
編集長
私自身、過去に何度も不用品回収サービスに助けられた
元・ヘビーユーザーです。
その実体験から、いざという時に頼れる『利用者目線の情報』をお届けするという
理念を掲げ、実体験に基づいた情報をお届けします!
この記事を監修した人

監修者:中嶋大貴
5年前に遺品整理事業を立ち上げ、現在は全国18拠点の事業者を対象にコンサルティングを行う。
遺品整理、ゴミ屋敷清掃、不用品回収の現場経験が豊富で、各地域の実情に合わせた運営改善・業務効率化の指導に精通している。
現場の実務から業界動向まで幅広く把握しており、専門性を生かした正確で信頼性の高い情報提供を行っている。
こんな人におすすめ
- 大切な親族を亡くし、「いつ片付け始めるのが常識なのか」分からず不安な方
- 賃貸の解約や相続税の申告など、「期限を過ぎると損をする手続き」を知りたい方
- 「まだ早い」「もう遅い」と親族間で意見が割れ、トラブルを避けたいと思っている方
- 悲しみで手につかないが「最低限これだけはやっておくべきこと」を知って安心したい方
この記事でわかること
- 【警告】 1日遅れるだけで借金や無駄な出費(家賃・税金)が発生する「3つの期限」
- 【目安】 世間一般ではいつやっている? 四十九日や一周忌など「4つのタイミング」
- 【判断】 「賃貸」か「持ち家」かによって全く異なる、あなたにとってのベストな開始時期
- 【心理】 「捨てる罪悪感」を「引き継ぐ安心感」に変え、無理なく整理を進める心の持ち方
1. はじめに:遺品整理の時期に「正解」はありませんが「期限」はあります

大切なご家族を亡くされ、まだ悲しみが癒えない中でこのページに辿り着いたことと思います。「いつから始めればいいのか?」という問いに対して、親族の助言やネットの情報がバラバラで、混乱されているのではないでしょうか。
まず、結論から申し上げます。遺品整理を始める時期に、万人に共通するたった一つの正解はありません。
しかし、「絶対に守らなければならない期限(デッドライン)」は存在します。
多くの人がこの「期限」を知らずに、あるいは「まだ先でいい」と感情を優先させてしまった結果、後に金銭的な損失や法的なトラブルに巻き込まれています。ここではまず、経験者が実際にどのような後悔をしているのか、現実を見てみましょう。
【お片づけの窓口独自アンケート】
遺品整理を経験した男女400名に「整理の着手が遅れたことで生じた最大の後悔」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 重要な書類が見つからず、相続手続きの期限ギリギリでパニックになった(45%)
- 空き家の期間が長引き、建物の劣化や害虫被害で修繕費がかさんだ(28%)
- 自身の体力や気力が落ちてしまい、結局業者に全て依頼することになり費用が増えた(18%)
- その他(9%)
※調査期間:2023年9月〜11月 対象:弊社へご相談いただいた遺品整理経験者

「心の時計」と「社会の時計」は進むスピードが違う
遺品整理には、全く異なる2つの「時計」が動いていることを理解してください。
- 心の時計(グリーフケア)
- 悲しみを乗り越え、「そろそろ片付けよう」と思えるようになるまでの時間です。これは個人差が非常に大きく、数ヶ月で前を向ける人もいれば、数年かかる人もいます。ここには期限はありません。
- 社会の時計(法律・経済)
- 相続税の申告、賃貸契約の解除、公共料金の支払いなど、社会的なルールに基づく時間です。ここには明確な期限があり、遅れるとペナルティが発生します。
多くの方が悩むのは、この2つの時計がズレているからです。「気持ちはまだ整理したくない(心の時計)」のに、「役所や大家からは決断を迫られる(社会の時計)」というジレンマです。
このメディアでは、あなたの「心の時計」を大切にしながら、「社会の時計」によるリスクを最小限に抑えるための最適解を提示します。まずは「いつまでに何をしないと損をするのか」を知るだけで、漠然とした不安の9割は解消されます。
参考リンク: 相続などの法的な期限については、法務省や裁判所の公式情報も必ず確認してください。 相続の承認又は放棄の期間の伸長 | 裁判所
【編集長からのワンポイントアドバイス】 今の段階で「全てを片付けなければ」と気負う必要はありません。まずは、期限が決まっている「事務的な整理」と、じっくり向き合うべき「思い出の整理」を分けて考えましょう。ご自身を責めず、まずは知ることから始めてください。それが最初の一歩です。
2. 【最優先】知らないと損をする「期限付き」の遺品整理

