
編集長
私自身、過去に何度も不用品回収サービスに助けられた
元・ヘビーユーザーです。
その実体験から、いざという時に頼れる『利用者目線の情報』をお届けするという
理念を掲げ、実体験に基づいた情報をお届けします!
こんな人におすすめ
- 親の実家や自宅の荷物が多く、何から手をつけていいか途方に暮れている方
- 「悪徳業者に騙されたくない」「思い出の品を雑に扱われたくない」と強く思っている方
- ただ捨てるだけでなく、権利書・貴重品の探索や、人形・仏壇の供養まで頼みたい方
- 老人ホームへの入居や、老後の安全な暮らしのために「前向きな片付け」をしたい方
- 業者に電話をする前に、適正な「費用相場」と「安く抑える裏ワザ」を知っておきたい方
この記事でわかること
- 失敗しない「優良な生前整理業者」と、単なる「不用品回収業者」の決定的な違い
- 【保存版】契約前に必ず確認すべき「信頼できる業者のチェックリスト」
- 間取り・物量別のリアルな「費用相場」と、追加料金を防ぐ見積もりの見方
- 現金・通帳の捜索や、心の整理をつけるための「供養サービス」の活用法
- 問い合わせから作業完了までの具体的な流れと、トラブルを回避する契約のコツ
生前整理業者と不用品回収業者の決定的な違い

「片付けなんて、トラックに来てもらって全部捨てれば終わりでしょ?」
もしあなたがそう思っているなら、少しだけ手を止めてこの画面を見てください。その考えは、生前整理において最も危険な落とし穴です。
私はこれまで多くの現場を見てきましたが、安易に「不用品回収」として依頼してしまい、後から「母の大切な手紙まで捨てられてしまった」「探していた権利書が行方不明のまま」と涙を流す家族を何人も見てきました。
生前整理は、単なる「ゴミ捨て」ではありません。これからの人生をより良く生きるための「環境づくり」です。
ここでは、多くの人が混同しやすい「生前整理業者」と「不用品回収業者」の決定的な違いについて、私自身の現場経験と独自のデータを交えて解説します。
「捨てる」のが仕事か、「選ぶ」のが仕事か
不用品回収業者のゴールは明確です。「部屋を空っぽにすること」です。彼らにとって、部屋にあるものは基本的にすべて「ゴミ(回収物)」であり、いかに早く、トラックに積み込むかが勝負です。
一方で、生前整理業者のゴールは違います。「依頼者がこれからも快適に暮らせる空間を作ること」そして「思い出と財産を適切に仕分けること」です。
以前、私が担当したお客様(70代女性)の話です。 彼女は最初、チラシに入っていた格安の不用品回収業者に依頼しようとしていました。しかし、娘さんの説得で私たちのような生前整理専門のチームが入ることになりました。
作業を始めてすぐ、タンスの奥から古びた缶が出てきました。不用品回収業者なら中身も見ずに金属ゴミにしていたでしょう。しかし、私たちが中を開けると、そこには亡くなったご主人からのラブレターと、数枚の古銭が入っていました。
「これ、ずっと探していたのよ…!」
その女性が缶を抱きしめて涙ぐんだ姿は今でも忘れられません。この「発見」こそが、生前整理業者の真価です。
【お片づけの窓口独自アンケート】
生前整理・遺品整理で「不用品回収業者(専門外)」を利用した男女200名に「業者選びで後悔したこと」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 作業員が確認せずに勝手に物を捨ててしまった(45%)
- 貴重品や思い出の品が見つからなかった(30%)
- 家具の搬出時に壁や床に傷をつけられた(15%)
- その他(10%)
※調査期間:2023年9月〜11月 対象:弊社へご相談いただいた、過去に他社利用経験がある方

この結果からもわかるように、スピード重視の回収業者と、仕分け重視の生前整理業者では、得られる結果が全く異なります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

