
編集長
私自身、過去に何度も不用品回収サービスに助けられた
元・ヘビーユーザーです。
その実体験から、いざという時に頼れる『利用者目線の情報』をお届けするという
理念を掲げ、実体験に基づいた情報をお届けします!
こんな人におすすめ
- 初めて遺品整理業者を探す(頼む)人で、まず「いくら必要なのか」が全く分からず不安な人。
- 業者のホームページを見ても「1K 〇〇円~」としか書かれておらず、結局、総額がいくらになるのか知りたい人。
- 作業当日に「これも別料金です」と、高額な追加請求をされるのが何よりも怖い人。
- 故人のためとはいえ、かかる費用は1円でも安く抑えたいと切実に思っている人。
- お金のトラブルで故人との最期のお別れを台無しにしたくない、誠実な業者に頼みたい人。
この記事でわかること
- 料金相場: あなたのお家(間取り・荷物量)だと、総額いくら準備すべきかのリアルな目安。
- 料金の内訳: 業者の見積書の「何に」お金がかかっているのか、「追加料金」が発生する危険な項目。
- 費用の削減方法: 遺品の「買取」や「交渉」で、作業費用を半額近くまで安くできる具体的なテクニック。
- 支払いについて: 「いつ」「どう払う」のが一番安全か、「作業前の全額払い」が絶対NGな理由。
- 料金の信頼性: 目の前の業者が「ぼったくり」か「優良業者」かを100%見抜く、4つの最終確認質問。
料金相場:結局、総額はいくらか?

「遺品 整理 業者 値段」と検索された、まさに今、あなたが一番知りたいこと。
それは「結局、私の場合は総額いくらなの?」という、たった一つの答えだと思います。
私も数年前に父を亡くした時、そうでした。悲しむ間もなく、業者を探し始めたものの、ホームページを見ても「1DK 〇〇円~」としか書かれていない。
「~(から)」って何なんだ?
うちの実家は荷物が多いけど、一体いくら準備すればいいんだ?
この「見当もつかない」という状態が、一番の不安でした。
この記事では、まずその不安を解消するために、あなたが予算を立てるための「モノサシ」となる料金相場を、私自身の体験談と独自調査を交えてハッキリとお伝えします。
【結論】料金は「間取り」と「荷物の量」で決まる
まず結論から。遺品整理の費用は、主に以下の2つで決まります。
- 間取り(部屋の広さ)
- 荷物の量
「間取り」が広くなれば、当然、作業に必要なスタッフの人数、作業時間、運び出すトラックの大きさも変わるため、料金は上がります。
ただし、ここで一番の注意点があります。
それは、「同じ間取りでも、荷物の量で金額は倍以上変わる」ということです。
私の実家は3LDKでしたが、父はとにかく本と衣類を溜め込む人でした。ウォークインクローゼットはパンパン、書斎は足の踏み場もないほど本が積まれていました。
相見積もりを取った3社のうち、A社は「標準的な3LDKですね」と40万円の見積もり。一方、B社とC社は「これは…荷物がかなり多いですね」と、2社とも60万円近い金額を提示しました。
もし私がA社の「標準」という言葉だけを信じて契約していたら、当日「やっぱり荷物が多かったので追加です」と言われていたかもしれません。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

ホームページにある料金表は、あくまで「その間取りの”標準的な”荷物量」の場合です。親御様が「もったいない」が口癖だったり、収集癖があったりした場合は、必ず相場の上限額か、それ以上を想定して予算を組んでください。
【独自調査】間取り別のリアルな料金相場
では、その「標準的な相場」とはいくらなのでしょうか。
今回、私たち『お片づけの窓口』が、過去1年間に遺品整理業者を利用した300名を対象に、「実際にかかった総額費用」の独自アンケート調査を実施しました。
間取り別:遺品整理の費用相場(独自調査 n=300)
| 間取り | 料金相場(総額) | 作業人数(目安) | 作業時間(目安) |
| 1R・1K | 30,000円 ~ 80,000円 | 1~2名 | 2~4時間 |
| 1LDK・2K | 70,000円 ~ 200,000円 | 2~3名 | 3~6時間 |
| 2LDK・3K | 120,000円 ~ 300,000円 | 3~5名 | 4~8時間 |
| 3LDK・4K | 180,000円 ~ 500,000円 | 4~7名 | 1~2日 |
| 4LDK~ | 250,000円 ~ | 5名~ | 2日~ |
※『お片づけの窓口』2024年独自調査より
この表を見て、「なんでこんなに金額に幅があるの?」と思われたはずです。
例えば「2LDKで12万円~30万円」というのは、18万円もの差があります。この「価格差」こそが、遺品整理の費用の分かりにくさの正体です。