「いつやるか」を考える際、最も優先すべきは「期限を過ぎると取り返しがつかないもの」です。ここでは、マズローの欲求段階における「安全の欲求(経済的・法的な安全)」を確保するための、3つの絶対的なリミットについて解説します。
【3ヶ月以内】借金まで引き継がないために(相続放棄の判断)
もし故人に借金があった場合、遺品整理の行動そのものが命取りになる可能性があります。
法律には「相続放棄」という制度があり、これを選択すれば借金を背負わずに済みます。しかし、この判断ができるのは「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」と定められています。
ここで最も注意すべきなのが、「遺品を整理・処分してしまうと、借金も含めて相続することを認めた(単純承認)とみなされる」というリスクです。
- やってはいけないこと: 高価な貴金属を売る、家財道具を勝手に廃棄する、故人の預貯金を解約して使い込む。
- やってもいいこと: 明らかに資産価値のないゴミの処分、保存行為(家の修繕など)。
「とりあえず片付けよう」と善意で行った整理が、法的には「相続する意思表示」と受け取られ、後から発覚した多額の借金を背負うことになるケースは後を絶ちません。
【10ヶ月以内】税金で損をしないために(相続税申告)
故人の遺産総額が基礎控除額を超える場合、「相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」に相続税の申告と納税を行う必要があります。
「うちはそんな大金持ちじゃないから関係ない」と思っていませんか? 不動産(土地・建物)や、タンス預金、株券、価値のわからない骨董品などもすべて遺産に含まれます。
遺品整理における10ヶ月の壁とは、「家の中に何があるかを確定させ、その価値を査定するまでの期限」です。期限ギリギリになって大量の荷物の中から権利書や通帳を探し出すのは至難の業です。申告が遅れると、延滞税などのペナルティが課されるため、資産価値のあるものの仕分けは早急に行う必要があります。
参考リンク: 相続税の申告と納税 | 国税庁
【最短で】無駄な出費を止めるために(賃貸の家賃・サービスの解約)
法的な期限とは別に、「1日遅れるごとに現金が消えていく」という経済的なリミットがあります。特に故人が賃貸物件にお住まいだった場合です。
【お片づけの窓口独自アンケート】
遺品整理を経験した男女380名に「賃貸物件の解約に伴う失敗」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 退去連絡が遅れ、住んでいない翌月分の家賃まで払うことになった(58%)
- 片付けが退去日に間に合わず、延長料金が発生した(25%)
- 急いで処分したため、敷金返還に必要な原状回復の確認が不十分だった(12%)
- その他(5%)
※調査期間:2023年5月〜8月 対象:弊社へご相談いただいた遺品整理経験者

多くの賃貸契約では「解約予告は1ヶ月前(または2ヶ月前)まで」と決められています。遺品整理の着手が遅れると、誰も住んでいない部屋に数ヶ月分の家賃を払い続けることになります。これは最も無駄な出費と言えるでしょう。
また、サブスクリプションサービスや携帯電話料金、光熱費の基本料金も同様です。これらは「手続きをした日」が止まる日ですので、心情的な整理がつかなくても、事務的な解約手続きだけは最短で行うのが鉄則です。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

「3ヶ月」と「10ヶ月」。この数字だけは覚えておいてください。特に「親の財産状況がよくわからない」という場合は、不用意に遺品を捨てる前に、まずは専門家(弁護士や司法書士)へ相談するか、少なくとも金目のものがないかの捜索を最優先してください。「捨てる」のはその後でも間に合います。
3. 【一般的】世間ではいつやるの?よくある4つのタイミング