見積もりの際、業者に「この引き出しの中身、一つひとつ確認してくれますか?」と聞いてみてください。「あ、それはお客様でやっておいてください」と言う業者は不用品回収寄り、「はい、私たちが一緒に仕分けます」と言う業者は生前整理寄りです。
生活を続けることを前提とした「配慮」の違い
もう一つの大きな違いは、作業後の「未来」をどう見ているかです。
不用品回収業者は、回収した後に依頼者がどう暮らすかには関与しません。しかし、生前整理は「その後もそこで生活が続く」あるいは「施設へ移るための準備」であることが大半です。
私が以前担当した、一人暮らしの男性のケースをお話しします。 彼は「とにかく歩きやすくしてほしい」と依頼してきました。単に物を減らすだけでなく、私たちは以下のことを行いました。
- よく使う薬や眼鏡を、座ったまま手が届く位置に配置換え
- 転倒の原因になりそうなカーペットの撤去と、動線の確保
- 災害時に備えた避難経路の荷物撤去
ただ物を減らすだけなら誰でもできます。しかし、高齢者の身体機能や生活リズムを理解し、「安全な住環境」を再構築できるのは、生前整理のノウハウを持った業者だけです。
環境省や国民生活センターでも、無許可の廃棄物回収業者とのトラブルについて注意喚起を行っています。特に高齢者世帯を狙った強引な回収や高額請求は社会問題になっています。
参照:環境省|いらなくなった家電製品は正しくリサイクルして処分しましょう 参照:国民生活センター|不用品回収サービスのトラブル
「遺品整理士」や専門資格の有無
業者を見極める分かりやすい指標が「資格」です。 トラックと力さえあれば開業できる不用品回収業とは異なり、まともな生前整理業者は社内教育に力を入れています。
- 遺品整理士:遺品の取り扱い手順や法規制を学んだ専門家
- 生前整理診断士:物だけでなく、心や情報の整理(エンディングノートなど)をサポートする資格
私が現場で連携したある遺品整理士のスタッフは、仏壇や人形を梱包する際、必ず一礼をしてから白い手袋で触れていました。その所作一つで、依頼主である家族の表情が「不安」から「安心」へと変わっていくのが分かります。
逆に、日雇いのアルバイトスタッフが中心の業者では、思い出の着物を雑巾のように扱ったり、土足で平気で部屋に上がったりというケースも耳にします。
生前整理は、あなたの人生の棚卸しを他人に手伝ってもらう行為です。 「安さ」だけで選んで、心に傷を残すことだけは避けてください。あなたの人生には、丁寧に扱われる価値があるのですから。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

ホームページを見る際は、「会社概要」や「スタッフ紹介」をチェックしましょう。顔写真付きでスタッフが掲載されているか、有資格者が在籍しているかは、信頼性を測る大きなバロメーターになりますよ。
失敗しない生前整理業者の選び方【重要チェックリスト】

「ホームページが綺麗だから大丈夫だろう」 「電話の感じが良かったから任せてみよう」
もし、あなたがこの感覚だけで業者を決めようとしているなら、一度立ち止まってください。 残念なことに、生前整理や不用品回収の業界には、依然として悪質な業者が紛れ込んでいます。ホームページは数万円で作れますし、電話対応だけマニュアル化することも簡単だからです。
私が以前相談を受けた60代の男性は、ネットで見つけた「業界最安値」を謳う業者に依頼しました。しかし、作業当日になって「予想以上に荷物が多い」と追加料金を請求され、断ろうとすると「もうトラックに乗せたから降ろすなら作業費がかかる」と居直られたそうです。
こんな悔しい思いをしないために、プロの視点から「ここだけは見落としてはいけない」というチェックポイントを解説します。
会社の実体と許可証の確認
まず最初に行うべきは、「その会社が本当に存在し、法的に許可されているか」の確認です。
悪徳業者の多くは、トラブルになったときに雲隠れできるよう、所在地をあいまいにしています。ホームページの「会社概要」を見て、住所をGoogleマップで検索してみてください。もしそこがアパートの一室や、実体のないレンタルオフィス、あるいは空き地だったら要注意です。
また、生前整理で家財を買い取ってもらう場合、警察公安委員会が発行する「古物商許可」が必須です。 ホームページのフッター(最下部)や会社概要に、12桁の許可番号が記載されているか必ず確認してください。
警察庁も、無許可業者によるトラブル防止のために、許可業者の確認を強く推奨しています。 参照:警察庁|古物商許可業者一覧(各都道府県警察へのリンク)
見積書は「一式」ではなく「明細」を見る
見積もりを出してもらった時、総額だけを見て「A社よりB社の方が1万円安い!」と判断するのは危険です。 見るべきは金額ではなく「内訳」です。
「作業一式:15万円」としか書かれていない見積書は、トラブルの元凶です。 まともな業者の見積書には、以下のような内訳が細かく記載されています。
- 作業人件費(何人で何時間作業するか)
- 車両費(2トントラック何台分か)
- 廃棄物処分費(自治体の規定に基づく処分料)
- リサイクル家電運搬費
- 養生費
内訳が曖昧だと、作業当日になって「階段作業は別料金です」「エアコン取り外しは含まれていません」と言い逃れされる隙を与えてしまいます。
【お片づけの窓口独自アンケート】
業者選びに失敗したと感じている男女420名に「契約前に確認しておけばよかったと最も後悔している点」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 追加料金が発生する条件を書面で確認しなかった(58%)
- 万が一の破損事故に対する補償内容を聞かなかった(25%)
- 作業スタッフの人数や属性(社員かバイトか)を確認しなかった(12%)
- その他(5%)
※調査期間:2023年5月〜8月 対象:弊社へご相談いただいた、業者トラブル経験者

