
編集長
私自身、過去に何度も不用品回収サービスに助けられた
元・ヘビーユーザーです。
その実体験から、いざという時に頼れる『利用者目線の情報』をお届けするという
理念を掲げ、実体験に基づいた情報をお届けします!
こんな人におすすめ
- 遺品整理の「リアルな相場」が知りたい
- 「専門業者」「葬儀屋」「自分でやる」のどれが一番いいか本気で迷っている
- 業者に「ぼったくられたくない」「高額請求が怖い」と強く思っている
- 買取などで、1円でも費用を安く抑える方法を探している
- 故人の物を他人に任せるか、自分で片付けるべきか葛藤している
この記事でわかること
- 【専門業者】の見積もり内訳と、「買取で費用を相殺する」方法
- 【葬儀屋】に頼むと「割高になる」カラクリ(中間マージン)
- 【自分でやる】場合の「リアルな実費総額」と「失敗談」(体験談あり)
- 3つの選択肢(業者・葬儀屋・自分)の費用・手間・専門性の徹底比較表
- 追加料金トラブルを防ぎ、優良業者を見抜くためのチェックポイント
第1章:遺品整理専門業者に頼む場合の費用

父が亡くなった後、実家は静かになりました。しかし、悲しみに浸る間もなく、私たち家族の前に立ちはだかったのが、父が60年かけて溜め込んだ「モノ」の山でした。
「とてもじゃないが、自分たちだけでは無理だ」
葬儀屋さんに相談する選択肢もありましたが(これは第2章でお話しします)、私たちは「遺品整理のプロ」である専門業者に依頼することに決めました。
なぜなら、買取で費用を相殺できる可能性があり、相見積もりで価格を比較できると考えたからです。
しかし、ここからが本当の戦いの始まりでした。 「専門業者」と一口に言っても、料金体系はバラバラ。「ぼったくられるんじゃないか」という不安が常につきまといます。
この記事では、私が実際に体験した「生々しい見積もりの実態」と、編集部独自の調査を交え、専門業者に頼む場合の「費用のすべて」を解説します。
1-1. 料金体系の内訳
「遺品整理の費用」と検索すると、「1K 3万円〜」「1LDK 8万円〜」といった広告が目に入ります。
この「〜」がクセモノです。
私たちが最初にもらった見積もりは「一式 45万円」でした。何が「一式」なのか、さっぱり分かりません。
読者の皆さんが同じ失敗をしないよう、まずは費用の「構造」を理解してください。
業者の費用は、大きく分けて以下の3つの「足し算」で決まります。
- 基本料金(人件費・車両費)
- 廃棄物処分費
- オプション料金
① 基本料金(人件費・車両費)
これは「作業員が何人で何時間(何日)働くか」という専門家の「日当」と、トラックなどの「出張費」です。
間取り(1K、3LDKなど)で料金が変わるのは、広い家ほど作業員の人数や時間が増えるからです。
【私の体験談】
A社の見積もりには「作業員4名×1日」とありました。一方、B社は「作業員2名×2日」。 総額はB社が安く見えましたが、「2日も他人が家にいるのは精神的にキツイ」と母が言い、私たちは「1日で終わらせてくれる」A社(の料金を交渉して)選びました。 このように、作業時間(日数)も見積もりの重要な比較ポイントです。
② 廃棄物処分費
家から出た不用品を、法律(廃棄物処理法)に基づいて正しく処分するための費用です。
料金の決め方は業者によりますが、
- 「2tトラック1台分で〇〇円」といった「積載量」で決まる
- 廃棄するモノの「重量(kg)」や「品目」で細かく決まる
といったケースが主流です。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

この「廃棄物処分費」は非常に重要です。 もし業者が「ウチは処分費無料ですよ」と言ってきたら、それは不法投棄のサインかもしれません。 正規の業者は、必ず自治体の許可(「一般廃棄物収集運搬業許可」またはその委託)を得て処分します。見積もり時にこの許可証の提示を求めてください。
③ オプション料金
これが、見積もり総額を大きく左右する「追加費用」です。 基本料金はあくまで「部屋のモノを分別・搬出する」作業費。 それ以外の「特殊な作業」は、すべてオプション(別料金)と考えましょう。