「いつやるべきか」という問いに対して、法的な期限とは別に、多くの人が選ぶ「社会的なタイミング」が4つあります。これらは「家族が集まりやすい」「区切りが良い」といった理由で選ばれていますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
あなたの状況に当てはめながら、最適なスタート時期を見極めてください。
① 葬儀直後・諸手続きのついで(即日〜1週間)
遠方に住んでいる場合、葬儀のために帰省したタイミングで一気に済ませるケースです。
- メリット:
- 親族全員が揃っているため、形見分けや役割分担の話し合いがスムーズに進む。
- 何度も帰省する交通費や時間を節約できる。
- デメリット:
- 判断力の低下: 葬儀の疲れと悲しみで正常な判断ができず、「捨てなければよかった」と後悔するリスクが最も高い。
- 慌ただしさの中で、重要な書類(保険証券や権利書)を誤って破棄してしまう可能性がある。
② 四十九日の法要後(忌明け)
仏教的な「忌明け」を一つの区切りとして、精神的にも落ち着きを取り戻す頃です。最も一般的なタイミングと言えます。
- メリット:
- 親族が再び集まる機会であり、納骨などで気持ちの切り替えがしやすい。
- 葬儀直後よりも冷静に物事を判断できる。
- デメリット:
- 平日に行う場合、仕事の休みを調整する必要がある。
- 賃貸物件の場合、四十九日を待つと家賃が約2ヶ月分(十数万円〜)余計にかかる。
③ 公的書類の手続き完了後(2週間〜1ヶ月後)
役所への届出や年金の手続きなどが一段落し、「事務的なタスク」が終わってから物理的な片付けに着手するパターンです。
- メリット:
- 重要書類を探し出すストレスから解放された状態で片付けができる。
- 「やるべきこと」が明確になっているため、計画を立てやすい。
- デメリット:
- 手続きが長引くと、ズルズルと着手が遅れ、そのまま空き家化する入り口になりやすい。
④ 実家が空き家になると決まった時(数ヶ月〜数年後)
相続会議の結果、誰も住まないと決まり、売却や解体に向けて動き出すタイミングです。
- メリット:
- 「家を空にする」という明確なゴール(デッドライン)があるため、業者への依頼や大規模な整理が進みやすい。
- デメリット:
- 放置期間が長ければ長いほど、家の資産価値が下がるリスクがある(カビ、害虫、雨漏りなど)。
- 特定空き家に指定されると、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性がある。
参考リンク: 空き家を放置するリスクについては、国土交通省のガイドラインを確認してください。 空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報 | 国土交通省
【編集長からのワンポイントアドバイス】

「四十九日まで待つべき」というのはあくまで慣習であり、ルールではありません。賃貸で家賃が発生しているなら、四十九日を待たずに整理を始めても、故人は決して怒りません。「家賃分のお金を、供養や残された家族のために使う」と考えるのも、立派な親孝行の一つですよ。
4. 【トラブル回避】親族や周囲と揉めないための開始時期

遺品整理は、モノを片付けるだけでなく、「人間関係の整理」でもあります。タイミングを間違えると、長年の親族関係にヒビが入ったり、近隣住民から訴えられたりするトラブルに発展します。
ここでは、「マズローの社会的欲求(所属と愛の欲求)」を脅かすトラブルを未然に防ぐためのポイントを解説します。
「勝手に捨てた」と言われないための事前の合意形成
最も多いトラブルは、親切心で片付けたはずが「泥棒扱い」されるケースです。「ボロボロの着物」が他の兄弟にとっては「母の形見」かもしれません。
【お片づけの窓口独自アンケート】
遺品整理を経験した男女350名に「親族間で揉めた原因」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 相談なく遺品を処分・持ち帰りしたことによる不信感(52%)
- 誰が整理費用を負担するかで揉めた(30%)
- 形見分けの品物に不公平感があった(12%)
- その他(6%)
※調査期間:2023年2月〜4月 対象:弊社へご相談いただいた遺品整理経験者