このアンケート結果からも、「書面での確認不足」が金銭トラブルに直結していることがわかります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

見積もりをもらう際、「もし当日、予想外のことが起きた場合、追加料金がかかるのは具体的にどんなケースですか?」とカマをかけてみてください。ここで口ごもったり、「いやぁ、多分大丈夫ですよ」と適当に答える業者は避けた方が無難です。
スタッフの質=あなたの「思い出」の扱われ方
生前整理は、あなたのプライベート空間の最深部に他人を入れる行為です。だからこそ、スタッフの「質」は何よりも重要です。
これは私の体験談ですが、ある現場で他社さんとバッティングしたことがあります。その業者のスタッフは、依頼主の家の前でタバコを吸い、茶髪にピアスのまま、靴下も履き替えずに畳の部屋に上がろうとしました。 依頼主の顔が恐怖で強張っていたのを覚えています。
現地見積もりには、必ず依頼する本人が立ち会ってください。そして、営業担当者の以下の点をチェックしてください。
- 身だしなみは清潔か(靴下は綺麗か、タバコの臭いはしないか)
- こちらの話を遮らずに最後まで聞くか
- 「捨てる」という言葉ではなく「片付ける」「整理する」という言葉を使っているか
言葉の端々に、その業者が「モノ」をどう見ているかが現れます。
損害賠償保険と女性スタッフ対応
プロといえど人間ですから、作業中に壁を擦ったり、高価な花瓶を割ってしまうリスクはゼロではありません。 そんな時、口約束ではなく「最大○億円の損害賠償保険」に加入している業者であれば、迅速に補償が受けられます。
また、依頼者が女性の場合や、母親の生前整理を行う場合、「下着や衣類の整理を男性スタッフに見られたくない」という悩みは切実です。 配慮のある業者は、女性スタッフのみで構成されたチームを編成したり、デリケートなエリアだけ女性が担当するなどの対応が可能です。
国民生活センターでも、訪問サービスのトラブルに関する注意喚起を行っており、契約内容の確認を徹底するよう呼びかけています。 参照:国民生活センター|訪問購入(押し買い)のトラブル
生前整理は、これからの人生を気持ちよく過ごすための第一歩です。「安さ」につられてストレスを買うようなことだけは避けてください。あなたの思い出を大切にしてくれるパートナーは、必ず見つかります。
間取り・物量別 生前整理の費用相場と内訳