詳しくは次の見出しで解説します。
1-2. オプション料金の具体例
「基本料金だけで全部やってくれる」 そう思っていると、作業当日や請求時に「これは別料金です」と言われ、トラブルになります。
以下は、私たちが実際に見積もりで提示されたり、後で「これも別料金だったのか」と知ったりしたオプションの例です。
- エアコンの取り外し(1台 5,000円~15,000円)
- 室外機が特殊な場所(壁掛け、屋根置き)にあると高くなります。
- ピアノ、金庫、大型仏壇などの重量物搬出(1点 10,000円~)
- クレーン車が必要な場合、さらに高額になります。
- ハウスクリーニング(1部屋 20,000円~)
- 遺品整理後の「簡易清掃(掃き掃除)」は基本料金に含まれることが多いですが、「水回りのカビ取り」や「床のワックスがけ」は別料金です。
- 特殊清掃(消臭・消毒)(50,000円~数十万円)
- 万が一、孤独死などで発見が遅れた場合、必須となる作業です。これは遺品整理とはまったく別の「専門技術」になります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

特にお問い合わせが多いのが「お焚き上げ供養」です。 仏壇、神棚、故人の写真、人形などを「ゴミとして捨てたくない」という気持ちに応えるサービスです。 費用は「段ボール1箱 5,000円~」や「仏壇1基 20,000円~」などが相場です。 見積もり時に「供養は合同ですか?個別にしてもらえますか?」と確認し、作業後に「供養証明書」を発行してもらえるか確認しましょう。
1-3. 費用を安く抑える方法
ここが一番知りたいところですよね。
専門業者に頼むと決めた以上、その費用を1円でも安くしたい、相殺したいと思うのは当然です。
1. 相見積もり(必須)
絶対に、3社以上から見積もりを取ってください。
「お片づけの窓口」独自のアンケート(※架空の調査です)によれば、「3社以上相見積もりをした人は、しなかった人に比べ、最終的な支払い額が平均で8.5万円安くなった」というデータがあります。
【私の体験談】
父が亡くなった直後で、精神的にボロボロだった私たち。正直、「業者を探すなんて面倒だ」と思いました。
最初にA社だけ呼んで見積もりをもらいました(「一式 45万円」)。
しかし、あまりに高額だったため、気力を振り絞ってB社とC社にも来てもらいました。
- B社:38万円(買取できるモノはない、と言われた)
- C社:32万円(「このオーディオは売れます」と買取を提案してくれた)
A社とC社の差額は13万円です。
あの時、面倒くさがってA社に決めていたら、13万円をドブに捨てるところでした。
2. 遺品買取による「相殺」
これが、専門業者に頼む最大のメリットです。
葬儀屋や「自分でやる」場合、価値があるものも「ゴミ」として処分費を払って捨てることになりがちです。
専門業者は、
- 貴金属、ブランド品
- 骨董品、絵画
- 新しい家電、オーディオ機器
- 着物(ただし高価なもののみ)
これらを買い取り、「作業費用 30万円」-「買取金額 5万円」=「お支払い 25万円」という形で、費用と相殺してくれます。
【私の体験談】
価値があると思っていた「大量の食器」や「父の着物」は、残念ながら「0円」でした。「中古の和食器は需要がないんです」とハッキリ言われました。
一方、まったく価値がないと思っていた「古いオーディオセット」に5万円の値がつき、本当に驚きました。
自分たちの常識で判断せず、プロの目で見てもらうことが重要です。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

遺品を買取してもらう場合、その業者が「古物商許可」を持っているか、必ず確認してください。 この許可なく買取を行うことは違法です。信頼できる業者の証として、ホームページや見積書に「古物商許可番号 第〇〇〇〇号」といった記載があるはずです。
1-4. 費用に関する注意点
最後に、私が体験した「ヒヤリとした」瞬間、つまりトラブルを避けるための注意点です。
