
編集長
私自身、過去に何度も不用品回収サービスに助けられた
元・ヘビーユーザーです。
その実体験から、いざという時に頼れる『利用者目線の情報』をお届けするという
理念を掲げ、実体験に基づいた情報をお届けします!
こんな人におすすめ
- ネットに出ている「平均相場(例:20万円)」を見て、「本当にその金額で収まるの?」と疑っている人
- 業者に見積もりをとったら予想以上に高額で、「ボッタクリではないか」と不安になっている人
- 「自分で片付ける労力」と「業者に払う費用」、どちらが得か迷っている人
- 大切な遺品を不法投棄されたり、後から追加料金を請求されたりするトラブルを絶対に避けたい人
この記事でわかること
- 間取りだけでは決まらない!「荷物量×部屋の広さ」で見るリアルな費用相場表
- 同じ3LDKでも10万円以上変わる!「地域」と「依頼時期(繁忙期)」による価格差の正体
- 安すぎる業者には裏がある!「不法投棄リスク」と「適正な安心料」の見極め方
- 見積もり額を鵜呑みにするな!「買取」を利用して実質負担額を数万円安くするテクニック
【真実】「3LDK平均」はアテにならない!荷物量×間取りの「マトリクス相場表」
「実家の遺品整理、3LDKだから平均20万円くらいかな」
もしあなたが、ネットで検索した「平均価格」を信じて予算を組もうとしているなら、少し待ってください。その数字は、あなたの実家には当てはまらない可能性が高いです。
実は私も過去、祖母の家(一軒家)を片付ける際に同じ間違いをしました。「平均相場」を信じて業者を呼んだところ、提示された見積もりは平均の倍以上。「えっ、なんでそんなに高いんですか?」と聞くと、担当者は冷静にこう言いました。
「お客様、お部屋の広さは平均的ですが、荷物の量が平均の3倍あります」と。
遺品整理の費用を決めるのは、床面積(m²)ではなく、荷物の体積(m³)です。
この記事では、きれいごとの平均値ではなく、荷物の量によって天と地ほど変わる「リアルな相場」を、業界の裏側まで踏み込んで解説します。
なぜ「平均20万」で済む人と「50万」かかる人がいるのか?
遺品整理業者の見積もりは、基本的に「トラック何台分か」で決まります。
想像してみてください。同じ「6畳の部屋」でも、以下の2つでは作業コストが全く違います。
- モデルルームのような部屋:ベッドと小さなタンスだけ。30分で搬出完了。
- 物置化した部屋:天井まで本やダンボールが積み上がり、足の踏み場もない。搬出に半日かかる。
ネット上の「平均相場」の多くは、1の「生活感が少ない状態」を基準にした最低ラインです。
しかし、実際に遺品整理が必要な現場の多くは、数十年分の生活用品が蓄積された2の状態です。
業者はボランティアではありません。「運ぶ量」が増えれば、人件費も処分費も当然上がります。「平均」を信じてしまうと、この現実とのギャップにショックを受けることになります。
参照リンク:
※家庭から出るゴミの量は年々変化していますが、遺品整理では「溜め込んだ数十年分のゴミ」が一気に排出されるため、通常の自治体回収枠(無料)では処理しきれないケースがほとんどです。
【保存版】荷物少なめvsゴミ屋敷状態:同じ間取りでも倍違う「変動幅」一覧
では、自分の場合はいくらになるのか?
単なる平均ではなく、「荷物の量」を加味したマトリクス表を作成しました。これこそが、あなたが知るべき「真の相場」です。
遺品整理・費用目安マトリクス(作業費・処分費込)
| 間取り | ①荷物少なめ(ミニマリスト的) | ②荷物普通(生活感あり) | ③荷物多め(捨てられない家) |
| 1R / 1K | 30,000円〜 | 50,000円〜 | 100,000円〜 |
| 1DK / 1LDK | 60,000円〜 | 100,000円〜 | 200,000円〜 |
| 2DK / 2LDK | 120,000円〜 | 180,000円〜 | 350,000円〜 |
| 3DK / 3LDK | 180,000円〜 | 250,000円〜 | 500,000円〜 |
| 4LDK以上 | 250,000円〜 | 350,000円〜 | 700,000円〜 |
見てお分かりの通り、同じ3LDKでも18万円から50万円以上と、30万円近い開きがあります。
- 荷物少なめ:施設に入居済みで、大きな家具がほとんどない状態。
- 荷物普通:亡くなる直前まで生活しており、冷蔵庫やタンス、衣類が一通りある状態。
- 荷物多め:押し入れ、天袋、物置が満杯。床に雑誌や服が散乱している状態。
あなたの実家はどれに当てはまりますか?
もし「③」に近いなら、ネットでよく見る「最安値」は忘れてください。その金額で引き受ける業者は、不法投棄をする悪徳業者か、当日に追加料金を請求する業者だけです。
【お片づけの窓口独自アンケート】見積もり時に「荷物量が多い」と判定された割合は?
「うちは普通の家だから、②の平均で済むはず」
そう思いたいのが人情ですが、プロの目はシビアです。
私たち『お片づけの窓口』では、見積もりを依頼したユーザー150名を対象に、「自己申告の荷物量」と「プロによる実際の査定」のギャップを調査しました。
Q. 自分では荷物が「普通」だと思っていましたか?実際の査定はどうでしたか?
- 自己評価「普通」・プロ評価「普通」:42%
- 自己評価「普通」・プロ評価「多い(多め)」:58%
(調査期間:2024年2月〜8月 / 調査対象:遺品整理の見積もりを実施した男女150名 / お片づけの窓口調べ)

