「作業スキル」だけでなく、「心遣い」や「誠実さ」を見極めるための、大切なリトマス試験紙の役割も果たしてくれるんですよ。
これで、料金もサービス内容もクリアになりました。
もう怖いものなし!…と言いたいところですが、最後に一つだけ、絶対に確認しなければならない最も大事なことがあります。
それは、その業者が本当に「信頼できる、合法的な業者」なのかどうか。
次の章では、悪質業者を100%見抜くための、最終チェック項目についてお伝えします。
第4章:【信頼性・合法性編】電話での確認事項

さて、料金もOK、サービス内容も良さそう。
「もう、この業者さんで決まりかな!」 …と、その気持ち、すごくよく分かります。でも、契約のハンコを押す前に、最後の、そして最も重要な関門が残っています。
それは、「その業者は、本当に信じても大丈夫な会社なのか?」という最終確認です。
少し聞きにくい質問も含まれているかもしれません。でも、あなた自身を、そしてあなたの財産を悪質な業者から守るために、ここは少しだけ勇気を出して、しっかり確認していきましょう。
私が最初に頼みそうになった業者は、今思うと会社の名前も曖昧で、ホームページもありませんでした。もしあのまま頼んでいたら、私の出した不用品がどこかの山に不法投棄されて、私が犯罪に加担していたかもしれない…と考えると、今でも本当にゾッとします。
4-1. 会社の身元確認
まず、あなたが話している相手が、どこの誰なのかをはっきりさせましょう。当たり前のことのようですが、意外と見落としがちなポイントです。
- 聞くべき質問:「会社の正式名称と、事務所の所在地を教えていただけますか?」
「〇〇回収センター」のような名前だけだと、個人でやっているのか、ちゃんとした会社なのか分かりませんよね。
会社の正式名称と住所を聞いて、少しでも時間があれば、スマホで検索してホームページがあるか、Googleマップでその住所が実在するかを確認してみましょう。
ホームページがない、電話番号が携帯電話の番号しかない、という業者が全て悪いわけではありませんが、やはり少し慎重になった方がいいかもしれません。
4-2. 【最重要】許可・資格の確認
正直に言います。これが、この章で一番聞きにくい質問かもしれません。
でも、一番大事な質問です。これに誠実に答えられない業者とは、絶対に契約してはいけません。
- 聞くべき質問:「家庭の不用品を回収するために必要な、『一般廃棄物収集運搬業許可』はお持ちでしょうか?」
「いっぱんはいきぶつしゅうしゅううんぱんぎょうきょか」…すごく長くて難しそうな名前ですよね。
これは簡単に言うと、「家庭から出るゴミを、お金をもらって運ぶための、市町村が出している特別な免許」のようなものです。
実は、この許可を持っている不用品回収業者は、そこまで多くありません。
だからこそ、これを持っているということは、法令をきちんと守っている、信頼できる会社であることの大きな証になるんです。
よくあるケースとして、こんな風に言われることがあります。
「うちは『古物商』の許可があるから大丈夫ですよ」 これは要注意です。
「古物商」は、あくまで中古品を「買い取る」ための許可であって、お金をもらってゴミを処分するための免許ではありません。
この違いを知っておくだけで、悪質業者を見抜く力が格段に上がります。
4-3. 保険とコンプライアンス
最後に、「万が一」の事態に備えている会社かどうか、そして回収したものをきちんと処理してくれる会社かどうかを確認します。
- 聞くべき質問:「万が一、作業中に家の壁や家具を傷つけてしまった場合のために、損害賠償保険には加入されていますか?」
想像してみてください。
もし、作業中に大切なテレビを倒されたり、マンションの壁に大きな傷をつけられたりしたら…本当にショックですよね。
「気をつけますので大丈夫です」という言葉だけでなく、「はい、最大〇〇円まで保証される保険に入っております」と明確に答えてくれる業者さんなら、リスク管理がしっかりした会社だと判断できます。