相場に「幅」が生まれる2つの理由
この大きな価格差は、先ほど触れた「荷物の量」と、もう一つ「作業環境」によって生まれます。
1. 荷物の量(=トラックの台数)
業者の見積もりで一番大きな割合を占めるのが、「廃棄物の処分費」と「人件費」です。荷物が多ければ、それだけ捨てる量が増え、運び出すスタッフも必要になります。
- 一般的な量
- 相場の中央値(例: 2LDKで20万円前後)
- 荷物が少ない
- 相場の下限(例: 故人が生前整理済み、施設入居後など)
- 荷物が非常に多い
- 相場の上限(例: ゴミ屋敷状態、収集癖があった)
特に、いわゆる「ゴミ屋敷」や「ホーダー(溜め込み癖)」と呼ばれる状態だった場合、廃棄物の量が2トントラックで5台、6台と増えていくため、料金は相場の上限(3LDKで50万円)を大きく超え、80万円や100万円になるケースも珍しくありません。
2. 作業環境(=人件費の割増)
荷物の量だけでなく、「作業のしやすさ」も人件費(=総額)に直結します。
- エレベーターの有無
- 私の祖母の家は、エレベーターなしの団地の4階でした。当然、冷蔵庫やタンスを階段で下ろすのは重労働です。見積もりでは「階段料金」として、通常の作業費にプラス3万円が計上されていました。
- トラックの駐車スペース
- 家の前にトラックを停められないと、離れた駐車場から台車で何度も往復することになります。その分の「横持ち(よこもち)料金」が加算されます。
- 遠方料金
- 対応エリア外や、事務所から遠い(例:車で2時間以上かかる)場合、出張費が加算されます。
危険!「1K 9,800円~」の広告に絶対に騙されないで
あなたが検索した時、「トラック積み放題 9,800円~」といった激安広告を見かけませんでしたか?
結論から言えば、これは遺品整理の料金では絶対にありません。
これは多くの場合、単なる「不用品回収」の料金です
つまり、あなたが家の前に運び出したゴミを、トラックに積むだけの値段です。
遺品整理の「値段」には、以下の作業がすべて含まれている必要があります。
- 貴重品や思い出の品を「仕分ける」作業
- 食器や衣類を「梱包する」作業
- タンスや家電を部屋から「搬出する」作業
- 作業後の「清掃」作業
9,800円の業者は、これらを一切行いません。
もしくは、見積もりでは安く見せておいて、作業当日に「これは別料金」「あれも別料金」と、法外な追加請求をしてくる悪質業者の典型的な手口です。
実際に、こうした遺品整理サービスに関する料金トラブルは後を絶たず、国民生活センターも注意を呼びかけています。
参照リンク:
まずは「自分の家の相場は、最低でも表に書かれた中央値あたりだ」と認識することが、ぼったくり業者から身を守る第一歩です。
さて、これで「総額のモノサシ」は手に入ったと思います。
しかし、これだけでは「60万円」という見積もりを出された時、それが「妥当な60万円」なのか「ぼったくりの60万円」なのか、区別がつきません。
次の章では、その見積書の「中身」を徹底的に解剖します。「2. 料金の内訳:何にいくらかかるのか?」で、業者が絶対にごまかせないチェックポイントを解説します。
料金の内訳:何にいくらかかるのか?