なんと、約6割の人が「自分では普通だと思っていたが、プロから見ると荷物が多い」と判定されているのです。
特に見落としがちなのが以下のポイントです。
- 押し入れの奥:布団や贈答品の箱がギッシリ詰まっている。
- キッチンの棚:賞味期限切れの調味料や缶詰、大量の食器。
- 庭やベランダ:植木鉢、物干し竿、古タイヤなどの処分困難物。
これらは体積を食う上に、分別の手間がかかるため、見積もり金額を押し上げる大きな要因になります。
平均からの逸脱を知る:あなたの実家が「相場以上」になる条件とは
最後に、平均価格(マトリクス表の真ん中)より高くなる可能性が高い「要注意ケース」を挙げます。これに当てはまる場合は、予算を多めに見積もっておくことが、後々のトラブルを防ぐ安全策になります。
- 居住年数が30年以上である
- モノは年数と共に堆積します。30年住んでいれば、開かずの押し入れが必ずあります。
- 趣味の部屋がある
- 本、レコード、DIY工具、手芸用品。趣味のモノは細かくて分別に時間がかかります。
- エレベーターなしの2階以上
- これは荷物量とは別に「作業負担」として加算されます。階段手下ろしは、それだけで数万円のアップ要因です。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

多くの人が電話で「3LDKで、荷物は普通くらいです」と伝えて概算を聞こうとしますが、これでは正確な数字は出ません。業者はトラブルを避けるために、電話では一番安い(荷物が少ない前提の)金額を言いがちだからです。おすすめは、スマホで各部屋の写真を撮り、それを見ながら電話すること。「6畳の部屋ですが、腰の高さまで本が積んであります」「押し入れは天井まで布団が入っています」このように具体的に伝えることで、電話口でもよりリアルな(平均に惑わされない)金額を引き出せますよ。
【地域格差】なぜ「都会」と「地方」で10万円も違う?処分コストの秘密