始める前の「宣言」が重要です。
「〇月〇日に実家の整理に行きます。必要なものがあればそれまでに連絡するか、当日来てください」と、LINEやメールなど形に残る方法で全員に通知しましょう。これが後々の「言った言わない」を防ぐ最強の防衛策です。
形見分けはいつ渡す?失礼にならないマナーと時期
形見分けは、故人が愛用していた品を親しい人に贈り、想いを分かち合う行為です。
- 最適な時期: 一般的には四十九日(忌明け)の後。
- 注意点:
- 相手の負担を考える: 高価すぎるものや、趣味に合わない大きな家具を押し付けるのはNGです。
- 包装はしない: プレゼントではないので、半紙に包む程度にし、のし紙はつけないのがマナーです。
近隣への配慮:空き家の放置で迷惑をかけないためのリミット
実家が持ち家の場合、家の中だけでなく「家の外」にも目を向ける必要があります。近隣住民にとって、隣の家がいつまでも片付かないことは恐怖でしかありません。
- 夏前(5月〜6月まで): 庭の草木が伸び放題になり、害虫(ハチ・蚊)や害獣(ネズミ・ハクビシン)が発生する前に対処が必要です。
- 台風シーズン前(8月まで): 古い物置や瓦が飛んで近隣の家や車を傷つけるリスクがあります。
近隣からのクレームが役所に届くと、行政指導の対象になることもあります。「周りに迷惑をかけない時期」に整理を行うことは、地域社会におけるあなたの評判(承認欲求)を守ることにも繋がります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

親族間のトラブルは、実は「お金」よりも「感情(仲間外れにされた寂しさ)」から来ることが多いものです。「一緒にやろう」と声をかけるだけで、相手は尊重されたと感じ、協力的な態度に変わることがあります。一人で抱え込まず、巻き込んでしまいましょう。
5. 【住居タイプ別】あなたの状況ならいつがベスト?

「遺品整理はいつから?」という問いへの答えは、故人が「どこに住んでいたか」によって180度変わります。
賃貸であれば「1分1秒を争うスピード勝負」ですが、持ち家であれば「じっくり資産価値を見極める長期戦」になります。ご自身の状況に当てはめて、最適なスケジュールを確認してください。
【賃貸物件の場合】家賃発生を止めるのが最優先
故人がアパートやマンション、団地などの賃貸物件にお住まいだった場合、感情の整理よりも「経済的な損切り」を優先せざるを得ません。
解約手続きが完了し、部屋を空っぽにして鍵を返すその日まで、日割り、あるいは月割りで家賃が発生し続けます。
- ベストな時期: 葬儀後、直ちに(または退去予告期限に合わせて最短で)。
- 注意点:
- 連帯保証人になっている場合、滞納家賃や原状回復費用(部屋の修繕費)の支払い義務が発生します。
- 「公営住宅(県営・市営など)」は、民間よりも退去期限が厳格な場合が多いため、管轄の役所へすぐに連絡してください。
参考リンク: 公営住宅の承継や明け渡しに関するルールは自治体によって異なります。 公営住宅の入居者が死亡したとき | 国土交通省 ※上記は一例です。必ず該当自治体のHPをご確認ください。
【持ち家の場合】固定資産税と維持管理のリスク
「持ち家だから家賃もかからないし、いつでもいいや」と放置するのが最も危険です。誰も住まなくなった家は、驚くべきスピードで劣化します。
- ベストな時期:
- 売却予定なら: 四十九日後〜相続登記完了と同時進行で。家の中に物が残っていると内覧(内見)ができず、売却活動がスタートできません。
- 維持するなら: 月に1回は通って換気をする。それができないなら、最初の半年以内に「整理」をして管理しやすい状態にする。
- リスク:
- 特定空き家への指定: 倒壊の恐れや衛生上有害と判断されると、固定資産税の優遇措置が外れ、税金が最大6倍になります。
【同居の場合】生活スペース確保のために少しずつ
あなた自身が故人と同居していた場合、遺品は「生活の一部」としてそこにあり続けます。そのため、急激な変化は大きなストレスになります。
- ベストな時期: 日常生活を取り戻す中で、不便を感じた時。
- 進め方:
- 一度に部屋全体をやるのではなく、「今日はこの棚の1段目だけ」とエリアを区切って進めます。
- 故人の部屋を「開かずの間」にしないよう、定期的に空気の入れ替えだけは行いましょう。
【遠方の場合】週末利用か、業者への一括依頼か
実家が遠方にあり、頻繁に帰れない場合が最も難易度が高いケースです。「交通費」と「時間」のコスト計算が重要になります。
【お片づけの窓口独自アンケート】
遠方の実家を遺品整理した男女350名に「整理完了までにかかった費用の内訳で、最も負担に感じたもの」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 何度も往復するための交通費・宿泊費(48%)
- 不用品回収業者や整理業者への支払い(35%)
- 仕事を休んだことによる収入減・有給消化(12%)
- その他(5%)
※調査期間:2023年10月〜12月 対象:弊社へご相談いただいた遺品整理経験者