第1章では、あなたのお家の「総額の相場」が分かったと思います。
ですが、A社が「40万円」、B社が「60万円」の見積もりを持ってきた時、なぜ20万円も違うのか、その理由が分からなければ、結局「安い方」や「感じが良かった方」で選んでしまいがちです。
そして、それが一番危険な落とし穴です。
私が父の遺品整理で相見積もりを取った時、ある業者の見積書には、こう書かれていました。
「3LDK 遺品整理作業 一式 550,000円」
これだけです。 私はすぐさま「この一式って、何にいくらかかってるんですか?」と電話で尋ねました。 すると、担当者は「うーん、人件費とか処分費とか、全部コミコミですね…」と歯切れが悪い。
この「一式(いっしき)」という言葉が、ぼったくり業者が一番使いたい”魔法の言葉”です。
中身がブラックボックスだから、後から「それは”一式”に含まれてません」と、いくらでも追加料金を請求できるのです。
あなたが「安全」に「納得」して業者に依頼するために、見積書に書かれているべき「内訳」の正体を、今から徹底的に解説します。
【独自調査】費用の7割は「人件費」と「処分費」
まず、遺品整理の費用が何で構成されているかを知ってください。
私たち『お片づけの窓口』の独自調査では、総額の約7割が「人件費」と「廃棄物処分費」で占められていることが分かっています。
遺品整理の費用構成(独自調査 n=300)
- 人件費(約35%)
- スタッフの作業代
- 廃棄物処分費(約35%)
- ゴミを捨てる代金
- 車両費(約10%)
- トラックのガソリン代やレンタル代
- その他諸経費(約20%)
- 業者の利益、保険料、梱包資材費など
※『お片づけの窓口』2024年独自調査より(n=300のアンケートから費用内訳の平均値を算出)

つまり、見積もりを見る時は、
「スタッフ何人で、何時間作業するのか?」
「ゴミは、トラック何台分で計算されているのか?」
この2点を明確にしない業者を、絶対に信用してはいけません。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

優良な業者の見積書には、必ず「作業人数:〇名」「想定トラック:2トン車〇台」といった記載があります。「一式」という言葉でごまかす業者(特に電話やメールだけで金額を確定しようとする業者)は、その時点で選択肢から外すべきです。
絶対に確認すべき「追加料金」発生ポイント
「基本料金に含まれます」 この言葉は聞こえがいいですが、逆に言えば「基本料金に含まれない作業」が必ず存在します。
ここが、あなたが作業当日に「話が違う!」とパニックになるか、ならないかの最大の分岐点です。
私の見積もり体験で言えば、「父の書斎にあった、古い手提げ金庫」がそれでした。 A社は「金庫は重いので、”重量物運搬費”として別途1万円かかります」と明記。
B社は見積もりに記載がなく、聞くと「あ、忘れてました。それなら追加で2万円です」と後から言われました。
B社は、当日まで私が見積もりを比べなかったら、黙って2万円を追加していたでしょう。
以下は、業者が「追加料金」として請求しがちな代表的な項目です。
見積もりをもらう時に「これは入っていますか?」と、あなたから先に確認してください。
1. 家電リサイクル料金(必須)
テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機。
これら4品目は、国が定める「家電リサイクル法」により、処分に必ずリサイクル料金がかかります。これは業者の利益ではなく、法律で決められた「実費」です。
これが「基本料金コミ」になっていることは、まずありません。
「エアコンの取り外し作業費」は基本料金に入っていても、「リサイクル料金」は別で請求されるのが普通です。
参照リンク: 経済産業省 家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)
2. 階段料金(2階以上)
第1章でも触れましたが、エレベーターがない団地やアパートの2階以上から、タンスや冷蔵庫を運び出すのは重労働です。 「1フロアにつき〇〇円」といった形で加算されるか、作業人数を増やして対応(=人件費アップ)するのが一般的です。
3. 重量物・特殊な物の撤去費
- ピアノ、エレクトーン
- 大型金庫
- マッサージチェア
- 仏壇・神棚(「お焚き上げ」や「閉眼供養」が必要な場合)
これらは専門の技術やクレーン車が必要な場合があり、高額な追加費用になりがちです。
4. 駐車料金・横持ち料金
トラックが家の前に停められない場合、近くのコインパーキング代が実費で請求されます。また、駐車場所から玄関まで距離がある場合、その往復の人件費として「横持ち料金」が加算されることもあります。
【結論】「悪い見積書」と「良い見積書」
ここまでの話で、もうお分かりですね。
あなたが信頼すべき「良い見積書」は、「誰が読んでも作業内容と金額が一致する」ものです。
- 悪い見積書
- 「遺品整理 一式 400,000円」
- 項目が「作業費」「処分費」の2つしかない。
- 「トラック積み放題パック」など、内訳が不明瞭。
- 良い見積書
- 「作業費:スタッフ4名 × 6時間 = 〇円」
- 「処分費:2トントラック × 2台分 = 〇円」
- 「オプション:エアコン撤去(リサイクル料含む) = 〇円」
- 「オプション:階段作業(3階) = 〇円」
- 合計:〇〇円(うち消費税〇円)
- 【特記事項】見積もり確定後の追加請求は一切ありません。(←この一文が重要!)
「総額の相場」と「内訳の見方」が分かりました。
これで、あなたは業者から提示された見積書が「妥当かどうか」を判断する確かな目を持てたはずです。
しかし、妥当だと分かっても「はい、60万円払います」と、すぐには納得できないのが人情です。
次の章では、いよいよ「どうすれば、その金額を1円でも安くできるか?」という、最も具体的なコスト削減術について解説します。
※遺品の「買取」をうまく使って、作業費をタダに近づける方法もこっそりお教えします。
費用の削減方法:どうすれば安くできるか?

