一軒家の遺品整理費用相場は?安く抑えるコツと業者の選び方

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お片づけの窓口
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私自身、過去に何度も不用品回収サービスに助けられた
元・ヘビーユーザーです。
その実体験から、いざという時に頼れる『利用者目線の情報』をお届けするという
理念を掲げ、実体験に基づいた情報をお届けします!

こんな人におすすめ

  • 実家が一軒家(戸建て)で、片付け費用の目安が全くわからず不安な方
  • ネットの「格安広告」は信用できない、リアルな相場と内訳を知りたい方
  • 遠方に住んでおり、業者選びで「高額請求」や「近隣トラブル」を絶対に避けたい方
  • 片付けた後の「空き家」を売却するか解体するか、出口戦略も含めて考えたい方

この記事でわかること

  • 【相場表】 3LDK〜5LDK以上まで、一軒家のリアルな整理費用総額
  • 【変動要因】 庭石・物置・道幅など、見積もりが跳ね上がる「一軒家特有の理由」
  • 【節約術】 筆者が実際に費用を15万円安くした、誰でもできるコストダウン手法
  • 【業者選び】 悪徳業者を排除し、信頼できるプロを見抜く「4つのチェックリスト」
  • 【その後】 整理後の固定資産税で損をしないための「不動産・解体連携の知識」
目次

第1章:【間取り別】一軒家の遺品整理 費用相場

親が亡くなり、悲しみに暮れる間もなく直面するのが「実家の片付け」です。

特に一軒家の場合、マンションとは比べ物にならない荷物の量に圧倒され、「一体いくらかかるのか?」「業者の言い値でぼったくられないか?」と不安で眠れない夜を過ごしていませんか?

私も数年前、築40年の実家(4LDK)を整理したとき、最初の見積もりを見て膝から崩れ落ちそうになりました。

この章では、きれいごと抜きの「リアルな費用相場」と、なぜその金額になるのかという「費用の正体」について、私の体験談を交えて徹底解説します。

ズバリ、一軒家の片付けにはいくらかかる?【相場表あり】

まずは結論からお伝えします。一軒家の遺品整理は、数十万円で収まればラッキーと言えるでしょう。100万円を超えることも決して珍しくありません。

以下は、当メディアが独自に調査した、一軒家(戸建て)に特化した費用相場の目安です。

間取り作業人数トラック台数(2t)費用相場(税込)
3LDK3〜5名3〜4台17万〜50万円
4LDK4〜6名4〜5台22万〜70万円
5LDK以上6名〜5台以上50万〜100万円超

※上記はあくまで「家の中の荷物」の目安です。庭の植木や倉庫、リサイクル家電の処分費は別途加算されるケースが大半です。

【体験談】私が直面した「想定外」の追加費用

私が父の遺品整理(4LDK・庭付き)をした際、ネットで見て「30万円くらいかな」と予想していました。

しかし、実際に出てきた見積もりは85万円でした。

理由は明確でした。

「お客様、お部屋は片付いて見えますが、屋根裏の収納と、庭の物置の中身だけでトラック1台分になります」

プロの指摘で初めて、自分たちが「見えている部分」しか計算に入れていなかったことに気づかされたのです。

【編集長からのワンポイントアドバイス】

ネット上で見かける「最安値」は、荷物が極端に少ないモデルケースだと認識しておきましょう。

特に一軒家は「見えない収納」が多いため、注意が必要です。電話で「4LDKです」と伝えるだけで見積もりを確定させず、必ず現地訪問をしてもらった上で、正確な金額を出してもらうことが鉄則です。

料金が決まる仕組みは「部屋の広さ」ではなく「物量」

なぜ、同じ4LDKでも20万円の家と70万円の家があるのでしょうか?

それは、遺品整理の費用が「家の広さ(坪数)」ではなく、「排出されるゴミ(資源)の体積」で決まるからです。

これを理解していないと、業者に対して「高い!」と不信感を持ってしまいます。

わかりやすくトラックの台数でイメージしてみましょう。

  • スッキリ生活していた家(3LDK)
    • 2トントラック2台分 処分費・人件費が少ない 安い
  • 物を捨てられない親の家(3LDK)
    • 2トントラック5台分 処分費・人件費が倍増 高い

一軒家の場合、長年蓄積された「いつか使うかもしれない物」が、押し入れの奥や天袋にパンパンに詰まっていることがほとんどです。これらをすべて掘り起こすと、想像を絶する量になります。

トラック1台あたりの単価を知る

悪質な業者を見抜くためにも、トラック1台あたりの単価感を持っておきましょう。

  • 軽トラック
    • 1.5万〜4万円程度
  • 2トントラック
    • 5万〜12万円程度

見積書に「一式 50万円」としか書かれていない場合は要注意です。「2トントラック4台分(単価8万円×4)」のように、根拠が明確かどうかが信頼の分かれ目となります。