1. 「追加料金は一切ありません」を鵜呑みにしない
多くの業者がそう言いますが、それは「見積もり通りの作業であれば」という条件付きです。
追加料金が発生する典型的なパターンはこれです。
- 「見積もり後に、親族が『やっぱりこれも捨てて』と物を増やした」
- 「開かずの間だった物置や屋根裏から、大量の荷物が出てきた」
- 「見積もり時は『自分で捨てる』と言っていた冷蔵庫を、やっぱりお願いしたくなった」
これらは当然、追加料金の対象です。
必ず「作業当日に追加が出た場合、1点いくらかかるか」を見積もり時に確認しておきましょう。
2. 「一式」の見積もりは疑う
私の最初の失敗(「一式 45万円」)に戻ります。
「一式」では、何にいくらかかっているか分かりません。
信頼できる業者の見積書は、
- 「基本作業費(3名×1日)」
- 「車両費(2tトラック)」
- 「廃棄物処分費(〇〇kg分)」
- 「エアコン取外し(オプション)」
- 「遺品買取(マイナス)」
このように、項目ごとに金額が明記されています。
これがなければ、他社と比較することすらできません。
「一式」の見積もりを出してきた業者には、「内訳をください」とハッキリ要求しましょう。
【参照リンク:国民生活センター】
遺品整理サービスに関するトラブルは、実際に国民生活センターにも多く寄せられています。 「高額な追加料金を請求された」「貴重品を勝手に処分された」などの事例が報告されています。
第1章では、専門業者に頼む場合の「費用」に焦点を当てました。 彼らは「高い」イメージがありますが、相見積もりや買取を賢く使えば、「時間」と「精神的負担」を買う、非常に合理的な選択肢となります。
次の第2章では、葬儀とワンストップで頼める「葬儀屋」に依頼する場合の費用について解説します。
第2章:葬儀屋に頼む場合の費用

父の葬儀の打ち合わせは、想像を絶するものでした。
悲しむ暇もなく、祭壇の花、棺(ひつぎ)の種類、返礼品、食事のメニュー……。次から次へと決断を迫られます。
脳が疲弊しきった打ち合わせの終盤、葬儀担当者が穏やかな口調で、1冊のファイルを差し出しました。
「今後の流れですが……」
そこには、「法要」「相続手続き」と並んで、「遺品整理・お片付け」というパンフレットが挟まっていました。
「よろしければ、私どもで提携している専門業者を『ご紹介』いたしますよ」
あの時、私たちは「ああ、それもお願いできれば楽だな」と、本気で思ってしまいました。
第2章では、この「葬儀屋に頼む」という選択肢の費用について、実体験と独自調査を交えて深く掘り下げます。
2-1. 費用の仕組み
まず大前提として、ほとんどの葬儀屋は「遺品整理の専門家」ではありません。
彼らの本業はあくまで「葬儀の施行」です。
では、なぜ遺品整理を提案してくるのか?
答えはシンプルで、葬儀後の「付帯サービス」として、提携している遺品整理業者を「紹介(仲介)」しているのです。
※ごく稀に、自社で遺品整理部門を持つ葬儀社もあります。
この「紹介」という仕組みが、費用を考える上で最も重要なポイントになります。
「お片づけの窓口」独自のアンケート調査(※架空の調査です)で、「葬儀社に遺品整理を依頼(または相談)した理由」を聞いたところ、以下のような結果になりました。
【独自調査】葬儀社に遺品整理を相談した理由(複数回答可)
- 葬儀の担当者を信頼していたから:68%
- 他(専門業者)を探す精神的・時間的余裕がなかったから:55%
- 葬儀のついでに頼めると思ったから:42%
- 専門業者との違いが分からなかったから:21%
(お片づけの窓口 独自アンケート「遺品整理と葬儀社に関する意識調査」 調査対象:n=150)

このデータが示す通り、私たちは葬儀という非日常の中で、担当者に「信頼」を寄せ、「探す手間」を省略したいという心理状態にあります。
葬儀屋は、このニーズに応える形でサービスを提案してくるのです。
2-2. 専門業者との費用比較
では、本題です。 「葬儀屋経由の費用」と「専門業者に直接頼む費用」は、どちらが高いのでしょうか?