第2章で、あなたは「妥当な見積書」を見抜く力を手に入れました。
ですが、仮に「妥当な60万円」という見積もりが出たとして、「はい、分かりました」と即答できる人は少ないはずです。
私もそうでした。
B社の「妥当な60万円」という見積書を前に、頭を抱えました。父が残してくれたとはいえ、この出費は痛すぎる……。
ここからが本当の勝負です。
「妥当な金額」は、決して「最低金額」ではありません。あなたの行動次第で、その「60万円」を「30万円」に、あるいは「0円」に近づけることすら可能です。
実際に私が試した方法、そして後から「こうすれば良かった!」と後悔した方法も含めて、費用を安くする3つの具体的な術(すべ)を解説します。
1. 最大のキモは「遺品買取」で費用を相殺する
これが、費用削減の最大のポイントです。
「ゴミとして捨てる」のではなく、「価値ある物として買い取ってもらう」ことで、作業費用から直接差し引いてもらう(=相殺)方法です。
私の場合、父の書斎にあった古い一眼レフカメラと、引き出しに入っていた数本の万年筆。
自分には価値が分かりませんでしたが、見積もりに来たB社の査定員が「これ、値が付きますよ」と。
結果、カメラと万年筆で合計35,000円の値段が付き、見積もり総額の60万円から差し引かれ、「565,000円」になりました。ただのガラクタだと思っていたものが、お金になった瞬間でした。
メリット:手間がゼロで、その場で安くなる
遺品整理業者がそのまま買い取ってくれる最大のメリットは、「手間がゼロ」なことです。
- 別の買取業者を呼ぶ必要がない
- その場で見積もり総額から引いてくれる
- 遺品整理の当日に、他の物と一緒に運び出してくれる
デメリット:安く買い叩かれるリスクがある
ただし、注意点があります。
彼らは「片付けのプロ」ではありますが、「買取のプロ(鑑定士)」ではないことが多いのです。
特に、骨董品、絵画、着物、ブランド品などは、本来の価値より安く査定されてしまう可能性があります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