- 聞くべき質問:「回収していただいた不用品は、法律に則って、適切に処理していただけますか?」
少し踏み込んだ質問に聞こえるかもしれませんが、これも大事な確認です。
あなたの出した不用品が、もしどこかの山に不法投棄された場合、元の持ち主であるあなたにも責任が問われる可能性がゼロではないからです。
「もちろんです。弊社は提携している正規の処理施設に持ち込んでおります」
こんな風に、自信を持って答えてくれる業者さんを選びましょう。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

料金が安い、作業が早い。それも大事なことですが、今の時代、業者選びは「クリーンであること」が絶対条件です。
特にコンプライアンス(法令遵守)意識は、会社の姿勢そのものを表します。この章の質問に一つでも答えを濁したり、不機嫌になったりする業者は、どんなに安くても、どんなに感じが良くても、あなたの選択肢から静かに外すべきです。
お疲れ様でした。 これで、あなたは悪質な業者を確実に見抜くための「盾」を手に入れました。
さあ、あなたの業者選びは、もうほぼ完璧です。 最後の章では、これまでの総まとめと、実際に現地見積もりに来てもらった当日の最終チェックポイント、そして気持ちのいい断り方について、お伝えしていきますね。
第5章:電話対応で見抜く!業者の見極め方

さて、第4章までで、あなたは業者に「何を聞くべきか」という知識を完璧に武装しました。 ここからは、いわば車の運転でいう路上教習。相手の「話し方」や「態度」から、その業者が本当に信頼できる相手なのかを見抜く、より実践的なテクニックのお話です。
どんなに完璧な質問を用意していても、相手の答えに隠された「危険なサイン」や「安心できるサイン」を見抜けなければ意味がありませんよね。
私が実際に体験した「危ない業者」と「安心な業者」の話し方の違い、そしてその受け答えに隠された本音の部分を、ここでこっそりお教えします。
5-1. 要注意!悪質業者の危険信号リスト
まずは、「こういう話し方をする業者とは、絶対に契約してはいけない」という危険なサインから。
私が最初に電話した業者は、今思うとこの危険信号だらけでした。もし一つでも当てはまったら、どんなに安くても丁寧にお断りすることをおすすめします。
① 会社名を名乗らない
これは基本中の基本です。 電話に出たとき、「はい、不用品回収です」とだけ言う業者は、まず警戒してください。
なぜ堂々と会社名を名乗らないのでしょうか?
その時点で、何かうしろめたいことがあるのでは、と疑ってしまいますよね。
優良な業者さんなら、必ず「お電話ありがとうございます、株式会社〇〇の△△です」と、はっきりと名乗ってくれます。
② 「無料」の強調・料金説明が曖昧
「なんでも無料で回収します!」 この言葉、とても魅力的に聞こえますが、現代において、そんなうまい話は絶対にありません。
不用品の処分には必ず費用がかかります。無料を過度に強調してくる裏には、「あとで高額な作業費を請求する」「価値のあるものだけ持っていく」といった魂胆が隠れている可能性が非常に高いです。
③ 即決を迫る・高圧的な態度
これが、私が一番恐怖を感じたポイントです。
- 「ちょうどトラックが近くを走ってるんで、今から30分で行けますよ!」
- 「もし今日この場で決めてくれるなら、特別に1万円値引きします!」
こういった言葉は、あなたに考える時間を与えず、他社と比較させないための典型的な手口です。
本当に顧客のことを考えている業者なら、あなたがじっくり検討するのを待ってくれるはずです。
もし、あなたの質問に対して少しでも面倒くさそうな態度を取ったり、威圧的な口調になったりした場合は、その時点ですぐに電話を切る勇気を持ってください。
5-2. 安心!優良業者のサインリスト
では逆に、どんな電話対応をしてくれる業者なら安心して任せられるのでしょうか?