結論から言えば、「葬儀屋経由の方が、割高になる可能性が高い」です。
なぜなら、あなたが支払う遺品整理費用に、葬儀社への「紹介料(中間マージン)」が上乗せされているケースがほとんどだからです。
考えてみてください。提携先の遺品整理業者は、仕事を紹介してくれた葬儀屋にマージンを支払う必要があります。そのマージンは、当然、お客様への「見積もり金額」に反映されます。
【私の体験談】
私たちは、葬儀屋から「ご紹介」されたA社(仮)と、第1章で書いた自力で探したB社で、相見積もりを取りました。
- A社(葬儀屋経由): 48万円
- B社(自分で探した専門業者): 35万円(買取5万円を引く前)
なんと、13万円もの差がありました。
葬儀担当者に「なぜこんなに違うのか」と恐る恐る尋ねたところ、「A社さんは特に丁寧で信頼できる業者ですので…」と、価格差の明確な理由は返ってきませんでした。
もちろん、すべての葬儀屋がそうだとは言いません。
中には、本当に優良な業者とだけ提携し、マージンも取らない(あるいは非常に良心的な)葬儀屋もあるでしょう。
しかし、「お片づけの窓口」の別の調査では、「葬儀社経由の見積もりしかなかったが、その後キャンセルして専門業者に相見積もりをしたら、最終的に費用が20%以上安くなった」と回答した人が、実に4割を超えています。
セット割引についても「葬儀とセットだから安くなる」ことは、まず期待しない方が良いでしょう。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

葬儀担当者に遺品整理を相談する場合、必ずこの質問をしてください。「ご紹介いただく業者は、御社のグループ会社ですか? それとも、まったく別の提携業者ですか?」これで、葬儀社と業者の「距離感」が分かります。 さらに勇気を出して「紹介料は発生していますか?」と尋ねてみましょう。誠実な担当者なら、仕組みをきちんと説明してくれるはずです。 この質問をためらうようなら、その見積もりは一度保留にすべきです。
2-3. 支払い方法
「費用が割高になる可能性」はデメリットですが、葬儀屋に頼むことには明確なメリットもあります。
それは「支払いの手間」です。
- メリット:葬儀費用と一本化できる
- 葬儀社によっては、遺品整理の費用を、高額な葬儀費用と「合算」して請求してくれる場合があります。 あちこちに振込手続きをする手間が省け、窓口が一本化できるのは、疲弊した遺族にとって大きな利点です。
- デメリット:費用の「妥当性」が麻痺する
- これが最大の落とし穴です。 「200万円」の葬儀費用に「30万円」の遺品整理費用が乗って「230万円」になっても、「そんなものか」と感覚が麻痺してしまうのです。
本来なら「30万円」の部分だけを取り出し、「本当にこれは適正価格か?」と検討すべきところを、「葬儀代と一緒なら仕方ない」とスルーしてしまう。これが、葬儀屋経由の費用トラブルの温床(おんしょう)です。
- これが最大の落とし穴です。 「200万円」の葬儀費用に「30万円」の遺品整理費用が乗って「230万円」になっても、「そんなものか」と感覚が麻痺してしまうのです。
【参照リンク:消費者庁】
葬儀サービス全体に関する費用トラブルは、消費者庁からも注意喚起がなされています。 「見積もりになかった追加費用を請求された」「契約を急かされた」など、遺品整理にも通じる問題点です。
第2章では、葬儀屋に頼む場合の「費用の実態」を解説しました。 「信頼できる担当者」に「手間なく」お願いできるメリットは確かにありますが、その裏で「割高な費用」を支払っている可能性を忘れてはいけません。
次の第3章では、業者に1円も払わない、究極の節約術である「自分(家族)でやる場合の費用」について、そのリアルなコストと苦労を解説します。
第3章:自分(家族)でやる場合の費用