遺品整理業者が買取を行うには、必ず「古物商許可証」が必要です。見積もり時に許可証の提示を求め、査定もしてくれるかを確認しましょう。「うちは買取はやってません」と言う業者は、貴重品も全て「ゴミ」として処分費に計上する可能性があり、結果的に割高になるので注意が必要です。
2. 「専門の買取業者」に先に来てもらう(高額買取のコツ)
これは、私が後から「やっておけば良かった」と一番後悔した点です。
父はオーディオが趣味で、大きなスピーカーとアンプのセットを残していました。遺品整理業者のB社は「オーディオセット 一式 5,000円」と査定しました。
しかし後日、父の友人が「あのセットなら、専門のオーディオ屋に売れば7万円にはなったはずだぞ…」と教えてくれたのです。
手間を惜しんだせいで、6万5千円も損をしたことになります。
もし、故人が以下のような趣味を持っていた場合、必ず「遺品整理業者を呼ぶ前」に、「専門の買取業者」に査定を依頼してください。
- 呼ぶべき専門業者(例)
- 着物、骨董品、茶道具
- ブランド品、時計、貴金属
- オーディオ、楽器
- 古いおもちゃ、フィギュア
- カメラ
もちろん、複数の業者を呼ぶのは手間がかかります。
しかし、その手間で「遺品整理代がタダになった」というケースも珍しくないのです。
ただし、「訪問購入(訪問買取)」には悪質な業者も紛れています。「押し買い(強引に安く買い叩く)」のトラブルも発生しているため、業者選びは慎重に行ってください。
参照リンク: 独立行政法人 国民生活センター 訪問購入(訪問買取)のトラブル (突然訪問してくる業者や、電話で強引にアポを取ろうとする業者は絶対に家に入れてはいけません)
3. 「自分でゴミ捨て」より「仕分け」が効く
「少しでも安くしたい」 そう考えた私は、見積もり前に、実家の衣類や本を必死でゴミ袋に詰めました。市のゴミ袋を40袋以上作ったと思います。
そして見積もり時、「これだけゴミを減らしたから安くなりますよね?」と聞きました。
しかし、業者の答えは「いえ、あまり変わりません…」という非情なものでした。
なぜか?
業者が請求する「廃棄物処分費」は、私たちが普段出す「一般ゴミ(自治体回収)」ではなく、産業廃棄物処理場に持ち込む「産廃処分費」がベースだからです。
私たちがゴミ袋を40袋減らしたところで、業者が支払う処分費は数千円しか変わらないのです。
では、私たちがやるべきことは何か?
それは「ゴミ捨て」ではなく「仕分け」です。
業者の作業時間(=人件費)の大半は、「これは貴重品か?」「これは捨てる物か?」を判断する「仕分け」に費やされます。
「このタンスの中身は、全部捨ててください」
「この部屋は、何も探さなくていいので、全部処分してください」
あなたがここまで「仕分け」を済ませておけば、業者はただ運び出すだけになります。
作業時間が劇的に短縮され、「人件費」という一番大きな費用を値切る、最強の交渉材料になるのです。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

もし体力と時間に余裕があるなら、「売れそうな物」と「明らかなゴミ(衣類・雑誌など)」だけを仕分けましょう。特に、故人がへそくりを隠しそうな場所(タンスの裏、本の間、仏壇の引き出し)だけは、自分で確認しておくことを強くお勧めします。
4. 最後の砦(とりで)「相見積もり」で交渉する
第1章から一貫してお伝えしていますが、見積もりは必ず3社以上から取る「相見積もり」が鉄則です。
そして、その見積書は、最後の「交渉カード」になります。
私の例で言えば、B社(60万円)とC社(62万円)が残り、作業内容や担当者の信頼性はB社が上でした。
私はB社の担当者に、C社の見積書を見せながら(金額だけ見せて)こう言いました。
「C社さんは、ここまでやってくれて62万円です。正直、私はB社さんにお願いしたい。何とか、もう少し頑張っていただけませんか?」
結果、B社は「分かりました。社長に掛け合います…」と一旦電話をし、「58万円でやらせてください」という返事をくれました。
たった一言で、2万円も安くなったのです。
これは「安くしろ!」という脅しではありません。
「私は他社の金額も知っている。でも、あなたを選びたい」という意思を見せることで、相手も「この客は逃したくない」と真剣になってくれるのです。
これで、「相場」が分かり、「内訳」が見抜け、「安くする方法」も手に入れました。
ほぼ完璧です。
しかし、まだ「お金」に関する不安は残っています。それは、「いつ、どうやって払うの?」という現実的な問題です。
高額な現金をいつ用意するのか?カードは使えるのか? そして、最も怖い「作業が終わる前に全額払え」と言われたらどうするのか?
次の章では、その「支払い」に関するトラブルと、安全な支払い方法について解説します。
支払いについて:いつ、どう払うのか?