「生前整理を頼みたいけど、いくらかかるか見当もつかない」 「高い見積もりを出されても、それが適正価格なのか分からない」
これは、私が相談を受ける中で最も多く寄せられる不安です。お寿司屋さんなら「時価」と言われても数万円の覚悟で済みますが、家の片付けとなると数十万円単位のお金が動きます。不透明なままで依頼するのはあまりにリスクが高いですよね。
ここでは、私が実際に扱ってきた何百もの現場データと、業界の標準的な価格設定を基に、リアルな「費用相場」とその「内訳」を公開します。
【料金目安表】広さと物量で見る相場
まず知っておいていただきたいのは、料金は「部屋の広さ」だけでなく、「物の量」と「作業人数」で決まるということです。 同じ3LDKでも、ミニマリストのような部屋と、天井まで荷物が積み上がった部屋では、料金は2倍以上変わることもあります。
以下は、生活用品がそのまま残っている一般的な状態を想定した目安です。
| 間取り | 料金相場(税込) | 作業人数 | 所要時間 |
| 1R・1K | 30,000円 〜 80,000円 | 1〜2名 | 2〜4時間 |
| 1DK・2K | 60,000円 〜 150,000円 | 2〜3名 | 3〜6時間 |
| 2DK・2LDK | 120,000円 〜 250,000円 | 3〜4名 | 5〜8時間 |
| 3DK・3LDK以上 | 180,000円 〜 400,000円〜 | 4〜6名 | 1〜2日 |
| 一軒家丸ごと | 250,000円 〜 600,000円〜 | 5名〜 | 2日〜 |
※これらはあくまで目安です。階段作業の有無や駐車場の位置などで変動します。
見積もり金額に含まれる「5つの要素」
なぜこれだけの費用がかかるのか? 内訳を知ることで、提示された見積もりが適正かどうかの判断がつきます。
- 人件費: 仕分け・梱包・搬出を行うスタッフの賃金です。生前整理は「判断」が必要な作業なので、経験豊富なスタッフが必要となり、単純な肉体労働より単価が高くなる傾向があります。
- 車両費: トラックの燃料代や維持費です。2トントラック1台あたり2〜3万円程度が相場です。
- 廃棄物処分費: これが最も大きなウェイトを占めます。家庭ゴミではなく「事業系一般廃棄物」として処理するため、自治体ごとの規定料金(重量課金など)がかかります。
- リサイクル家電処理費: 冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコンの4品目は、家電リサイクル法によりリサイクル料金と収集運搬費が別途必要です。
- 養生・資材費: マンションのエレベーターや廊下を保護するためのシート代や、ダンボール、テープなどの消耗品費です。
参照:経済産業省|家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)
「買取」で費用を安く抑えるテクニック
生前整理において、コストダウンの最大の鍵となるのが「買取(リユース)」です。 私が以前担当した一軒家の現場では、当初の見積もりは35万円でした。しかし、作業を進める中で以下の品物に価値がつきました。
- 古いオーディオ機器(マニア向け):3万円
- 贈答用の未使用食器・タオル類:1万円
- 年式の新しいエアコン2台:4万円
- 趣味の釣り具セット:2万円
- 買取合計:10万円
結果として、請求額は25万円まで下がりました。「こんな古いもの売れるの?」と思うような物でも、海外輸出向けなどで需要があるケースは多々あります。 見積もりの際は、必ず「買取もできる業者」を選ぶか、あるいは専門の買取業者を別で呼ぶことを検討してください。
【お片づけの窓口独自アンケート】
生前整理で「買取サービス」を利用した男女300名に「意外な高値がついた品物」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 壊れた・古いアクセサリーや貴金属(40%)
- 昭和レトロな玩具やフィギュア(25%)
- 使いかけの香水やコスメ(ブランド品)(15%)
- 古いカメラやレンズ(12%)
- その他(8%)
※調査期間:2023年2月〜4月 対象:弊社買取サービス利用者