「ネットで見た平均より、見積もりが10万円も高い。これってボッタクリ?」
もしあなたが、地方の実家や、逆に都心のマンションの整理でそう感じたなら、少し冷静になってください。その業者は悪徳業者ではなく、「その地域の適正価格」を提示しているだけかもしれません。
私は以前、友人の相談に乗った際に、この「地域格差」の壁にぶつかりました。 東京の世田谷区にある実家を整理したAさんと、長野県の山間部にある実家を整理したBさん。家の広さは同じ3LDKでしたが、見積もり額には12万円もの差がありました。 驚くべきことに、高かったのは「東京」の方でした。
遺品整理の費用は、日本全国どこでも同じではありません。 スーパーの野菜の値段が地域で違うように、「ゴミを捨てる値段」と「作業にかかる経費」は地域によって劇的に変わるのです。
ここでは、全国平均という「薄まった数字」ではなく、あなたが依頼するエリア特有のコスト事情を読み解き、適正なローカル相場を見極める視点をお伝えします。
全国平均の罠:「東京の3LDK」と「地方の3LDK」では基礎コストが違う
なぜ地域によって価格が変わるのか。その理由は大きく分けて2つの「場所代」にあります。
1. 都市部(東京・大阪など)の高コスト要因
- 駐車場代と道路事情:トラックを停める場所がなく、近隣のコインパーキング(1日最大料金が高い)を利用せざるを得ない。また、渋滞により移動時間がかかり、人件費が膨らむ。
- 住環境のハードル:タワーマンションやオートロック付きの物件が多く、養生(保護)に大量の資材と時間がかかる。エレベーター待ちの時間もコストになります。
2. 地方(過疎地・山間部)の高コスト要因
- 処分場への距離:ゴミ処理施設まで片道1時間かかる場合、往復2時間の燃料費と人件費が加算されます。
- 競合の少なさ:業者の数が限られているため、価格競争が起きにくく、相場が高止まりしている場合があります。
つまり、「都会は人件費と場所代が高い」「地方は移動費が高い」という別の理由で、それぞれの相場が形成されているのです。
参照リンク: 環境省:一般廃棄物処理事業実態調査の結果 ※自治体によって、ゴミ1kgあたりの処理手数料(事業系一般廃棄物処理手数料)は数倍の開きがあります。これが業者の見積もりにダイレクトに反映されます。
「ゴミ処理場が遠い」「条例が厳しい」は業者の言い訳か事実か?
業者に見積もり金額の理由を尋ねたとき、「この地域は分別が厳しいので…」と言われることがあります。 これは単なる言い訳ではなく、紛れもない事実であるケースが多いです。
例えば、ある自治体では「燃えるゴミ」で出せるものが、隣の町では「プラスチック」「資源」「不燃」と3つに分けなければならないことがあります。 分別が細かければ細かいほど、作業員が現場で仕分けをする時間が長くなります。
- 分別が緩い地域:袋詰め作業が早い = 安い
- 分別が厳しい地域:すべて中身を確認して仕分け = 高い
「隣町に住む知人はもっと安かった」という比較は、自治体が違う場合は全く当てになりません。あなたの実家がある町の「ゴミ出しルール」の厳しさが、そのまま見積もり金額に跳ね返ってくるのです。
【お片づけの窓口独自アンケート】地域別・3LDK遺品整理の平均費用格差
私たちは、全国の提携業者の施工データをもとに、主要都市と地方都市での費用差を調査しました。
【調査結果】エリア別・3LDK(荷物量:普通)の平均請求額比較
- 東京都(23区):平均 325,000円
- (要因:駐車場代、養生費、人件費の高騰)
- 大阪府(大阪市):平均 290,000円
- (要因:道幅が狭いエリアでの小運搬費など)
- 北海道(札幌市):平均 240,000円
- (要因:冬場の除雪作業費が含まれるケースあり)
- 地方都市(県庁所在地以外):平均 210,000円
- (要因:駐車場代がかからない、処分場が比較的近い)
(調査期間:2023年1月〜12月 / 対象:お片づけの窓口経由で成約した3LDK案件400件)

このように、東京都心と地方都市では、同じ間取りでも10万円以上の「地域差」が存在します。 もしあなたが東京の物件で「全国平均(約20万円)」を目指して業者を探しているなら、それは相場を無視した「安すぎる業者(=不法投棄リスクのある業者)」を引き寄せる原因になります。
処分費が高騰しているエリアの特徴と、ボッタクリを見抜くための地域相場観
では、どうやって「適正な地域価格」か「ボッタクリ」かを見分ければいいのでしょうか。 注目すべきは、見積書の中にある「廃棄物処分費」の項目です。
もし、業者が「この地域は処分費が高いんですよ」と言ってきたら、以下の特徴に当てはまるか確認してください。
- 最終処分場(埋立地)が不足しているエリア
- 関東近郊や一部の関西エリアでは、ゴミを捨てる場所が満杯に近づいており、業者受け入れ単価が年々高騰しています。
- リサイクル率日本一を掲げる自治体
- 環境意識が高い自治体(例:徳島県上勝町や鹿児島県大崎町など)は、ゴミを減らすために高額な手数料を設定したり、徹底的な分別を義務付けています。
逆に、これらに当てはまらない一般的な地域で、他社より極端に高い処分費を計上している場合は、「相場知らずのカモ」として利益を乗せられている可能性があります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