安すぎる業者には「裏」がある?知っておくべき法的リスク

「相場より圧倒的に安い業者がいた!」

その時、すぐに飛びつくのは危険です。なぜなら、その廃棄物が不法投棄されるリスクがあるからです。

家庭から出る不用品(遺品)を処分するには、市町村の「一般廃棄物収集運搬業」の許可、または許可業者との提携が必須です。

無許可の業者が山林に不法投棄をし、その中から親の名前が入った封筒が見つかった場合、依頼主であるあなたに警察から連絡が来る可能性があります。

環境省も「無許可」の回収業者を利用しないよう強く呼びかけています。

参考リンク:環境省 – 廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!

【編集長からのワンポイントアドバイス】

「全部コミコミで5万円で承ります」といった甘い言葉には、残念ながら罠があるケースが多いのです。

業者は処分場に持ち込むだけでも費用がかかります。正規ルートで処分し、人件費を払い、利益を出す必要があります。

どう計算しても「安すぎる」場合は、不法投棄のリスクがあるか、作業後に高額な追加請求をされる可能性が高いので、十分に警戒してください。

一軒家だからこそ「予算」を守るために

一軒家の遺品整理は、人生で一番大きな「片付け」の出費になります。

だからこそ、以下の3つのステップで予算を守ってください。

  1. 自分たちでできる範囲(貴重品捜索など)は事前に済ませておく
  2. 3社以上で相見積もりを取り、総額だけでなく「内訳」を比較する
  3. 「買取り」ができる業者を選び、費用と相殺してもらう

まずは、今の実家の状況が「レベルいくつの物量」なのか、冷静に把握することから始めましょう。

次章では、一軒家の見積もりを跳ね上げる「特有の変動要因(庭・道幅・構造)」について、さらに深く掘り下げていきます。

第2章:一軒家の見積もりが変動する「特有の要因」とは

「部屋の荷物はだいたい把握した。これで予算も読めたはず」 そう思っていた当時の私に、プロの業者は庭を指差してこう言いました。

「お客様、この立派な庭石と物置、どうされますか?」

一軒家の遺品整理において、見積もり金額を大きく左右するのは、実は「家の中」だけではありません。

「家の外(庭)」や「家の前の道」、そして「建物の構造」が、数十万円単位で費用を変えてしまうのです。

この章では、一軒家特有の「3つの変動要因」について解説します。

1. 【屋外・外構】庭石・物置は「粗大ゴミ」ではない

マンションにはなく、一軒家には必ずあるもの。それが「庭」や「外構」です。 これらは一般の家庭ゴミとしては出せないものが多く、処理費用が高額になりがちです。

  • 庭石・灯籠・コンクリートブロック
    • これらは「産業廃棄物」や「重量物」扱いとなり、1キロあたり数十円〜といった重さ単位での処分費がかかります。石ひとつで数千円〜数万円かかることも珍しくありません。
  • 物置(スチール製・木製)
    • 中身の処分だけでなく、ボロボロに錆びついた物置自体の「解体費」と「処分費」がダブルで発生します。
  • 植木・雑草
    • 「庭を更地にしたい」という場合、木の伐採や抜根、草刈りが必要です。これらは造園業の領域ですが、遺品整理業者がまとめて引き受ける場合、オプション料金となります。

【体験談】私の盲点だった「ガレージの奥」

私の実家には古いガレージがありました。車はないので空だと思っていたのですが、シャッターを開けると、父がDIYで使っていた大量の木材、ペンキ、古タイヤが山積みに…。

特にペンキ(液体)やタイヤは、自治体のゴミ回収では持って行ってくれない「適正処理困難物」です。これらを処分するためだけに、追加で5万円ほどかかってしまいました。

【編集長からのワンポイントアドバイス】

見積もりの際は、必ず「家の外」もセットで見てもらうようにしましょう。 特に、土に埋まった植木鉢や、ブロック塀の裏に隠した廃材などは見落としがちです。「ここにあるものは全て撤去する」のか「残しても良いのか」、ご自身の中で線引きをしておくことが、正確な見積もりへの第一歩となります。

2. 【道幅・立地】トラックが横付けできないと高くなる

古い一軒家によくあるのが、「前の道が狭くてトラックが入らない」というケースです。

これは業界用語で「横持ち」と呼ばれる追加作業が発生します。

  • 横持ちとは?
    • トラックを停められる場所から玄関まで距離がある場合、作業員が手作業(または台車)で荷物を運ぶ作業のことです。
  • なぜ高くなる?
    • 往復の時間と体力を使うため、作業時間が大幅に延びるからです。結果として、作業員の人数を増やす必要があり、人件費が加算されます。
  • 費用の目安
    • トラックまでの距離が10m離れるごとに、作業員1人あたり数千円の加算、あるいは全体の1〜2割増しになるイメージを持っておいてください。