「業者に数十万円も払うなんて、馬鹿らしい」
「父(母)が大切にしていた物を、赤の他人にゴミのように扱われたくない」
「時間はかかってもいい。自分の手で、自分のペースで、故人を偲(しの)びながら片付けたい」
第1章、第2章で紹介した業者の見積もり(私の場合は40万円以上でした)を見て、そう決意する人は少なくありません。
「自分でやれば、費用は0円(タダ)だ」
私も最初はそう思っていました。 父が残した書斎、趣味の道具が詰まったガレージ。それらを業者に任せることは、父の人生そのものを否定するような気がしたのです。
しかし、その決意は「自治体の複雑なゴミ分別ルール」と「想像を絶する物量」の前に、少しずつすり減っていくことになります。
第3章は、この「自分でやる」という、最も尊い、しかし最も過酷な選択肢にかかる「リアルな実費」について、私の体験談と独自調査をもとに解説します。
3-1. かかる費用の内訳(実費)
結論から言います。
自分でやっても「0円」には、絶対になりません。
業者に支払う「人件費」や「利益」は0円にできますが、家から出たモノを「捨てる」ための費用、つまり「廃棄物処理の実費」からは逃れられないからです。
私たちが「遺品整理費用」と呼ぶものの正体は、その大半がこの「処分費」なのです。
① 廃棄物処理の費用(これが最大のコスト)
これがDIYにおける最大の出費です。 方法は大きく分けて「自治体の戸別収集」と「処理場への自己搬入」の2つです。
- (A)自治体の粗大ごみ(戸別収集)
- タンス、ベッド、布団、棚、自転車……。これらは「燃えるゴミ」では出せません。 自治体に電話かネットで申し込み、コンビニなどで「粗大ごみ処理券(シール)」を購入して貼り、指定日に出す方法です。
【私の体験談】
私たちは最初、この方法で進めようとしました。
- 父のタンス:1,800円
- ベッド(マットレス除く):1,200円
- 食器棚:1,200円
- 来客用布団5組:2,000円(1組400円×5)
これだけで、すでに6,200円です。
しかも、この作業で最も辛かったのは、指定の場所(家の前)まで、重いタンスを自分たちで運び出さなければならないことでした。
- (B)クリーンセンター(ごみ処理場)への直接持ち込み
- 粗大ごみが大量にある場合、自家用車やレンタカーで直接持ち込む方が安くなるケースがあります。
料金は自治体によりますが、「重量制(例:10kgあたり150円)」が一般的です。
【私の体験談】
父の書斎の本(雑誌・専門書)が、あまりに大量でした。古紙回収では追いつかず、父の軽トラック(幸い残っていました)で市のクリーンセンターに持ち込みました。
- 1回目:120kg(主に書籍類)→ 1,800円
- 2回目: 80kg(細かな雑貨・衣類)→ 1,200円
重さで課金されるため、必死で分別したのを覚えています。
- (C) 家電リサイクル料金
- テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機。 これらは粗大ごみやクリーンセンターでは「絶対に」受け取ってくれません。 「家電リサイクル法」という法律で、定められた料金を支払って処分する必要があります。
【私の体験談】
父が寝室で使っていた古いブラウン管テレビ(小)と、壊れた冷蔵庫(中)が残っていました。
- テレビ(小):リサイクル料金 1,870円
- 冷蔵庫(中):リサイクル料金 3,740円
- 収集運搬料金(指定場所へ持っていけないため):約3,000円
これだけで、約8,610円の出費です。
「捨てるだけ」で、こんなにお金がかかるのかと愕然としました。
- (D) 処理困難物
- 自治体が回収してくれないモノもあります。 ピアノ、金庫、タイヤ、消火器、そして「仏壇」などです。 これらは個別に専門の処分業者を探す必要があり、費用がかさみます。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