「金(ゴールド)」や「ブランド品」以外にも、意外なものがお金に変わる可能性があります。自己判断で捨ててしまうのが一番もったいないですよ。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」は必須ですが、単に「総額」だけで比べないでください。「買取査定額」が高くても、「作業費」が不当に高ければ意味がありません。「作業費」と「買取額」を別々に提示してもらい、それぞれの妥当性を比較するのが賢いやり方です。
追加料金が発生するケースに注意
「あとから高額請求された」というトラブルの多くは、事前の確認不足が原因です。以下の条件に当てはまる場合、追加料金が発生する可能性が高いので、必ず見積もり時に申告してください。
- エレベーターなしの階段作業:2階以上の場合、階数ごとに料金が加算されるのが一般的です。
- トラックの横付け不可:玄関先までトラックが入れず、長い距離を手運びする必要がある場合。
- 特殊な家具の解体・吊り下げ:解体しないとドアを通らない大型家具や、窓から吊り下げて搬出する必要があるピアノなど。
- 消臭・特殊清掃:ペットの臭いや、孤独死などで汚染があった場合の特殊な清掃。
これらを隠して安く見積もりを取っても、当日作業が中断するか、追加請求で揉めるだけです。正直に伝えて、正確な見積もりをもらうことが、結果的に一番の節約になります。
生前整理は、一度きりの大きな出費です。だからこそ、「何にお金を払うのか」を納得した上で依頼してください。適正な価格には、それに見合った「安心」と「質」が含まれているものです。
生前整理特有のサービス:財産管理と思い出のケア

「実家を片付けたいけれど、親が『全部大事なものだから触るな』と言って進まない…」
そんな悩みを抱えていませんか? 生前整理が進まない最大の壁は、物理的な量ではなく、ご本人やご家族の「心」の問題です。
一般的な不用品回収業者は「指定されたものを捨てる」のが仕事ですが、生前整理のプロは「残すべきものを見つけ出し、心の整理をつける」のが仕事です。この章では、単なる片付けの枠を超えた、生前整理業者ならではの「ケア」と「サービス」について深掘りします。
「失くした」と思っていた財産が出てくる瞬間
私たちが現場に入って最初に行うのは、ゴミ袋を持って捨てることではありません。「探索」です。
長年住んだ家には、ご本人さえ忘れている「財産」が必ず眠っています。 以前、認知症が進み施設に入居されたお母様の生前整理を担当した時のことです。ご家族は「金目のものなんてないから、全部処分でいい」と仰っていました。
しかし、私たちが衣類のポケットや本のページを一つひとつ確認していくと、古い百科事典の間から、なんと総額80万円分の「へそくり」と、長年行方不明になっていた土地の権利書が出てきたのです。
「まさかこんなところに…!」と驚く息子さんの顔を見て、改めてこの仕事の責任の重さを感じました。プロの業者は、以下のような場所を重点的に捜索します。
- タンスの引き出しの裏側や底
- 衣類のポケット、バッグの内ポケット
- 本やアルバムの間
- 仏壇の引き出しや神棚の奥
重要書類が見つかれば、その後の相続手続きや不動産売却がスムーズに進みます。逆に、これらを誤って捨ててしまうと、再発行に膨大な手間がかかったり、取り返しがつかない事態になります。
法務省でも、遺言書などの重要書類の管理について啓発を行っています。これらが整理の過程で見つかることは、将来の「争族」を防ぐ上でも非常に重要です。 参照:法務省|自筆証書遺言書保管制度
「捨てられない」罪悪感を消す「供養・お焚き上げ」
生前整理で最も手が止まるのが、写真、人形、仏壇、そして故人が愛用していた衣類など、「魂が宿っていそうなもの」です。 これらをゴミ袋に入れるのには、心理的に強い抵抗がありますよね。だからこそ、多くの生前整理業者は寺院や神社と提携し、「供養サービス」を提供しています。
- 合同供養:他の方の遺品と一緒に、僧侶に読経してもらいお焚き上げをする(比較的安価)。
- 訪問供養:僧侶が自宅に来て、仏壇などの魂抜き(閉眼供養)を行う。
「捨てる」のではなく「供養して天に還す」という形をとることで、ご本人の罪悪感が消え、「それなら手放してもいい」と納得していただけるケースが多々あります。
【お片づけの窓口独自アンケート】
生前整理業者に依頼した男女380名に「不用品処分以外で、最も利用して良かったと感じたサービス」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 人形や写真、仏壇などの供養サービス(42%)
- 権利書や通帳、現金の捜索サービス(28%)
- 施設への配送や引越し作業の代行(18%)
- その他(12%)
※調査期間:2023年10月〜12月 対象:弊社利用者への満足度調査