私が最終的に依頼して大満足だった業者さんは、これからお話しするポイントを全て満たしていました。
① 丁寧な言葉遣いと明確な説明
これは当たり前のことかもしれませんが、一番大事なポイントです。
こちらの素人っぽい質問に対しても、専門用語を使わずに、一つ一つ分かりやすく説明しようとしてくれる姿勢があるかどうか。
あなたの不安な気持ちをきちんと受け止めて、誠実に対応してくれる。
そんな担当者さんがいる会社は、信頼できる可能性が非常に高いです。
② リスクやデメリットも正直に話す
私が一番「この業者さんは信頼できる!」と感じたのは、実はこのポイントでした。
私が「この量なら、2トントラックで余裕ですよね?」と聞いたとき、その担当者さんはこう言いました。
「いえ、お客様。正直に申し上げますと、その量ですとトラック一台ではかなりギリギリです。積み方を工夫すれば何とかなるかもしれませんが、もしもの場合を考えると、事前にいくつかの小物を減らしていただくか、最悪、追加料金の可能性もご承知おきいただいた方がよろしいかと思います」
自社にとって不利になるかもしれない情報を、正直に伝えてくれたんです。この誠実な態度に、私は心から安心感を覚えました。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

これまで色々なテクニックをお伝えしてきましたが、最後はあなたの「直感」も大切にしてください。
「なんだか、この人とは話が合わないな」「ちょっと怖い感じがするな」その感覚は、だいたい当たっています。
結局、信頼できる業者かどうかは、電話口での数分間の会話にすべて表れるもの。
あなたの心が「安心できる」と感じた業者を選ぶのが、一番の後悔しない選択になるはずですよ。
お疲れ様でした。 これで、あなたは電話口での数分間の会話だけで、業者の本性を見抜く「目」を養うことができました。もう、電話をかけるのが怖いなんてことはないはずです。
さて、いよいよ物語はクライマックスへ。 最後の章では、これまでの知識を総動員して、実際に現地見積もりに来てもらった当日の立ち振る舞いと、最高の契約を結ぶための最終ステップについて解説します。
第6章:電話を切った後にやること
さて、ここまで本当にお疲れ様でした。
電話でのヒアリング、いかがでしたか?
きっと、この記事を読む前のあなたと比べて、比べ物にならないくらい冷静に、そして自信を持って業者さんと話ができたのではないでしょうか。
でも、安心するのはまだ少しだけ早いですよ。
「電話を切った直後」から「最終的に1社に決める」までの、この最後の詰めの作業が、あなたの成功を確実なものにします。
僕も昔、電話での感触が良かったA社と、料金が安かったB社で迷い、結局B社に決めて失敗した経験があります。
あの時、電話を切った後にもう一手間かけていれば、結果は違ったかもしれません。
この章では、あなたの頑張りを最高の結果に結びつけるための、最後の、そして一番大事な「クロージング」の方法についてお伝えします。
6-1. 記録と情報整理
電話が終わって「ふぅ〜」と一息つきたい気持ち、すごく分かります。でも、その前に5分だけ、時間をください。記憶が新しいうちにやっておくべき、とても大事な作業があります。
① 通話内容のメモ
人間の記憶は、驚くほど曖昧です。
特に2社、3社と話を聞くと、頭の中はごちゃごちゃになってしまいます。
「あれ、A社とB社、どっちが階段料金かからないんだっけ?」なんてことになったら、せっかくのヒアリングが台無しです。
電話が終わったら、すぐにメモ帳に内容をまとめましょう。
- 会社名と担当者名
- 電話での概算見積もり金額
- 訪問見積もりの日時
- 追加料金の有無(階段、作業員など)
- 電話口での担当者の印象(←これが意外と大事!)
これを業者ごとに作っておくだけで、あとで比較検討する際の精度が全く違ってきます。
6-2. 比較検討と最終決定
さあ、2〜3社のヒアリングと記録が終わったら、いよいよ最終決定です。机の上にメモを広げて、じっくり比較検討しましょう。
① 複数社の見積もりを比較する
ここで見るべきポイントは、単純な金額の安さだけではありません。
- 料金の透明性:「一式〇〇円」という業者と、「基本料金〇円+階段料金〇円…」と細かく説明してくれた業者、どちらが信頼できますか?