第3章までで、見積もり金額を安くする方法が分かりました。
しかし、たとえ「妥当な58万円」に下がったとしても、その高額な費用を「いつ」「何で」支払うのかは、現実的に大きな問題です。
私は父の遺品整理当日、作業の立ち会いと「これは残す」「これは捨てる」の判断で、正直それどころではありませんでした。 全ての作業が終わり、ガランとした部屋で「終わりました」と報告された時、ふと我に返りました。
「……あの、お支払いはいつすれば?」
業者からすれば当然のことですが、私は「58万円もの現金を今すぐ下ろせるか?」と一瞬パニックになりました。 お金の問題は、最後の最後まで不安がつきまといます。
ここでは、あなたがその瞬間に慌てないために、「支払い方法」と「最も安全な支払いのタイミング」について解説します。
あなたが選べる「3つの支払い方法」
まず、業者が対応している支払い方法は、大きく分けて3つです。見積もり時に「どの方法が使えますか?」と必ず確認してください。
1. 現金払い(当日手渡し)
最も一般的な方法です。 作業が完了したことをあなたの目で確認し、その場で現金で支払います。
- メリット
- その場で決済が完了する。
- デメリット
- 高額な現金を持ち歩くリスクがある。
- ATMの「1日引き出し限度額」に引っかかり、一度に下ろせない可能性がある。(※多くの銀行は50万円が限度です)
2. クレジットカード払い
最近は、対応している業者が非常に増えています。
- メリット
- 手元に現金がなくても決済できる。
- 支払いを翌月以降に先延ばしできる。
- 高額な決済なので、ポイントが一気に貯まる。
- デメリット
- 業者によっては「決済手数料5%」などを、見積もり金額に上乗せして請求するケースがある。
- 「JCBは使えない」など、カードブランドに制限がある場合も。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

見積もり時に「カード払いの場合、手数料はかかりますか?」と必ず確認しましょう。また、クレジットカードが使える業者は、カード会社の加盟店審査をクリアしているため、反社会的な業者ではないという「最低限の信頼の証」にもなります。
3. 銀行振込(後払い)
私が最終的に選んだ方法です。 作業当日は「請求書」だけをもらい、後日(通常は3日~1週間以内)に指定された口座へ振り込みます。
- メリット
- 最も安全。当日の慌ただしい中で高額決済をしなくてよい。
- 作業内容に万が一不備があっても、支払いを保留にして交渉できる。
- デメリット:
- 銀行の振込手数料が自己負担になる。
【独自調査】危険!「作業前の全額払い」は絶対に拒否せよ
支払い方法よりも、100倍重要なのが「支払うタイミング」です。
今回、『お片づけの窓口』が独自に「支払いタイミング」について調査したところ、驚くべき実態が分かりました。
遺品整理の支払いタイミング(独自調査 n=300)
- 1位:作業完了後、全額支払い(71%)
- 作業を確認し、当日現金 or カード or 後日振込
- 2位:作業前に手付金、作業後に残金(22%)
- 見積もり額の1~2割を先に払い、残りを後払い
- 3位:作業前に全額支払い(7%)
- 作業が始まる前に、全額を支払う
※『お片づけの窓口』2024年独自調査より