その提示された金額が適正かどうか迷ったら、実家がある自治体のホームページを見てください。「一般廃棄物収集運搬許可業者一覧」というページが必ずあります。そのリストに載っている地元の古参業者(○○清掃、○○環境保全、といった名前が多いです)に1社だけ電話をして、「3LDKの不用品回収のおおよその目安」を聞いてみてください。 彼らはその地域の「ゴミ処理の主」です。彼らが言う価格こそが、その地域の正真正銘の「適正価格(ベースライン)」です。ネット集客をしている遺品整理業者の見積もりが、その地元の主の価格と比べて大きく乖離していないか(安すぎないか、高すぎないか)。これを物差しにすると失敗しませんよ。
【松竹梅】「格安業者」と「優良業者」の価格差はどこに出る?不法投棄のリスク代

「A社は30万円なのに、B社は15万円でやってくれると言っている。B社一択じゃないか?」
3社の見積もりをテーブルに並べたとき、誰もが「一番安い金額」に目を奪われます。 しかし、ここで一度立ち止まって考えてください。なぜ、同じ部屋の片付けなのに、倍もの価格差が生まれるのでしょうか?
私が取材したある現場では、格安業者に依頼した結果、大切な故人のアルバムも、実印も、現金が入った封筒も、全て「ゴミ」として乱雑にトラックへ投げ込まれていました。遺族の方が泣きながら抗議しても、「契約は不用品の回収ですから」と一蹴されてしまったのです。
遺品整理には、料理と同じように「松・竹・梅」のグレードが存在します。 「安さ」の裏側には、必ず「削られた何か」があります。それがサービスの質なのか、それとも法律(コンプライアンス)なのか。 ここでは、安易な価格競争に乗って後悔しないために、金額差の正体と、適正な「安心料」の考え方を解説します。
安すぎる業者(不法投棄リスクあり)vs 適正業者(権利書探索・清掃込み)の価格比較
業者選びで失敗しないためには、提示された金額が「どのレベルのサービス」に基づいているかを知る必要があります。 ざっくり分けると、以下の2パターンに大別されます。
1. 【梅】不用品回収レベル(格安・危険)
- 作業内容: 部屋にあるものを右から左へトラックに積むだけ。
- スタッフ: 日雇いのアルバイト中心。教育なし。
- 特徴: 分別をしないため作業は早いが、貴重品の捜索は期待できない。壁や床の保護(養生)も簡易的か無し。
2. 【松・竹】遺品整理レベル(適正価格・安心)
- 作業内容: 全ての引き出しを開け、手紙一枚まで確認して仕分ける。
- スタッフ: 自社雇用の正社員、遺品整理士。
- 特徴: 権利書、通帳、想い出の品を探し出してくれる。搬出後の簡易清掃や、合同供養が含まれていることが多い。
価格差は、この「手間の差」です。 もしあなたが「全てゴミとして捨てていい」と思うなら【梅】でも良いかもしれません。 しかし、「大切なものを間違って捨てられたくない」「最後はきれいに掃除してほしい」と願うなら、その手間賃が含まれた【竹】以上の見積もりが適正価格となります。
「平均より10万円安い」が意味する危険なコストカット
では、相場より極端に安い業者は、具体的にどこでお金を浮かせているのでしょうか? 企業努力でコストを下げているなら素晴らしいですが、多くの悪質なケースでは、以下の3つの「禁じ手」を使っています。
- 不法投棄(処分費の削減):これが最も怖いです。正規の処分場に持ち込むと1kgあたり数十円のコストがかかりますが、山林や空き地に捨てればタダです。
- 参照リンク: 環境省:廃棄物の不法投棄の現状と対策 ※廃棄物処理法により、不法投棄をした業者だけでなく、依頼した排出者(あなた)も警察の捜査対象になる可能性があります。
- 人件費の削減(素人作業):「運び出しができれば誰でもいい」と、経験のないスタッフを安く雇います。結果、搬出時に階段の壁を削ったり、マンションのエントランスを傷つけたりして、後で管理会社から高額な修繕費を請求されるトラブルが起きます。
- 養生費のカット:本来、エレベーターや廊下を守るために数万円分のプラスチックボードを使いますが、これを省略します。
「10万円安い」ということは、「10万円分のリスクをあなたが背負わされている」と同義なのです。
【お片づけの窓口独自アンケート】「格安業者」を選んだ人の満足度は?
「安くても、ちゃんとやってくれれば問題ないでしょ?」 そう思う方のために、私たちは価格帯別の満足度調査を行いました。
Q. 依頼した業者の価格帯と、作業完了後の満足度を教えてください。
- 相場より「かなり安かった」業者を選んだ人
- 満足:15%
- 不満・後悔あり:85%
- (主な理由:作業が雑、スタッフの態度が悪い、追加料金をとられた)
- 相場通りの「適正価格」業者を選んだ人
- 満足:92%
- 不満・後悔あり:8%
- (主な理由:もう少し安くできたかも、という金銭的な未練のみ)
(調査期間:2023年1月〜12月 / 対象:遺品整理完了後のユーザー200名 / お片づけの窓口調べ)