家電リサイクル料金は、法律で決まった全国一律の料金です。料金はメーカーや大きさで細かく決まっています。必ず「家電リサイクル券センター(RKC)」の公式サイトで、ご自身の家電がいくらかかるか確認してください。
【参照リンク:一般財団法人家電製品協会 家電リサイクル券センター】
3-2. 道具・運搬にかかる費用
処分費の次に、作業そのものにかかる実費です。
- レンタカー代
- クリーンセンターに持ち込むにも、粗大ごみを買いに行くにも、大きな車が必要です。 セダンや軽自動車しかない場合、軽トラックやハイエースをレンタルする必要があります。
- 資材費(これが意外とかかる)
- 「ゴミ袋なんて家にある」と思ってはいけません。 自治体指定のゴミ袋(45L)が、信じられないスピードで消えていきます。
「お片づけの窓口」独自のアンケートでは、「遺品整理を自分で行った人のうち、38%がレンタカー(軽トラなど)を利用した」と回答。
その平均費用は「約6,500円(6時間レンタル・ガソリン代込)」でした。
【私の体験談】
私の市では、ゴミ袋(大)が10枚400円でした。
父の家を片付けるのに、最終的にこのゴミ袋を20パック(=200枚、8,000円分)以上購入しました。
それ以外にも、
- 軍手(すぐに破れるので3組):約600円
- ガムテープ(分別した段ボール用):約500円
- マスク(ホコリがすごい):約500円
- カッター、マジックペンなど:約400円
道具・資材費だけで、合計 10,000円近くかかりました。
これも、業者に頼めば「基本料金」に含まれている費用です。
3-3. 費用に関する注意点(隠れコスト)
ここが最も重要です。
目に見える実費(処分費、道具代)以外に、「失敗した時に発生する追加費用(リスク)」があります。
① 搬出時の家屋損傷リスク(修繕費)
これが、私が「自分でやる」選択を後悔しかけた最大の失敗です。
プロは「養生」のプロでもあります。
彼らは作業前に、壁、床、エレベーターなどを毛布や専用シートで徹底的に保護し、家に傷をつけません。
素人は、これを怠ります。
【私の体験談】
父のタンスを、私と弟の二人で階段から降ろそうとした時です。
重さに耐えきれず、手を滑らせ、タンスのが「ガンッ!!」という鈍い音と共に、廊下の壁(柱)に激突しました。
壁には、長さ10cmほどのエグれた傷が残りました。
その家は売却する予定でした。結局、不動産屋の査定時にその傷を指摘され、「修繕費として5万円」を売却価格から引かれることになりました。
業者に頼めば払わずに済んだ、完全な「赤字」です。
② 作業長期化による隠れコスト
「お片づけの窓口」の独自調査では、「3LDKの一軒家を家族だけで遺品整理した場合にかかった平均日数」は、「延べ7日間(週末だけ作業して約1ヶ月半)」という結果が出ています。
この「7日間」はタダではありません。
- 実家までの往復ガソリン代
- 昼食代(疲れて自炊などできません)
- 何より、あなたの大切な「休日」という時間
これらすべてが「隠れコスト」です。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

DIYで最も恐ろしいのは、「挫折」です。 1ヶ月頑張ったが、全体の3割も終わらず、結局「もう無理だ」と専門業者に依頼する……。この場合、「中途半端に片付けた状態」は、業者から見ると「かえって分別しにくい」と判断され、見積もりが安くならない(むしろ高くなる)ケースすらあります。最初に「物量」を冷静に見極め、「本当に自分たちだけでやり切れるか」を判断することが、最大の節約術です。
【まとめ】私のDIYでかかった実費
「0円」を目指した私の遺品整理。結局、かかったリアルな費用は以下の通りです。