半数近くの方が、物理的な片付けよりも「心のケア」に関わる部分に価値を感じていることがわかります。
施設入居もスムーズに。「引越し×片付け」のワンストップ
生前整理のきっかけとして多いのが「老人ホームや介護施設への転居」です。 通常であれば、「引越し業者」に荷物を運んでもらい、その後に「不用品回収業者」に残ったものを片付けてもらう…という2社とのやり取りが必要です。これは高齢の方や忙しいご家族にとって大きな負担です。
生前整理業者の多くは、この「引越し」と「残置物撤去」をワンストップ(一括)で請け負うことができます。
- メリット1:窓口が一つで済むため、スケジュール調整が楽。
- メリット2:「新居に持っていくもの」と「処分するもの」の選別を、ギリギリまで相談できる。
- メリット3:トータルの費用が割安になることが多い。
私が担当したあるご家族は、このワンストップサービスを利用することで、お母様が施設へ出発する当日の午前中まで愛用の座椅子を使っていただき、出発直後に私たちがそれを回収・清掃するという、ロスタイムのない移行ができました。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

供養サービスを利用する場合は、作業完了後に「供養証明書」を発行してもらえるか確認しましょう。後日、写真付きの証明書が届くことで、「あぁ、ちゃんとお別れできたんだな」と心の区切りがつきますよ。口頭だけで「やっておきます」という業者は避けた方が無難です。
生前整理は、モノを減らすだけの作業ではありません。 隠れていた財産を見つけ出し、執着していたモノを供養で手放し、新しい生活へスムーズに移行する。これら全てをひっくるめてサポートしてくれる業者こそが、あなたの人生のパートナーにふさわしいと言えるでしょう。
問い合わせから作業完了までのフローと所要日数

「業者に頼むといっても、何から始めればいいの?」 「当日は私がずっと見ていないといけないの?」
未知のサービスを利用するとき、具体的な「動き」が見えないと不安ですよね。特に生前整理は、精神的にも肉体的にも負担がかかるイベントです。
ここでは、あなたが少しでもリラックスして当日を迎えられるよう、問い合わせから作業完了までのリアルな流れと、プロだからこそ知る「スムーズに進めるコツ」をお伝えします。
ステップ1:現地見積もり(=相性確認の面接)
電話やメールで問い合わせた後、必ず「現地見積もり」を行います。これは単に荷物の量を測る場ではありません。あなたと業者との「お見合い」の場です。
私が担当したあるお客様は、「散らかった部屋を見せるのが恥ずかしい」と、見積もりの前に3日かけて自分で掃除をしてしまい、過労で倒れてしまいました。 はっきり言います。見積もり前の片付けは一切不要です。 ありのままの状態を見せていただかないと、正確な物量や必要な作業人数が算出できません。
所要時間は30分〜1時間程度です。ここで「このタンスは残したい」「これは探してほしい」という要望をすべて伝えてください。
ステップ2:作業当日までの準備と「保留ボックス」
契約が決まったら、当日までにやるべきことは一つだけ。「絶対に捨ててはいけないもの」を分けておくこと、あるいは「付箋(ふせん)」を貼っておくことです。
ここで有効なのが「保留ボックス」の活用です。 生前整理では「捨てるか残すか、即決できないもの」が山ほど出ます。無理に決めようとすると脳が疲弊し、作業が止まってしまいます。 「迷ったら一旦ここに入れる」という箱(保留ボックス)を用意し、業者が来てもその箱だけは触らないよう指示を出してください。これだけで、当日のストレスが激減します。
ステップ3:作業当日の立ち会いと完了確認
作業当日は、以下の3パターンで対応が分かれます。
- フル立ち会い: 最初から最後まで一緒に作業する(自分のペースで進めたい方向け)
- 要所立ち会い: 開始時と終了時、および判断が必要な時だけ顔を出す(忙しい方向け)
- 完全お任せ: 鍵を預けて、完了報告だけ受ける(遠方にお住まいの方など)
生前整理の場合、私は「2」をおすすめしています。 ずっと現場にいると、舞い上がるホコリや思い出の品が運び出される光景に、精神的に疲れてしまう方が多いからです。信頼できる業者なら、貴重品が出てきた時だけ電話連絡をもらう形でも十分進められます。
作業時間は、2LDK程度のマンションでスタッフ3〜4名が入れば、朝9時に始めて夕方4時には簡易清掃まで完了し、空っぽの状態になります。
【お片づけの窓口独自アンケート】
生前整理業者を利用した男女320名に「作業当日までにやっておけば良かったと後悔していること」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 「絶対に捨てないもの」に印をつけておくこと(45%)
- 近隣住民へ「業者が来ます」と伝えておくこと(25%)
- 何もしなくていいと言われたが、事前に少し捨てすぎて疲れた(20%)
- その他(10%)
※調査期間:2024年2月〜4月 対象:弊社サービス利用者