3. 【構造】階段作業と「吊り下げ」の手間

2階建ての一軒家で、大きなタンスやベッドが2階にある場合も要注意です。

  • 階段が狭い・急である
    • 手すりを取り外さないと通らない、あるいは壁を傷つけないように厳重な「養生(保護)」が必要な場合、養生費や作業費がプラスされます。
  • 窓からの吊り下げ(吊り作業)
    • 階段を通らない大型家具は、2階の窓からロープを使って吊り下ろす必要があります。これは熟練の技術と、下で支える人員が必要なため、1点あたり数千円〜2万円程度の追加料金がかかります。

【編集長からのワンポイントアドバイス】

お問い合わせの電話やメールの段階で、「家の前の道幅(車がすれ違えるか)」と「2階にある大型家具の有無」を伝えておくとスムーズです。 Googleマップのストリートビューなどで、事前に業者に周辺環境を確認してもらうのも、見積もり誤差を減らす一つの賢い方法といえるでしょう。

4. 【特殊清掃】孤独死やゴミ屋敷状態の場合

もしも故人がお一人で住まわれていて、発見が遅れた場合(孤独死)や、いわゆる「ゴミ屋敷」状態になっていた場合は、通常の遺品整理とは異なる対応が必要です。

  • 消臭・消毒
    • 体液や腐敗臭が染み付いている場合、オゾン脱臭機などによる特殊清掃が必要です。
  • 害虫駆除
    • ハエやゴキブリが大量発生している場合、荷物を運び出す前に駆除作業を行います。

これらは健康被害や近隣トラブルに直結するため、専門知識を持った「特殊清掃士」が在籍する業者に依頼する必要があります。

参考リンク: 空き家の管理や除却(解体)については、国土交通省のガイドラインも参考になります。整理後の家をどうするか考える際にご覧ください。 国土交通省:空き家対策特設サイト

「高い」には理由がある。だからこそ内訳を確認する

一軒家の見積もりが高額になるのは、業者が利益を乗せているからだけではなく、「運ぶ手間」と「捨てる難しさ」がマンションとは段違いだからです。

業者から提示された見積もりを見て「高い!」と思ったら、感情的にならずにこう聞いてみてください。

「この金額の中で、一番コストがかかっている作業はどれですか?」

誠実な業者であれば、

「お庭の石の処分費が高いんです」
「道が狭くて人員が必要なんです」

と、納得のいく説明をしてくれるはずです。

さて、費用の全体像が見えてきたところで、次はさらに細かく「基本料金に含まれる作業」と「別料金になる作業」の境界線をハッキリさせましょう。これを知らないと、作業当日に「それは別料金です」と言われて揉める原因になります。


第3章:どこまでが範囲内?費用に含まれる作業・別料金の作業

「家の中にあるもの、全部空っぽにしてください」 見積もりの際、私は業者にそう伝えました。しかし作業当日、業者はある物を指差してこう言いました。

「お客様、このエアコンと作り付けの棚は、契約に含まれていないので外せません」

一軒家の場合、家具(動産)と、建物の一部(不動産)の境界線が曖昧なものがたくさんあります。

この章では、基本料金で「やってくれること」と、オプション料金がかかる「やってくれないこと」の境界線を、私の失敗談を交えてハッキリさせます。

1. 基本料金に「含まれる」標準的な作業

一般的に、遺品整理業者の「基本パック」や「見積もり総額」に含まれているのは、以下の5つの作業です。これらは追加料金なしで行われるのが普通です。

  1. 仕分け・梱包
    • 必要なものと不要なものを分け、段ボールに詰める作業。
  2. 搬出
    • 家からトラックへの積み込み。
  3. 車両・運搬
    • トラックの燃料費や手配費。
  4. 処分(リサイクル)
    • 提携処分場への廃棄費用。
  5. 簡易清掃
    • 荷物を出し終えた後の、掃き掃除や掃除機がけ(※ハウスクリーニングとは別です)。

つまり、「家の中に置いてある荷物を運び出し、床をホウキで掃くところまで」が基本セットだと考えてください。

2. 要注意!「オプション(別料金)」になりやすい項目

ここがトラブルの多発地帯です。以下の項目は、特殊な技術や個別の処分ルールが必要なため、多くの業者で別料金となります。

① 家電リサイクル法対象の4品目

テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンの4品目は、法律で捨て方が厳格に決まっています。

「処分費」とは別に、国が定めた「リサイクル料金」と、業者の「収集運搬費」が必ず加算されます。

② 取り外し工事が必要なもの

  • エアコン
    • 取り外しには電気工事士などの専門スキルが必要です。
  • 風呂釜・給湯器
    • ガス工事の資格が必要な場合があります。
  • ウォシュレット
    • 配管作業を伴うため、オプション扱いになることが多いです。