- サービス内容:養生や簡単な清掃までやってくれるかなど、金額には表れないサービスの違いを比較します。
- 担当者の人柄:あなたの質問に誠実に答えてくれましたか?この「安心感」は、お金には代えがたい価値があります。
僕が失敗した時は、この「安心感」を軽視して、目先の安さだけで選んでしまいました。
料金、サービス、人柄。この3つのバランスが最も良いと感じた業者を選ぶのが、後悔しないための秘訣です。
② 断りの連絡を入れる
依頼しないと決めた業者さんにも、一本連絡を入れるのが大人のマナーです。
特に、訪問見積もりに来てもらった場合は、貴重な時間を使ってもらったわけですから、必ず連絡しましょう。
- 断り方の例:「お世話になっております、〇〇です。先日はお見積もりいただきありがとうございました。大変申し訳ないのですが、今回は別の業者さんにお願いすることになりました。また機会がございましたら、よろしくお願いいたします」
断るのが苦手な方もいると思いますが、業者の人も断られることには慣れています。下手に嘘をついたり、電話に出なかったりするよりも、正直に、でも丁寧に伝えるのが一番お互いにとって気持ちがいいですよ。
③ 依頼する業者へ最終確認の連絡
そして、依頼すると決めた業者さんへ、最終確認の連絡を入れます。
- 伝えるべきこと:「お世話になっております、〇〇です。先日のお見積もりの件、ぜひ御社にお願いしたく、ご連絡いたしました。つきましては、〇月〇日の〇時で、改めて予約をお願いできますでしょうか」
この時に、当日までに準備しておくこと(冷蔵庫の電源を切るなど)がないか、改めて確認しておくと、よりスムーズです。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

おめでとうございます!ここまで来れば、もう何も心配いりません。
あなたは、自分の力で情報を集め、比較し、そして最良の決断を下しました。業者に言われるがままではなく、あなた自身が選んだ。この「納得感」こそが、不用品回収を成功させる一番の秘訣なんです。当日は、どっしりと構えてプロの仕事を見届けてあげてください。
【私の悩み】不用品回収、こんな時どうすれば?Q&A
Q1. 「電話で聞いた料金より、当日高くなったらどうしよう…」追加料金がとにかく不安です。
A1. 電話での見積もりよりも確定の料金を出すために、訪問見積もりを依頼しましょう!電話見積もりで全てを伝え切るのは至難の業です!
Q2. 「一人暮らしなので、どんな人が家に来るのか分からず少し怖い…」
A2. その不安は、遠慮せずに伝えて大丈夫です。
電話の際に「作業員は何名で来られますか?もし可能であれば、女性スタッフの方に来ていただくことはできますか?」と正直に尋ねてみましょう。
この質問に親身に、そして誠実に対応してくれる業者であれば、安心して任せられる可能性が高いです。
会社の身元(正式名称や住所)がはっきりしているかも重要な判断材料になります。
Q3. 「回収してもらった不用品が不法投棄され、後で自分がトラブルに巻き込まれたらどうしよう…」
A3. これは最も重要な確認事項です。
この不安を解消する魔法の言葉が「『一般廃棄物収集運搬業許可』はお持ちですか?」です。
少し言いにくいかもしれませんが、この許可がなければ家庭ゴミの有料回収は違法です。
この質問に答えを濁したり、不機嫌になったりする業者は、どんなに安くても絶対に選んではいけません。
Q4. 「仕事が忙しくて時間がない!分別とか梱包とか、全部丸投げしたいけど可能?」
A4. 業者によってサービス範囲は全く異なります。
「分別や梱包はこちらでしておく必要はありますか?それとも、すべてお任せして大丈夫でしょうか?」と必ず事前に確認しましょう。
また、壁や床を傷つけられないか心配な場合は、「作業の際に、床や壁を保護する『養生』はしてもらえますか?」と合わせて聞くことで、作業の丁寧さも見極めることができます。
Q5. 「A社は安いけど電話対応が雑。B社は少し高いけどすごく丁寧。どっちを選べば後悔しない?」
A5. B社を選ぶことを強くお勧めします。
電話対応は、その会社の顧客に対する姿勢そのものです。
数千円の差額を惜しんで、当日に追加料金で揉めたり、家財を雑に扱われたりするリスクを負うべきではありません。
あなたが「この人なら安心できる」と直感で感じた、丁寧に対応してくれた業者を選ぶことが、後悔しないための最大の秘訣です。
【最後に】
不用品回収は、ただモノを捨てるだけの作業ではありません。あなたの過去の思い出を整理し、新しい生活へと踏み出すための、大切な一つの「儀式」だと私は思っています。
この記事が、あなたのその大切な儀式を、後悔のない、最高の形で終えるための一助となれたなら、これ以上に嬉しいことはありません。