やはり、事前の「仕分け(意思表示)」がカギとなります。肉体労働は業者に任せ、あなたは「判断」に集中してください。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

作業終了時の「完了確認」は、部屋の中だけでなく「共用部分」も必ずチェックしてください。エレベーターや廊下にゴミが落ちていないか、養生テープの剥がし忘れがないか。ここをしっかりやる業者は本物ですし、近隣トラブルも防げますよ。
トラブル回避のために契約前に確認すべきこと

「急にキャンセルすることになったら、お金はかかる?」 「作業中に隣の家から苦情が来たらどうしよう?」
生前整理は、ご本人の体調急変や、家族間の意見の対立で、急に予定が変わることが珍しくありません。また、集合住宅ならではのトラブルリスクも潜んでいます。
契約書にハンコを押す前に、必ず確認してほしい「防衛策」をまとめました。
キャンセル料の「発生時期」を明確にする
多くのトラブルは「言った、言わない」から始まります。特にキャンセル規定は業者によって千差万別です。
- 良心的な業者: 作業前々日までキャンセル無料、前日50%、当日100%。
- 厳しい業者: 契約した時点でキャンセル料20%発生。
私が知る限り、契約直後からキャンセル料を取る業者は避けた方が賢明です。 「親の体調次第で延期する可能性がある」と正直に伝え、柔軟に対応してくれるか(延期なら手数料なし、など)を確認してください。このやり取りをメールや書面で残しておくことが、あなたの身を守ります。
消費者庁の特定商取引法ガイドでも、訪問販売等におけるクーリング・オフ制度について解説されています。生前整理も契約形態によっては対象となる場合があります。 参照:消費者庁|特定商取引法ガイド
近隣への配慮と「クレーム対応」の責任
作業当日は、トラックの駐車やスタッフの出入り、大きな家具の搬出音などで、少なからず近隣に迷惑をかけます。 この時、万が一苦情が来た場合に「誰が対応するか」を決めておくことが重要です。
ダメな業者は「あ、お客さんの家のことなんで、お客さんが対応してください」と逃げます。 プロの業者は「私たちが作業させていただいておりますので、私たちが説明し、謝罪します」と矢面に立ちます。
事前に「もし近隣から苦情が来たら、現場責任者の方が対応してくれますか?」と聞いてみてください。即答で「はい、任せてください」と言えない業者は、当日あなたを不安にさせるでしょう。
相見積もりでの「他社の悪口」は危険信号
最後に、業者選びの決定打となる「相見積もり」での注意点です。 B社に来てもらった際、「A社さんは〇〇円でした」と伝えると、「あ〜、A社ね。あそこは雑だから安いんですよ」と他社の悪口を言う営業マンがいます。
私の経験上、他社を批判して自社を上げようとする業者は、サービス品質に自信がないことの裏返しです。 本当に良い業者は、「A社さんは確かに安いですね。ただ、うちは清掃の質とスタッフの教育にコストをかけているので、これ以上は下げられませんが、その分絶対に安心させます」と、自社の価値を語ります。
【お片づけの窓口独自アンケート】
生前整理・遺品整理で業者とトラブルになった経験がある男女150名に「トラブルの最大の原因」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- キャンセルや日程変更に伴う違約金の説明不足(35%)
- 近隣住民からの「騒音・駐車」に関する苦情対応(28%)
- 作業範囲の認識違い(頼んだ場所が含まれていなかった)(25%)
- その他(12%)
※調査期間:2023年6月〜12月 対象:消費者センター等への相談経験者含む