③ 魂抜き・供養が必要なもの(仏壇・神棚)

仏壇や神棚、遺影などは、そのまま「ゴミ」として捨てるわけにはいきません。

提携寺院でのお焚き上げや、魂抜きの供養を行う場合、1点につき数千円〜数万円の「供養費」が別途かかります。

④ 建物に固定されているもの(解体・リフォーム前)

「カーテンレール」「作り付けの棚」「畳」「網戸」などは、家具ではなく「建物の一部(付帯設備)」とみなされます。

これらを撤去するには解体作業が必要になるため、基本プランには含まれません。

【編集長からのワンポイントアドバイス】

特に注意が必要なのは「エアコン」です。「古いから置いていっていいや」と思っても、家を売却する際に不動産会社から「撤去してください」と言われるケースが大半です。二度手間にならないよう、最初の整理の段階で「撤去まで含めて見積もりに入れてください」と明確に指示を出しましょう。

【体験談】「簡易清掃」への過度な期待は禁物

私が利用した際、「清掃込み」という言葉に安心していましたが、作業後に見てみると、長年タンスが置いてあった場所の床の黒ずみやカビまでは落ちていませんでした。

業者に聞くと、「私たちがやるのは『掃き掃除』までです。染み付いた汚れを落とすのは『ハウスクリーニング』という別サービスになります」とのこと。 言われてみればその通りですが、当時は「ピカピカにしてくれる」と勝手に期待値を上げてしまっていたのです。

  • 遺品整理業者の清掃
    • ホコリを払い、ゴミをなくす(現状復帰)
  • ハウスクリーニング
    • 洗剤や機材を使って汚れを落とす(修復)

この違いを理解しておくと、作業後のガッカリ感を防げます。

トラブル回避のための「契約書」チェック

口頭での「やっておきます」は、言った言わないの水掛け論になります。

必ず「作業内容内訳書」や契約書を確認し、以下の項目が明記されているかチェックしてください。

  • エアコンの取り外し工賃は含まれているか?
  • リサイクル家電の料金は計上されているか?
  • 作業後の清掃範囲はどこまでか?

参考リンク: 契約トラブルに巻き込まれないよう、国民生活センターの事例にも目を通しておくと安心です。 独立行政法人 国民生活センター:遺品整理サービスでの契約トラブルに注意

次はいよいよ「費用を安くする」テクニック

基本料金とオプションの境界線が見えてきましたね。 「なんだかんだで、結局高くなるんじゃないか…」と不安になった方もいるかもしれません。

しかし、諦めるのは早いです。一軒家には一軒家の「安くする方法」があります。 次章では、私が実際に試して費用を15万円浮かせた、誰にでもできるコストダウン術(買取・相見積もりの極意)を伝授します。

第4章:一軒家の整理費用を安く抑えるテクニック

「見積もり85万円…さすがに高すぎる。なんとか安くならないか?」

前章でお話しした通り、最初に提示された金額に愕然とした私は、業者任せにせず「自分で動く」ことで、最終的に支払額を15万円安くすることに成功しました。

一軒家はゴミの量が多い分、工夫次第でコストダウンの幅も大きくなります。

この章では、私が実際に試して効果があった「4つの節約術」を包み隠さず公開します。

1. 【買取】「ゴミ」だと思っていた物が「現金」に変わる

費用を安くする一番の近道は、「値引き交渉」ではなく「買取による相殺」です。

遺品整理業者の多くは「古物商許可」を持っており、価値ある物をその場で査定し、作業費用から差し引いてくれます。

一軒家(特に古い実家)には、マンションにはない「お宝」が眠っている可能性が高いのです。

  • 骨董品・茶道具
    • 埃をかぶった壺や鉄瓶が、数万円になることがあります。
  • 贈答品
    • 箱に入ったままのタオルや食器セット。
  • 農機具・工具
    • 倉庫にあるトラクターや電動工具は、海外輸出用として高値がつくことがあります。
  • 家電
    • 製造から5年以内のテレビ・冷蔵庫など。

【体験談】ボロボロの「桐タンス」が売れた!

私が「これは処分費がかかるだろうな」と諦めていた古い桐タンス。

しかし業者は「これは素晴らしい。着物とセットで買い取れます」と言ってくれました。

自分にとっては「古い家具」でも、プロの目から見れば「リユース可能な資源」なのです。勝手に捨てずに、まずは査定に出してみることを強くお勧めします。

【編集長からのワンポイントアドバイス】

査定に出すときは、絶対に「箱」や「鑑定書」を捨てないでください。桐箱に入っているか、説明書があるかだけで、買取価格が桁違いに変わることがあります。「汚れているから」と雑巾で拭くのもNGです。かえって傷をつけて価値を下げてしまうことがあるので、そのままの状態で見てもらいましょう。

2. 【解体連携】家を壊すなら「木製品」は残していい?