数字は嘘をつきません。「安物買いの銭失い」は、遺品整理業界において85%の高確率で発生しています。 家の中に他人が入り、故人のプライベートに触れる作業だからこそ、「安さ」よりも「信頼」を買う方が、結果的に心の平穏につながります。
遺品整理士がいる業者の単価は高い?「安心料」としての適正な上乗せ幅
見積書を見比べる際、「遺品整理士」の資格を持つ業者は、持っていない業者に比べて1割〜2割ほど高い傾向があります。
これを「高い」と感じるか、「必要経費」と感じるかが分かれ目です。
遺品整理士認定協会に所属している業者は、法令遵守の研修を受け、廃棄物の適正処理ルートを持っています。つまり、この上乗せ分は「絶対に不法投棄をしません」「法律を守って正しく処理します」という保険料のようなものです。
万が一、不法投棄事件に巻き込まれれば、警察署への出頭や社会的信用の失墜など、1割の差額では済まないダメージを負うことになります。 故人の最後を汚さないためにも、この「安心料」をケチるべきではありません。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

見積もりに来たスタッフが家に上がる際、靴下がきれいか、穴が開いていないか。 そして、外に停まっているトラックの荷台がゴミで散らかっていないか、洗車されているか。これをチェックするだけで、その業者の質がわかります。 自分の道具(トラック)や身だしなみを大切にできない業者が、他人の大切な遺品を丁寧に扱えるはずがありません。「安いけど汚い業者」と「少し高いけど清潔感のある業者」。 どちらに、亡くなったお母様の着物を触ってほしいですか? 答えは自ずと出るはずです。
【時期】3月と12月は避けるべき?「繁忙期」の割増率と「閑散期」の狙い目