「自分たちでやったほうが安く済む」と思いがちですが、数回の帰省にかかる交通費と宿泊費、そして移動の労力を合算すると、実はプロに鍵を預けて一括で依頼したほうが安上がりだった、というケースが半数近くを占めます。
- ベストな時期: まとまった休みが取れる連休、もしくは四十九日で帰省したタイミングに合わせて業者に見積もりを取る。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

遠方にお住まいの方へ。週末のたびに新幹線で帰って片付ける生活は、肉体的にも精神的にもあなたを追い詰めます。「親不孝だと思われないか」と心配して業者利用をためらう方がいますが、あなたが疲弊して倒れてしまうことこそ、故人が最も悲しむことです。お金で「時間」と「健康」を買う決断も、立派な危機管理ですよ。
6. 「まだ早すぎる?」気持ちの整理がつかない方へ

ここまで、期限やお金の話をしてきましたが、それでも「どうしても体が動かない」「遺品を見ると涙が止まらない」という方は大勢いらっしゃいます。
それは、あなたが弱いからではありません。故人への愛情が深かった証拠です。
この章では、無理に急ぐのではなく、あなたの「心のペース」を守りながら、少しずつ前に進むための考え方をお伝えします。
急がなくていいケース:あなたが「待てる」条件
まず、安心してください。以下の条件に当てはまる場合、今すぐ無理に遺品整理をする必要はありません。数年そのままにしていても、誰にも文句を言われる筋合いはないのです。
- 持ち家である(家賃が発生しない)
- 相続税の申告対象ではない(基礎控除内である)
- 近隣に迷惑をかけていない(異臭や害虫、倒壊の危険がない)
この3つが揃っているなら、時間はあなたの味方です。悲しみが少し癒え、「そろそろ部屋を綺麗にしてあげようかな」と自然に思える日が来るのを待つのも、立派な選択肢の一つです。
「捨てる」ではなく「選ぶ」ことから始める
遺品整理が進まない最大の原因は、「親の生きた証をゴミとして捨てる」という罪悪感です。この言葉の呪縛から自分を解き放ちましょう。
遺品整理は「捨てる作業」ではありません。「故人が大切にしていたものの中から、あなたがこれからも大切にしたいものを選び抜く作業(継承)」です。
- × 思考: これを捨てなきゃいけない。
- ○ 思考: これは天国へ持っていってもらおう(処分)、これは私が受け継ごう(形見)。
視点を変えるだけで、それは「冷酷な処分」から「最後の親孝行」へと意味が変わります。
実態調査:みんな、どれくらい時間をかけている?
「いつまでもメソメソしているのは自分だけではないか」と不安に思う必要はありません。実際には、何年もかけてゆっくり整理されている方がたくさんいます。
【お片づけの窓口独自アンケート】
遺品整理を経験した男女350名に「整理を完了させるまでにかかった期間」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 半年〜1年未満(32%)
- 1ヶ月〜半年未満(28%)
- 3年以上かかった、または現在も進行中(22%)
- 1年〜3年未満(18%)
※調査期間:2023年11月〜2024年2月 対象:弊社へご相談いただいた遺品整理経験者