これは一軒家ならではの裏ワザです。

もし、遺品整理の後に「家の解体」が決まっている場合、タンスなどの「木製家具」は無理に片付ける必要がない場合があります。

  • 遺品整理業者
    • 家具を「丁寧に搬出」して「処分場へ運ぶ」ため、人件費と処分費がかかる。
  • 解体業者
    • 家と一緒に重機で壊して「木くず」として処理するため、コストが安い。

「解体するから、木製の家具は残してもいいですか?」と解体業者に確認してみてください。許可が出れば、遺品整理業者には「木製家具は残置扱いで」と指示することで、その分の搬出費・処分費をカットできます。

3. 【自治体活用】粗大ゴミ回収との「ハイブリッド利用」

すべての荷物を業者に丸投げすると、当然高くなります。

「自分で運べるもの」だけでも自治体の粗大ゴミに出せば、費用は数分の一に抑えられます。

  • 布団・座布団
    • 業者だと高額になりがちですが、自治体なら数百円で済みます。
  • 本・雑誌
    • 資源ゴミの日に出せば無料です。

私は、週末を使って弟と2人で「布団」と「本」だけを徹底的に捨てました。これだけでトラック半分ほどのスペースが空き、見積もりのランクを一つ下げることができました。

参考リンク: 不用品の処分方法は自治体によって異なります。環境省のサイトから、正しいリユース・リサイクルの流れを確認しておきましょう。 環境省:いらなくなった製品は正しくリユース・リサイクル!

4. 【相見積もり】「3社比較」で見える適正価格

そして最も重要なのが、「相見積もり」です。

1社だけ見て決めるのは、スーパーで値段を見ずに買い物をするようなもの。必ず3社から見積もりを取りましょう。

なぜ3社なのか?

  • 1社目
    • 基準を知る(高いか安いかわからない)
  • 2社目
    • 比較ができる(A社より安いが、サービスはどうか?)
  • 3社目
    • 確信を得る(相場観が掴め、一番信頼できる業者がわかる)

「B社さんは〇〇万円でしたが、御社はもう少し頑張れませんか?」と相談する材料にもなります。

【編集長からのワンポイントアドバイス】

見積もりの安さだけで決めるのは危険です。「他社より10万円安くします!」と言いつつ、必要な養生を省いたり、不法投棄をしたりする業者も存在します。 金額だけでなく、「担当者の言葉遣い」「服装」「見積書の内訳の細かさ」を比較してください。親の家を任せるのですから、”人”で選ぶ視点を忘れずに。

まとめ:コストダウンは「手間」とのトレードオフ

  1. 売れるものは売る(買取)
  2. 解体前提なら木製品を残す
  3. 自分で捨てられるものは捨てる
  4. 3社比較で適正価格を見極める

これらを実践すれば、当初の見積もりから10万〜20万円下げることは十分に可能です。

しかし、無理は禁物です。自分たちでやろうとして腰を痛めたり、疲弊してしまっては元も子もありません。「できる範囲でやる」ことが大切です。

さて、費用を抑える工夫ができたら、次は「本当に大切なもの」を守る段階です。

一軒家には、家族も知らない「へそくり」や「重要書類」が隠されていることがよくあります。

次章では、プロも驚く「一軒家の意外な隠し場所」と「捜索のポイント」について解説します。

第5章:貴重品は見つかる?一軒家ならではの捜索と権利保全

「親はお金なんて持っていないはず」 そう思っていても、一軒家の遺品整理では、タンスの奥や床下から「現金」や「貴金属」が出てくることが日常茶飯事です。

これをもし、業者が気づかずに(あるいは悪意を持って)捨ててしまったら…と考えるとゾッとしませんか?

この章では、長年住んだ一軒家だからこそチェックすべき「5つの隠し場所」と、現代の必須課題である「デジタル遺品」について解説します。

1. プロもここを見る!一軒家の「5大隠し場所」

高齢の方は「銀行よりも手元に現金を置いておきたい」という心理が働きやすく、泥棒対策として非常に分かりにくい場所に資産を隠していることがあります。

私が依頼した業者が教えてくれた、「発見率が高い場所トップ5」をご紹介します。

  1. 仏壇・神棚の引き出し
    • 灯明の予備が入っている箱の中や、引き出しのさらに奥。
  2. タンスの底・背板
    • 引き出しを全部抜くと、底に封筒が貼り付けてあることがあります。
  3. 本や雑誌の間
    • 全集や百科事典のページの間、または本棚の隙間。
  4. 台所の床下収納・冷暗所
    • 梅干しの瓶の奥や、米びつの中(底の方)。
  5. 衣類のポケット
    • コートや背広の内ポケット、着物のたもと。