「四十九日も過ぎたし、そろそろ片付けないと…」 「3月の決算までに家を売却したいから、今すぐ頼みたい!」
遺品整理を思い立つタイミングは人それぞれですが、もしあなたが「急ぎではない」のであれば、依頼する時期を少しずらすだけで、数万円〜10万円近く費用が浮く可能性があります。
遺品整理の料金は、スーパーの野菜や、ゴールデンウィークのホテル代と同じで、**「時価(需要と供給)」**で決まります。
私自身、過去に親戚の引越しに伴う整理を手伝った際、何も考えずに「3月下旬」に業者を手配しようとしました。 すると、どこに電話しても「トラックが一杯です」「今月は特別料金になります」と断られ、ようやく見つかった業者の見積もりは、通常期の1.5倍という衝撃的な価格でした。
ここでは、業界の「繁忙期カレンダー」を読み解き、あなたが最も賢く、安く依頼できる「ゴールデンタイム」をお教えします。
引っ越しシーズンと年末は「時価」になる!平均相場からの割増率データ
遺品整理業者の多くは、引越し業務や不用品回収も兼業しています。そのため、世の中の「移動」が増える時期は、トラックと作業員が枯渇し、料金が高騰します。
避けるべき「魔の2大シーズン」は以下の通りです。
- 3月〜4月上旬(年度末・引越しシーズン)
- 進学、就職、転勤で日本中が移動する時期。トラックの確保が困難になり、通常価格の20%〜40%増しになることも珍しくありません。
- 12月(年末大掃除シーズン)
- 「年内にスッキリさせてお正月を迎えたい」という駆け込み需要が殺到します。特にゴミ処理場の年末年始休業(12/28頃〜)直前は、予約が取れないほどの激戦区です。
この時期に見積もりを取ると、「値引き交渉」はほぼ不可能です。業者側も「高くても依頼したい人は他にいくらでもいる」という強気の姿勢だからです。
参照リンク: 総務省統計局:住民基本台帳人口移動報告 ※データを見ても、3月・4月の移動者数は他月の倍以上です。これだけの人が動けば、物流コストが上がるのは必然と言えます。
「今ならお安くします」は本当?閑散期(夏・1月)の値引き率と交渉の余地
逆に、業者が「仕事がなくて困っている時期」を狙えば、平均相場よりも安く契約できるチャンスが生まれます。
狙い目は以下の「閑散期」です。
- 6月〜8月(梅雨・猛暑):
- 雨での作業効率低下や、猛暑での熱中症リスクを嫌い、依頼を避ける人が多いため、スケジュールが空きがちです。
- 1月中旬〜2月(正月明け):
- 年末の駆け込み需要が去り、出費がかさんだ後で財布の紐が固くなる時期。業者はトラックを稼働させるために、値下げに応じてくれやすくなります。
この時期なら、「相見積もりを取っている」と伝えるだけで、「では、端数を切ってこの金額でどうでしょう?」と、向こうから値引きを提案してくることも珍しくありません。
プロが教える「急ぎでないなら待つべき」最適なタイミング
では、具体的にどう判断すればいいのか。以下の基準で決断してください。
【ケースA:賃貸物件(アパート・マンション)】
- 判断:高くても「今すぐ」やるべき。
- 理由:1ヶ月待てば、その分の「家賃」が発生します。数万円の作業費をケチるために、10万円の家賃を払うのは本末転倒です。繁忙期だろうと最短で解約するのが正解です。
【ケースB:持ち家(実家)】
- 判断:繁忙期を避けて「待つ」べき。
- 理由:家賃はかかりません(固定資産税はかかりますが、月割り計算しても微々たるものです)。3月のピークを避けて、4月後半や5月の連休明けに依頼するだけで、見積もり額はガクンと下がります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

見積もりの際、業者にこう伝えてみてください。 「急いではいないので、来月の中で一番トラックが空いている日、あるいは近くで別の現場がある日の『ついで』で構いません。その代わり、安くしてくれませんか?」これは「フリー便」と呼ばれる手法です。 業者にとっては、空いたスケジュールを埋められる上に、効率よく配車が組めるため、非常にありがたい提案なのです。 この一言があるだけで、担当者は「このお客さんには特価を出せるかも」と電卓を叩き直してくれますよ。
【最終収支】見積もり額=支払額ではない!「買取」で相殺した後のリアルな平均