【編集長からのワンポイントアドバイス】

マンションにお住まいの場合、管理組合や管理人に「○月○日に片付け業者が入ります」と一本電話を入れておくだけで、当日のトラブル率は激減します。オートロックの解除方法や駐車場所など、事前に指示を仰ぐことで、管理人の心証も良くなりますよ。
編集後記:生前整理は「終わりの準備」ではなく「始まりの合図」

ここまで、業者選びの基準や費用の裏側、トラブル回避術まで、かなり踏み込んだ内容をお伝えしてきました。 これだけの情報を読み進めてくださったあなたは、きっと真剣に「家の片付け」と、そして「ご自身の(あるいは親御さんの)これからの人生」と向き合おうとしているのだと思います。
最後に、あなたにどうしても伝えたいことがあります。
それは、「生前整理は、死ぬための準備ではなく、今日からを最高に生きるための『空間のデトックス』である」ということです。
「もっと早くやればよかった」という言葉の重み
私が現場で最も多く聞く言葉をご存知でしょうか? 「ありがとう」でも「きれいになった」でもありません。
それは、「こんなに気持ちが軽くなるなら、もっと早くやればよかった」という言葉です。
以前、80代の女性のお客様を担当しました。彼女は最初、「生前整理なんて縁起でもない。まだ死なないわよ」と怒っていらっしゃいました。しかし、廊下まで溢れた荷物のせいで転倒し、怪我をされたことをきっかけに、渋々ご依頼いただきました。
作業を終え、床が見え、光が差し込むようになったリビングを見た時、彼女はこう言いました。 「空気がおいしいわね。明日、久しぶりに友人をここにお茶に呼びたいわ」
その瞬間、彼女の表情は「老い支度をする老人」から「生活を楽しむ女性」に戻っていました。 モノの重圧は、私たちが思っている以上に、人の気力を奪います。それを取り除くことは、若返りの薬以上の効果があるのです。
片付けがもたらす「家族関係」の変化
生前整理は、物理的な空間だけでなく、人間関係の風通しも良くします。
「実家に帰るたびに、モノが溢れているのを見てイライラしてしまい、親と喧嘩ばかりしていた」 そんな息子さんが、片付いた実家を見て「これなら孫を連れて泊まりに来れるな」と呟いたのを何度も見てきました。
【お片づけの窓口独自アンケート】
生前整理を完了した60代以上の男女およびその家族280名に「整理後に起きた最もポジティブな変化」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 精神的な不安がなくなり、気持ちが前向きになった(48%)
- 子どもや孫が家に遊びに来る頻度が増えた(30%)
- 家の中で探し物をするストレスが消えた(15%)
- 新しい趣味や旅行にお金と時間を使うようになった(7%)
※調査期間:2024年1月〜3月 対象:弊社にて生前整理を実施したお客様

約半数の方が「メンタル面の改善」を挙げ、3割の方が「家族関係の好転」を実感しています。片付けは、ただ部屋をきれいにするだけでなく、人生の幸福度を底上げする力があるのです。
あなたが踏み出す「最初の小さな一歩」
ここまで読んでも、まだ「業者に電話するのは怖い」「やっぱり面倒だ」と感じているかもしれません。それは当たり前の防衛本能です。
いきなり家全体を片付けようとしなくて大丈夫です。 まずは、「引き出し一つ」から始めてみませんか?
あるいは、気になった業者に「電話で相談だけ」してみるのも立派な一歩です。 「まだ頼むかわからないけど、話だけ聞いてみたい」 そう伝えて、嫌な顔をするような業者は、その時点で候補から外せばいいのです。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

もし業者選びで迷ったら、電話口で「もし大切なものが出てきたら、どう扱ってくれますか?」と聞いてみてください。そこでマニュアル通りの回答ではなく、あなたの不安に寄り添った言葉を返してくれる人こそ、あなたの家の扉を開ける資格がある人です。