【体験談】ボロボロの「お菓子の缶」から…

私の実家の場合、押し入れの天袋の奥から、錆びついたクッキーの缶が出てきました。 「どうせガラクタだろう」と思って開けると、中には古銭のコレクションと、昭和時代の紙幣が数万円分入っていました。 もし業者に「押し入れの中は全部捨てて」と指示していたら、これらは確実にゴミ処理場行きだったでしょう。

【編集長からのワンポイントアドバイス】

悪質な業者の中には、見つけた現金をポケットに入れてしまう「盗難」のリスクもゼロではありません。信頼できる業者を選ぶのはもちろんですが、「貴重品の捜索」はできる限りご家族の手で行うのがベストです。 どうしても時間がなく業者に任せる場合は、「現金や貴金属が出てきたら、必ず分けて報告してください」と契約時に念押しし、作業終了後に確認するフローを徹底しましょう。

2. 権利書・実印・遺言書…「紙」の資産を守れ

現金以上に重要なのが、「権利関係の書類」です。

一軒家の場合、土地や建物の権利書(登記済証)に加え、借地権の契約書、隣地との境界確認書など、家の存続に関わる重要書類が存在します。

これらを誤って捨ててしまうと、その後の「相続登記」や「売却手続き」で、再発行の手間や高額な司法書士費用がかかることになります。

必ず確保すべき書類リスト

  • 不動産権利書(登記識別情報)
  • 実印・銀行印・印鑑登録カード
  • 預金通帳・証書
  • 生命保険証券
  • 遺言書
    ※自筆証書遺言の場合、家庭裁判所の検認が必要なので絶対に開封しないでください。

参考リンク: 遺言書が見つかった場合の取り扱いについては、法務省の案内をご確認ください。勝手に開封すると過料(罰金)の対象になる場合があります。 法務省:自筆証書遺言書保管制度

3. 現代の落とし穴「デジタル遺品」

最近急増しているのが、スマホやパソコンの中にだけ存在する「デジタル遺品」の問題です。

「通帳が見当たらないと思ったら、すべてネット銀行だった」というケースは、今の60代〜70代でも珍しくありません。

  • ネット銀行・証券
    • 紙の通帳がないため、メールやアプリの履歴から探す必要があります。
  • 有料サブスク
    • 動画配信や会員サービスなど、解約しない限り口座から引き落としされ続けてしまいます。
  • 暗号資産(仮想通貨)
    • スマホの中に数百万円分の資産が眠っている可能性も。

業者によっては、パソコンやスマホの「パスワード解除」や「データ抽出」を提携サービスとして紹介してくれるところもあります。

4. 「捜索」に強い業者を見極める質問

見積もりの際、単に「片付けます」という業者ではなく、こうした「捜索」に熱心な業者を選ぶことが、資産保全につながります。 担当者にこう質問してみてください。

「作業中に写真や手紙、現金が出てきた場合、どのように扱いますか?」

  • 良い回答
    • 「専用の『貴重品ボックス』を用意し、少しでも迷うものは全てそこに入れて、最後にお客様に確認していただきます」
  • 不安な回答
    • 「ああ、適当に分けておきますよ」「ゴミと一緒にしないように気をつけます」

具体的な「管理フロー」を持っている業者は、スタッフへの教育が行き届いている証拠です。


さて、貴重品の確保ができたら、いよいよ業者選びの最終段階です。

「安さ」や「捜索」だけでなく、「信頼できる業者」をどうやって選抜するか。

次章では、悪徳業者を排除し、近隣にも迷惑をかけない「失敗しない業者の選び方・4つの基準」を解説します。 これが、後悔しないための最後の砦となります。


第6章:失敗しない「一軒家に強い」業者の選び方

「ホームページは立派だったのに、来た作業員は茶髪でタバコ臭かった…」
「作業中に隣の家の塀にトラックをぶつけて、揉め事になった」

残念ながら、遺品整理業界にはこうした悪質な業者が少なからず存在します。

特に一軒家は、作業が数日間に及び、トラックの出入りも激しいため、業者の「品格」と「法令順守」が問われる現場です。

この章では、私が実際に業者を選定した際に重視した、絶対に譲れない「4つのチェックポイント」を解説します。

1. 最重要!「一般廃棄物収集運搬業」の許可を持っているか?