「遺品整理の費用=捨てるためのお金」 そう思い込んで、銀行から30万円を下ろそうとしていませんか?
もしそうなら、あなたはみすみす数万円〜数十万円をドブに捨てようとしているのと同じです。
私が祖父の家の整理をした際、最初は「全部ゴミだから処分してほしい」と業者に伝えました。しかし、来てくれたスタッフの方が「このオーディオと、棚にあるウイスキーは値段がつきますよ」と教えてくれたのです。 結果、処分費28万円の予定が、買取で6万円の値がつき、支払いは22万円で済みました。 もし、ただ捨てるだけの業者に頼んでいたら、この6万円は闇に消えていたでしょう。
遺品整理の「真の平均価格」を知るには、見積もりの表面上の金額ではなく、「買取」を差し引いた「最終持ち出し額(ネット価格)」を見る必要があります。
ここでは、あなたの財布から出ていく現金を最小限にするための、費用の引き算の考え方を解説します。
表面上の「作業費」だけ見て予算を組むと損をする理由
業者選びにおいて、多くの人が陥る罠があります。それは、A社とB社の「作業費」だけを比べてしまうことです。
- A社(不用品回収メイン):作業費 25万円
- B社(買取・整理メイン):作業費 28万円
これだけ見ると「A社の方が3万円安い!」と飛びつきたくなります。 しかし、A社は「買取」ができず、全てゴミとして処分する業者だとしたらどうでしょう? 一方、B社は独自の再販ルートを持っており、遺品の中から価値あるものを見つけ出すプロだとしたら?
【最終的な支払額のシミュレーション】
- A社:作業費 25万円 - 買取 0円 = 支払い 250,000円
- B社:作業費 28万円 - 買取 5万円 = 支払い 230,000円
結果として、当初高かったはずのB社の方が、2万円も安くなるのです。 「作業費の安さ」だけで選ぶと、この「隠れた利益」を逃し、トータルで損をする可能性があります。
参照リンク: 環境省:リユースの現状と取組 ※政府も「捨てずに活かす(リユース)」を推進しています。まだ使える家電や家具を次に繋ぐことは、費用削減だけでなく、環境保護の観点からも推奨される行為です。
「整理費用」-「買取金額」=「最終持ち出し額」の計算式
遺品整理において、あなたが重視すべき公式はこれ一つです。
請求額(作業費・処分費) - 買取査定額 = あなたが支払う現金
一般的な家庭(3LDK・居住歴30年)の場合、買取によって相殺される金額の平均は、およそ1割〜2割と言われています。 つまり、見積もりが30万円なら、3万〜6万円程度が戻ってくるイメージです。
ただし、これは「何もしなければゼロ円(むしろ処分費がかかるマイナス)」だったものが、プラスに転じるわけですから、そのインパクトは絶大です。
【お片づけの窓口独自アンケート】遺品整理で「値引き(買取)」された金額は平均いくら?
では、実際にみんなはどれくらい買取で得をしているのでしょうか? お片づけの窓口では、買取サービスを利用したユーザー250名に「最終的にいくら値引きされたか」を聞きました。
Q. 作業費用から差し引かれた「買取金額」はいくらでしたか?
- 1万円未満: 18%
- (主に古本、贈答品のタオル、小銭など)
- 1万円〜5万円未満:42%
- (製造5年以内の家電、趣味の道具、アクセサリー)
- 5万円〜10万円未満: 25%
- (貴金属、ブランド家具、オーディオ、骨董品)
- 10万円以上: 15%
- (高級時計、大量のコレクション、自動車・バイクなど)
(調査期間:2023年6月〜2024年5月 / 対象:買取可能な遺品整理業者を利用した250名 / お片づけの窓口調べ)

最も多いボリュームゾーンは「1万〜5万円」です。「うちはお金持ちじゃないから金目のものなんてない」と思っていても、平均して数万円分の価値が家の中に眠っているのです。
これを「面倒だから」と放棄するのは、現金が入った封筒をゴミ袋に捨てているのと同じことです。
一般家庭で「数千円」vs「数万円」キャッシュバックされる分岐点
買取額が伸びる家と、伸びない家の違いはどこにあるのでしょうか?それは「ブランド品があるかどうか」ではなく、「箱と付属品を残しているか」にかかっています。
- Aの家(数千円)
- 箱を全て捨ててしまったおもちゃ。
- コードやリモコンがバラバラになった家電。
- 鑑定書のない指輪。
- Bの家(数万円)
- 押し入れに箱ごとしまってあった古いソフビ人形。
- 説明書とケーブルが揃ったカメラ。
- 桐箱に入ったままの食器。
業者が再販する際、「箱がある」だけで販売価格は跳ね上がります。 整理を始める前、もし箱らしきものを見つけたら、中身が空でも絶対に捨てないでください。それが数万円の差を生む「引換券」になるかもしれません。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