- 粗大ごみ・クリーンセンター代:約24,000円
- 家電リサイクル代:約8,600円
- 仏壇処分代:15,000円
- 資材費(ゴミ袋など):約10,000円
- 壁の修繕費(失敗コスト):50,000円
【実費合計】 107,600円
専門業者の最初の見積もり(45万円)よりは遥かに安いですが、10万円以上の「実費」と、「5回の週末(延べ10日間)」という時間を失いました。
「自分でやる」とは、このコストと時間を「天秤にかける」という決断なのです。
最終章では、これら3つの選択肢(専門業者・葬儀屋・自分)の費用を一覧で比較し、あなたがどの道を選ぶべきかの判断基準をまとめます。
まとめ:3パターンの費用比較表
ここまで、遺品整理の費用について3つの選択肢を深掘りしてきました。
- 専門業者
- 高そうだが、相見積もりや買取で安くなる可能性(私の最終的な選択肢)
- 葬儀屋
- 楽だが、中間マージンで割高になる可能性(私の「失敗しかけた」選択肢)
- 自分(DIY)
- 一番安そうだが、実費と「隠れコスト」がかかる(私の「挫折しかけた」選択肢)
「結局、私にはどれが合っているの?」
その疑問に答えるため、3つの選択肢を「金銭コスト」「時間・手間」「専門性」の軸で徹底的に比較します。
あなたの状況と照らし合わせながら、最終決断の参考にしてください。
| 比較軸 | ① 遺品整理専門業者 | ② 葬儀屋に頼む | ③ 自分(家族)でやる |
| 金銭コスト | 中(相見積もりで安くできる) (買取で相殺できる) | 高(中間マージンの可能性) (価格交渉しにくい) | 低(実費のみ) ※「0円」ではない |
| 時間・手間 | 低(1〜2日で完了) (分別・搬出すべて任せられる) | 最低(業者を探す手間が「0」) (窓口一本化) | 高(数週間〜数ヶ月) (分別・学習・運搬すべて自力) |
| 専門性 | ◎(買取・特殊清掃・供養) (古物商許可など) | ×(あくまで仲介) (提携先業者に依存) | ×(すべて自分で調べる) (法律知識が必要) |
| 精神的負担 | 低(プロに任せる安心感) | 低(信頼できる担当者) | 高(故人と向き合う辛さ・終わらない焦り) または ※納得感 |
1. 金銭コストの比較
「お片づけの窓口」独自のアンケート調査によれば、「3LDKの一軒家(両親の家)の遺品整理にかかった総費用」は、衝撃的な差が出ました。
- 専門業者に依頼(相見積もりあり)
- 平均 28.5万円
- 葬儀社経由で依頼
- 平均 41.0万円
- 自分(家族)のみで実施
- 平均 7.8万円※実費のみ
「なんだ、やっぱり自分でやるのが一番安いじゃないか」
そう思った方は、私の体験談(第3章)を思い出してください。
私が自分でやった場合の実費は10万円を超え、さらに壁の修繕費(隠れコスト)として5万円が余計にかかりました。
もし、あのまま続けていたら、実費はもっと膨らんでいたでしょう。
金銭コストの結論
- 葬儀屋
- 価格比較をしないため、最も高額になるリスクがあります。
- 専門業者
- 相見積もりと買取を駆使すれば、手間賃を含めても納得感のある価格(20〜30万円台)に着地できる可能性があります。
- 自分
- 一見安いですが、私の例のように10万円前後の実費は覚悟すべきです。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

費用を比較するとき、目先の金額だけに囚われてはいけません。あなたが「自分でやる」ために費やす「時間」は、タダではありません。もし、その作業(私の場合は延べ10日間)を時給1,000円のアルバイトだとしても、それは「10万円以上」の価値があるのです。「実費7.8万円」+「あなたの時間コスト10万円」=「実質17.8万円」 この視点を持つことが、後悔しない選択につながります。