業者選びで最も大切な法律の話をします。

家庭から出るゴミ(遺品)をトラックで回収するには、自治体の「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。

しかし、この許可は新規取得が非常に難しく、多くの遺品整理業者は持っていません。では、どうしているのでしょうか? 合法な業者は、以下のどちらかの形態をとっています。

  1. 自社で許可を持っている(非常に稀で優良)
  2. 許可を持っている「提携業者」を手配して回収させる(一般的)

危険なのは、「産業廃棄物収集運搬業許可」しか持っていないのに、自社のトラックで家庭ゴミを持ち帰ろうとする業者です。

これは違法(無許可営業)です。

ここをチェック!

見積もりの際、必ずこう聞いてください。

「不用品の回収は、一般廃棄物の許可業者が来てくれますか?」

「はい、提携している〇〇環境サービスさんが回収に来ます」と即答できれば合格です。 言葉を濁したり、「うちは産廃の許可があるから大丈夫」と嘘をつく業者は即刻お断りしましょう。

2. 近隣住民への配慮(挨拶・駐車位置)ができるか

一軒家の整理で一番怖いのは、近隣トラブルです。

「あそこの息子さん、変な業者を呼んでうるさかったわね」と、実家が後ろ指をさされるのは避けたいですよね。

一軒家に慣れている業者は、作業前に以下の対応を徹底してくれます。

  • 事前の挨拶回り
    • 「〇月〇日に作業に入ります。ご迷惑をおかけします」と、タオルなどを持って近隣へ挨拶に行く。
  • 駐車位置の配慮
    • 近隣の車の出し入れを邪魔しない場所にトラックを停める、またはコインパーキングを利用する。
  • 養生
    • 搬出経路の廊下や壁、玄関アプローチを保護シートで覆い、傷を防ぐ。

【体験談】私が感動した業者の対応

私が選んだ業者は、見積もりの段階で「お向かいの家の車庫前には絶対に停めないようにしますね」と、自分から提案してくれました。

作業当日も、スタッフ全員が制服を着用し、すれ違う近隣の方に「おはようございます!」と気持ちよく挨拶をしていました。これだけで、こちらの肩身の狭さがだいぶ解消されました。

【編集長からのワンポイントアドバイス】

見積もりに来た担当者が、家の前に車をどう停めたかを見てください。勝手に隣の家の前に路駐したり、エンジンをかけっぱなしにしているようなら、その業者は論外です。「作業の質」は、こうした細かな「マナー」にすべて表れるものだとお考えください。

3. 「損害賠償保険」に加入しているか

重いタンスを階段から下ろしている最中に、手を滑らせて壁に穴を開けてしまった…。

そんな事故が起きた際、業者が「損害賠償保険」に加入していれば、修理費用は補償されます。

しかし、保険に入っていない個人業者などの場合、「元々傷ついていた」としらを切られたり、弁償能力がなくて泣き寝入りになるリスクがあります。

確認方法

「万が一、壁や床を傷つけた場合の補償はどうなっていますか? 保険証書のコピーを見せていただけますか?」と確認しましょう。最高1億円などの補償額が設定されている業者が安心です。

4. 遠方でも安心?「立ち会い不要」の報告システム

実家が遠方にあり、何日も泊まり込みで立ち会えない方も多いでしょう。

最近は、以下のような対応で「完全立ち会い不要」や「最初と最後だけ」でOKとする業者が増えています。

  • 鍵預かりサービス
    • キーボックス等で鍵を管理し、住人不在で作業を進める。
  • LINE実況報告
    • 「今、洋室の整理が終わりました」と、写真付きでリアルタイムに報告してくれる。
  • ビデオ通話確認
    • 作業完了後、ZoomやLINEビデオ通話で部屋の状況を確認し、OKを出してから引き渡す。

自分のスケジュールに合わせ、無理なく依頼できる体制があるかも重要な選定基準です。

参考リンク: 業者の信頼性を確認する一つの手段として、「遺品整理士認定協会」などの業界団体の加盟状況を確認するのも有効です。 一般社団法人 遺品整理士認定協会:遺品整理士とは

まとめ:契約前にこの「質問リスト」をぶつけろ!

良い業者を見極めるために、見積もり時に以下の質問を投げかけてみてください。

  1. 「廃棄物は、一般廃棄物の許可業者が運びますか?」(法令順守)
  2. 「近隣への挨拶回りはしていただけますか?」(マナー)
  3. 「万が一の事故の際、保険は適用されますか?」(補償)
  4. 「追加料金が発生するのは、どんなケースですか?」(明朗会計)