この調査で、7%の方が「作業前に全額を支払っている」ことが判明しました。
はっきり言います。これは最も危険な契約です。
もし、お金を全額払った後に、
- 作業が雑で、貴重品を壊されたり、捨てられたりしたら?
- 「これも追加です」と高額請求されたら?
- 最悪のケース、お金だけ受け取って業者が来なかったら?
あなたは、お金を取り返す手段を失ってしまいます。
遺品整理サービスに関するこうした代金トラブルは、国民生活センターにも多数報告されています。
参照リンク: 独立行政法人 国民生活センター 「遺品整理サービス」に関するトラブル(報道発表資料) ※「契約・解約」や「代金・請求」に関する相談が上位を占めています。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

いかなる理由があれ、「作業前に全額を払ってほしい」という業者は、その時点で契約を破棄してください。それが業界の常識から、いかに外れているかは、先ほどの調査結果(7%)が示しています。優良業者がそんな要求をすることは絶対にありません。
結論:一番安全なのは「作業完了後の後払い」
あなたが「お金」で絶対に損をしないための、ベストな支払い方法は以下です。
- タイミング
- 作業がすべて完了し、部屋の状態を自分の目で確認した「後」
- 方法
- 「クレジットカード」または「銀行振込」
もし業者が「現金払いのみ」という場合は、作業完了を確認した後、その場で「領収書」と引き換えに支払ってください。
そして、「請求書(内訳が分かるもの)」と「領収書」は、必ずセットで保管してください。
もし故人の預金から費用を支払う場合など、後の相続手続きで「何の費用にいくら使ったか」を証明する重要な証拠書類になります。
お疲れ様でした。
これで、「相場」「内訳」「削減方法」「支払い方」という、「値段」に関するほぼ全ての不安は解消できたはずです。
残る不安は、あと一つ。
それは、「ここまで調べてきたのに、それでも”ぼったくり業者”に引っかかったらどうしよう」という、根本的な恐怖です。
最終章では、この記事の総仕上げとして、「その見積書は本当に信じていいのか?」を最終判断する、悪質業者を100%見抜くためのチェックリストをお渡しします。
料金の信頼性:見積もりは信用できるか?

ここまで第1章から第4章まで、本当にお疲れ様でした。
あなたは「相場」を知り、「内訳」を見抜き、「安くする方法」と「安全な払い方」を学びました。
これだけ知っていれば、もう大丈夫なはず。
……なのに、なぜか拭いきれない不安が残っていませんか?
「ここまで調べた私が、万が一”ぼったくり業者”に引っかかったら?」
「安すぎる見積書が出てきたら、逆に怖い……」
契約書にサインする瞬間、私の手も震えました。
「この58万円という金額、この担当者の笑顔を、本当に信じていいんだろうか」と。
この最終章は、その最後の不安を払拭するための「総仕上げ」です。
あなたの目の前にある見積書が、本当に信頼できるものか、悪質業者を100%見抜くための最終チェックリストをお渡しします。
危険!「相場より異常に安い」見積もりの正体
見積もりを取ると、3社のうち1社だけ「20万円」など、異常に安い金額を提示してくることがあります。
「安くしたい」という心理が働くと、この「20万円」に飛びつきたくなります。
ですが、遺品整理において「安すぎる」のは「高すぎる」よりも危険なサインです。その安さには、必ず裏があります。
理由1:当日の高額な「追加請求」が前提
彼らの手口は決まっています。
- 「これは”積み放題パック”の規格外です」
- 「仕分け作業費は別料金でした」
- 「清掃費が別途かかります」
トラックに荷物を積み込み、あなたが「もう断れない」状況を作ってから、次々と追加料金を突きつけてきます。
結局、妥当な相場だった「60万円」より高い「70万円」を請求される羽目になるのです。
理由2:最悪の犯罪「不法投棄」
これが最も悪質です。
なぜ彼らが安くできるのか? それは、第2章で解説した費用の大半(処分費)を払っていないからです。
彼らは、あなたの大切な故人の遺品を、正規の廃棄物処理場に持ち込まず、人目につかない山や空き地に不法投棄します。
「業者がやったことだから、私には関係ない」 そう思ったら、大間違いです。
廃棄物処理法では、ゴミを捨てた業者だけでなく、排出者(=依頼したあなた)も責任を問われる可能性があります。 故人の遺品が不法投棄され、さらにあなたが罪に問われるかもしれない。これ以上の最悪な結末はありません。
参照リンク: 環境省 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法) (不法投棄は排出者責任が問われる可能性があります)
【編集長からのワンポイントアドバイス】