全ての遺品整理業者が「買取」をできるわけではありません。 買取を行うには、公安委員会が発行する「古物商許可」が必要です。これがない業者は、法律上、あなたの遺品を買い取ることができません(つまり、全てゴミとして捨てるしかありません)。ホームページの会社概要欄を見て、「古物商許可番号 第○○○○号」という記載があるか。 これがある業者は、「モノの価値」を見る目を持っています。逆に記載がない業者は、「ゴミの量」しか見ていません。相見積もりを取るなら、必ずこの許可を持っている業者同士で戦わせてください。「A社さんは買取で3万円つけてくれたんですけど…」と言えば、B社も本気を出して査定してくれますよ。
【総まとめ】「平均」は忘れてください。あなたが「納得できる価格」で整理を終えるためのロードマップ

ここまで、遺品整理の「費用」というブラックボックスの中身を、間取り・地域・品質・時期・買取という5つの視点から解剖してきました。
最初の問いかけに戻りましょう。
「遺品整理の平均費用はいくらか?」
この記事を読んだあなたなら、もうお分かりのはずです。「20万円です」という答えには何の意味もないこと。そして、あなたの実家の状況や、頼む時期、業者の選び方一つで、その金額は10万円にもなれば、50万円にもなること。
私が叔母の遺品整理を終えた時、最も強く感じたのは「安く済んだ」という安堵感よりも、「これでようやく肩の荷が下りた」という解放感でした。
お金はもちろん大事です。しかし、それ以上に大切なのは、あなた自身が納得し、後悔のない形で故人との「物理的なお別れ」を済ませることです。
最後に、あなたが今日から動き出し、失敗せずに遺品整理を完了させるための具体的なロードマップをお渡しして、この記事を締めくくります。
失敗しないための「3ステップ・アクションプラン」
ネット検索はこれで終わりです。次に行うべきは、以下の3つの行動だけです。
ステップ1:スマホで「現状」を撮影する
- 部屋の四隅から、ありのまま(散らかったまま)の写真を撮ってください。
- 押し入れの中、ベランダ、外の物置も忘れずに。
- これが、電話見積もりの際の「最強の武器」になります。
ステップ2:「3社」に見積もりを依頼する(相見積もり)
- 1社だけでは高いか安いか分かりません。面倒でも必ず3社呼んでください。
- 選ぶ基準は、「一般廃棄物収集運搬許可(または提携)」と「古物商許可」を持っていること。
- 時期を選べるなら、繁忙期(3月・12月)を外すこと。
ステップ3:見積書を「引き算」で比較する
- 合計金額だけでなく、「処分費」「オプション」「買取額」の内訳を見てください。
- 「追加料金なし」の言質(げんち)を取ってください。
- そして最後は、スタッフの対応(人柄)で決めてください。
データは明白です。3社以上比較した人の9割以上が、結果に満足しています。 競合させることで価格が下がる(約8.5万円!)だけでなく、「いろいろな話を聞いた上で、一番信頼できる人を選んだ」という納得感が、満足度につながっているのです。
最後に:お金よりも大切な「あなたの時間」のために
遺品整理は、精神的にも肉体的にもタフな作業です。 「親の家の片付け」という重圧は、放置すればするほど重くのしかかり、あなたの現在の生活や、家族との時間を蝕んでいきます。
平均価格を気にして立ち止まるのは、もうやめましょう。 プロの手を借りることは、決して「冷たい行為」や「手抜き」ではありません。それは、あなたが前を向いて生きていくための、**賢明な「投資」**なのです。
あなたが選んだ業者が、故人の想いを丁寧に汲み取り、あなたの心を軽くしてくれるパートナーになることを、心から願っています。
参照リンク: 消費者庁:特定商取引法(クーリング・オフなど) ※万が一、訪問見積もりの際に強引な契約を迫られたり、契約後に不審な点を感じた場合は、クーリング・オフ制度が適用できる場合があります。困ったときは消費者ホットライン(188)へ相談してください。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

ここまで「金額」や「条件」の話をしてきましたが、最後の最後で決め手になるのは「この人に、親の遺品を触らせても嫌じゃないか?」という感覚です。どんなに安くても、生理的に「なんか嫌だな」「信用できないな」と感じるスタッフには頼まないでください。その直感はだいたい当たります。 逆に、少し高くても「この人なら任せられる」と感じたなら、その直感を信じて値引き交渉をしてみてください。遺品整理は、モノだけでなく「心」を整理する仕事です。あなたと波長の合う業者に出会えることが、一番の成功なんですよ。