これらに目を見てハッキリと答えられる業者であれば、あなたの大切な実家を任せても大丈夫です。


さて、良い業者を選び、無事に片付けが終わったとしましょう。

しかし、一軒家の物語はここで終わりではありません。 空っぽになった家を「その後どうするか」。ここを放置すると、固定資産税や管理責任で苦しむことになります。

最終章となる第7章では、整理の先にある「家の出口戦略(解体・売却)」について、スムーズにバトンタッチする方法をお伝えします。

第7章:整理後の「家」はどうする?出口戦略との連携

「ふう、やっと家の中が空っぽになった…これで一安心」 と、肩の荷を下ろしたあなた。本当にお疲れ様でした。

しかし、一軒家の場合、ここからが本当の勝負です。

誰も住まなくなった実家(空き家)は、放置すれば「負の遺産」となり、適切に動けば「大切な資産」となります。

最終章では、遺品整理を終えた直後に考えるべき「3つの出口戦略」と、知らないと損をする「税金の罠」について解説します。

1. ピカピカに掃除するべき?「解体」か「売却」かで決まる

整理が終わった後、業者に「ハウスクリーニング(数万円〜)」を追加依頼するか迷う方が多いです。

結論から言うと、「次の使い道」が決まるまでは、過度な掃除は不要です。

  • 解体して更地にする場合
    • 家を壊すので、掃除をする意味は全くありません。簡易清掃(掃き掃除)だけで十分です。
  • 古家付き土地として売る場合
    • 買い手が「リフォームして住む」か「壊して建て替える」か分かりません。高額なクリーニング代をかけても、結局解体されたらお金の無駄になります。
  • 賃貸に出す・自分が住む場合
    • ここで初めて、水回りや床の本格的なクリーニングが必要になります。

まずは不動産会社に査定を依頼し、「この家は中古住宅として価値があるか?」を判断してもらうのが先決です。

2. 知らないと損!「更地」にすると税金が跳ね上がる?

「古い家だし、とりあえず解体して更地(さらち)にしておこう」

これは非常に危険な判断です。

一軒家が建っている土地は、特例により「固定資産税」が最大1/6に減額されています。

しかし、家を解体して更地にすると、この特例が外れ、翌年から土地の固定資産税が一気に(最大6倍に)跳ね上がります。

売却先が決まっていない段階で慌てて解体するのは避けましょう。

遺品整理で家の中を空にしておけば、いつでも解体できる状態(=売りやすい状態)は保てています。焦る必要はありません。

【編集長からのワンポイントアドバイス】

順番を間違えないでください。

  1. 遺品整理(中身を空にする)
  2. 売買契約
  3. 不動産査定(家を売るか、土地を売るか決める)
  4. (必要なら)解体

多くのケースでは、「古家あり(現況渡し)」で売りに出し、買い手が決まってから「解体更地渡し」の条件で契約する流れが安全です。税金の優遇を受けながら、じっくり買い手を探せますよ。

3. 「特定空き家」に認定されるリスク

逆に、ボロボロの空き家を長期間放置しすぎると、自治体から「特定空き家」に認定される恐れがあります。

これに認定されると、家が建っていても固定資産税の減免措置が解除されたり、50万円以下の過料が科されたりします。

遺品整理をしていない「ゴミ屋敷」状態だと、衛生悪化・防災上の理由から認定されやすくなります。 まずは今回のように「家の中を空にする」ことが、特定空き家回避の第一歩となります。

参考リンク: 空き家のリスクや対策については、国土交通省の特設サイトで最新情報を確認してください。 国土交通省:空き家対策特設サイト – 相続した家をどうする?

4. 「整理・解体・売却」のワンストップ相談

最近では、遺品整理業者が不動産会社や解体業者と提携し、「実家じまい」を丸ごとサポートしてくれるケースが増えています。

  • メリット
    • 窓口が一つで済む。「整理で出た木製家具を、解体の時に一緒に処分する」といった連携がスムーズで、トータルコストが安くなる可能性がある。
  • 注意点
    • 紹介された不動産会社が必ずしも優秀とは限らない。不動産売却に関しては、別途、地元の有力な不動産会社にも査定を頼むのが賢明です。

遺品整理業者に「この後、家を売る予定なんですが、不動産屋さんの紹介は可能ですか?」と聞いてみるのも一つの手です。


完結:一軒家の片付けは、親への最後の親孝行

全7章にわたり、「一軒家の遺品整理」について解説してきました。

  1. 費用は「物量」で決まる(相場を知る)
  2. 一軒家特有の「庭・道・構造」を見落とさない
  3. 「買取」と「相見積もり」で賢くコストダウン
  4. 「権利書」と「思い出」はしっかり救出する
  5. 許可を持った「優良業者」を選ぶ

これらを知った今のあなたは、もう業者の言い値に怯えることも、何から手をつければいいか途方に暮れることもありません。

実家の整理は、精神的にも肉体的にも大変な作業です。 しかし、家の中をきれいにし、次の世代へ資産をつなぐ(あるいはきれいに閉じる)ことは、ここまで育ててくれた親への、最大にして最後の親孝行と言えるのではないでしょうか。

このガイド記事が、あなたの「実家じまい」という大きなプロジェクトの助けになることを、心より願っています。

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