安すぎる業者が「うちは全部自社で処分してるから安い」と言ったら、即座に「『一般廃棄物収集運搬業許可』の許可証を見せてください」と言いましょう。遺品整理(家庭ゴミ)を運ぶには、この許可が必須です。これを持っていない業者は、100%違法(または不法投棄)です。
見積もり確定!でも「追加料金」は本当にゼロか?
「見積もり確定後、追加料金は一切かかりません」 優良な業者であれば、この一文を見積書に入れてくれます。
しかし、これにも一つだけ「例外」があります。それは、「見積もり時に無かった物」が後から出てきた場合です。
私の場合、見積もりが終わった後で、押入れの奥から父の大量の布団セット(5組)が見つかりました。 当然、これは見積もりに含まれていなかったため、業者に連絡したところ「布団は処分費が高いので、プラス8,000円です」と言われました。
これは「ぼったくり」ではなく、正当な「追加費用」です。
問題は、悪質業者がこの「後から出てきた」を悪用することです。
「あ、物置の中は見積もりに含まれてませんでした」
「ベランダのゴミは別料金です」
と、当日になって言い出すのです。
これを防ぐ最強の言葉があります。
「この見積もりは、この家にある『全て』を片付ける金額で間違いないですね?」
この一言を、見積もりの最後に必ず確認してください。
そして、可能であれば見積書に「家財一式、追加料金なし」と一筆書いてもらいましょう。それが、あなたを守る最強の「証拠」となります。
【最終防衛】悪質業者を100%見抜く「4つの質問」
さあ、これが最後の砦です。
見積もりに来た担当者に、以下の4つの質問をぶつけてください。
一つでも答えを濁したり、嫌な顔をしたりする業者は、その場でお断りしましょう。
- 「『一般廃棄物収集運搬業許可』か、提携先の許可証を見せてもらえますか?」
- (解説)これが無い業者は違法です。「産業廃棄物~」の許可証だけでは、家庭ゴミは運べません。
- 「見積書に『作業人数』と『トラックの想定台数』を明記してください」
- (解説)「一式」でごまかす業者を排除します。これが無ければ、内訳の比較ができません。
- 「支払いのタイミングは『全ての作業が完了したのを確認した後』で良いですね?」
- (解説)前払いを要求する業者は、その場で即刻追い返してください。
- 「この見積もり金額で、当日追加になる費用は絶対にありませんね?」
- (解説)最後の念押しです。ここで「もし~の場合は」と明確に説明してくれる業者は信頼できます。「大丈夫ですよ!」と根拠なく笑う担当者こそ危険です。
編集部からの最後のメッセージ
ここまで、5つの章にわたって「値段」について徹底的に解説してきました。
故人を亡くされた直後の、悲しみと慌ただしさの中で、冷静に業者を選び、お金の交渉までするのは、本当に、本当に大変なことです。 私も、あまりの疲労に「もうどこでもいいや」と投げやりになりかけました。
ですが、もし「お金」で後悔をしたら、「故人の最期を、お金でケチってしまった」あるいは「悪徳業者に騙された」という最悪の記憶が、故人との思い出の上に重なってしまいます。
この記事をここまで読破したあなたは、もう業者の言いなりになる「カモ」ではありません。
遺品整理業者と対等以上に渡り合える「知識」という武器を手に入れました。
大切なのは、焦って1社で決めないこと。
必ず3社以上から見積もりを取り、この記事のチェックリストを使ってください。
あなたの遺品整理が、金銭的なトラブルに巻き込まれることなく、故人との大切なお別れの儀式として、納得のいくものになることを心から願っています。