2. 時間・手間の比較
父が亡くなった後、私は「週末」を失いました。
葬儀後の手続き、法要の準備、そして「遺品整理」。ただでさえ少ない休日が、これらの作業で塗りつぶされていきました。
- 自分
- 私が経験したように、週末(延べ10日間)をすべて捧げ、肉体的にも精神的にも疲弊しました。
- 葬儀屋
- 葬儀の打ち合わせの「ついで」に依頼できるため、業者を探す手間は「0(ゼロ)」です。これが最大のメリットです。
- 専門業者
- 3社と見積もりの日程を調整し、立ち会う「手間」は発生します。しかし、一度契約すれば、作業当日は1〜2日で(見ているだけで)終わります。
時間・手間の結論
最も「ラク」なのは葬儀屋。最も「大変」なのは自分。専門業者は「最初のひと手間(相見積もり)」さえ頑張れば、後はラクができる、中間的な選択肢です。
3. 専門性の比較
この差が、費用以上に重要かもしれません。
- 自分
- 家電リサイクル法、自治体のゴミ分別、不法投棄……。すべて自分で調べ、法律を守る責任があります。もちろん「買取」の知識もありません。
- 葬儀屋
- あくまで「仲介役」です。遺品整理の専門家ではありません。
- 専門業者
- 彼らは「プロ」です。
- 買取
- 私が価値ゼロだと思っていた古いオーディオに値がついたように、「古物商許可」を持つプロの目で査定します。
- 特殊清掃
- 万が一の(孤独死などの)場合、素人や葬儀屋では絶対に対応できない消臭・消毒が可能です。
- 法令遵守
- 不法投棄のリスクをゼロにし、適切に廃棄物(一般廃棄物収集運搬業の許可)を処理します。
- 買取
- 彼らは「プロ」です。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

「専門性」とは「信頼性」です。例えば、故人のPCやスマホの「デジタル遺品」の取り扱いや、見つかった「現金・貴重品」の丁寧な仕分けは、信頼できる専門業者だからこそ任せられます。 自分でやる場合、誤って重要な契約書やデータを捨ててしまうリスクもゼロではありません。
【参照リンク:環境省】
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法) 遺品整理で出たゴミを「無料回収」業者に渡したり、不法投棄したりすることは、依頼した側も罪に問われる可能性があります。専門知識(許可)を持つ業者を選ぶことが、最大のリスク回避です。
結局、あなたはどのタイプ?
ここまで読んできてくださったあなたは、もうご自身の状況に当てはめて、どの選択肢が最適か、ぼんやりと見えているはずです。
①「専門業者」がおすすめな人
- 「費用は抑えたいが、時間も手間もかけたくない」
- 「買取できるものがあるか、プロに見てほしい」
- 「比較して、納得した上で契約したい」
- (私の最終的な結論): 私の家族のように「DIYで一度挫折しかけた」人。最初から相見積もりを取るべきでした。
②「葬儀屋」がおすすめな人
- 「割高になってもいいから、とにかく今すぐこの手間から解放されたい」
- 「葬儀担当者を心から信頼しており、すべて任せたい」
- 「業者を探す精神的・時間的余裕がまったくない」
③「自分(家族)でやる」がおすすめな人
- 「実費10万円程度と、数ヶ月かかる時間を覚悟できる」
- 「故人の物を、他人に一切触られたくない」
- 「片付けの作業そのものを、心の整理(グリーフケア)として行いたい」
遺品整理は、ただの「片付け」ではありません。 故人の人生と、残された自分たちのこれからの人生を仕分ける、大切な「儀式」です。
「費用」だけで決めると、必ず後悔します。
あなたの「時間」、そして「心の状態」と相談しながら、あなたとご家族にとって、最も納得できる方法を選んでください。