実は、5人に1人以上が3年以上の歳月をかけています。「三回忌までは何もしない」と決めている方もいらっしゃいます。周りと比べる必要はありません。
どうしても辛い時は「難易度の低い場所」から
いきなり「アルバム」や「手紙」、「衣類」などの思い出が詰まった品(センチメンタルアイテム)に手をつけると、感情が揺さぶられ、作業は必ずストップします。
心の負担を減らすには、「感情が入らないモノ」から始めるのが鉄則です。
- レベル1(難易度・低): 明らかなゴミ、使用期限切れの食品、空き瓶、壊れた家電。
- レベル2(難易度・中): 消耗品(洗剤やタオル)、本、食器。
- レベル3(難易度・高): 写真、手紙、日記、愛用していた衣類、コレクション。
まずはレベル1の「明らかなゴミ」だけを袋に詰めてみてください。一部屋の床が見えるようになるだけで、「自分にもできた」という小さな自信が生まれ、心が少し軽くなります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

「整理業者は、ただ部屋を空にするだけの業者ではありません」。 私たちのようなプロは、ご遺族が泣きながら思い出を語る時間に寄り添うことも仕事の一部だと考えています。「一人で向き合うのが怖い」と感じたら、作業を依頼するためではなく、ただ「一緒に背中を押してもらう」ために相談するのも賢い使い方ですよ。
7. まとめ:まずは「期限」の確認から。あなたに合うスケジュールの立て方
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。「遺品整理 いつから」という問いに対する答えは、ご自身の置かれている状況によって全く異なることがお分かりいただけたかと思います。
最後に、あなたが今日からどう動けばいいのか、迷わないための「着手判断ロードマップ」をご用意しました。
他の人がどのようなきっかけで重い腰を上げたのか、実際のデータも参考にしてみてください。
【お片づけの窓口独自アンケート】
遺品整理を経験した男女350名に「整理を始める『最終的なきっかけ(スイッチ)』になった出来事」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 四十九日や一周忌などの法要・集まりに合わせて(38%)
- 行政や不動産会社からの通知・期限の連絡が来た(25%)
- 実家のリフォームや売却、解体の話が出た(20%)
- 自分の気持ちに整理がついた(10%)
- その他(7%)
※調査期間:2024年2月〜4月 対象:弊社へご相談いただいた遺品整理経験者

約4人に1人が、外部からの「通知」や「期限」に追われて慌てて始めています。こうなると精神的な余裕がなくなり、後悔の原因となります。
そうならないために、以下の3ステップで「あなただけのスケジュール」を立ててください。
ステップ1:【赤信号】絶対的な期限をチェックする
まずはカレンダーを確認し、以下の「期限」を書き込んでください。これがあなたの最優先事項です。
- 賃貸の退去期限は?(今月中に解約予告が必要か?)
- 相続放棄の期限は?(死後3ヶ月はいつ来るか?)
- 相続税の申告期限は?(死後10ヶ月はいつ来るか?)
もしこれらが「1ヶ月以内」に迫っているなら、感情の整理は一旦横に置いて、今すぐ業者や専門家に相談してください。ここを逃すと、金銭的・法的な大ダメージを受けます。
ステップ2:【黄信号】家族の合意をとる
法的な緊急性がない場合でも、勝手に進めるのは危険です。
- 「今度の連休に実家の様子を見に行きたいんだけど、どう思う?」
- 「そろそろ、母さんの着物をどうするか話し合わない?」
このように親族に連絡を入れましょう。「全員の合意」が取れた日こそが、あなたにとってのベストな「遺品整理の開始日」です。
ステップ3:【青信号】「心の整理」は期限なし
事務的な手続きや、トラブルになりそうなモノの処分さえ終われば、あとは自由です。
思い出のアルバム、手紙、どうしても捨てられない愛用品。これらは、あなたが「見ても辛くない」と思える日まで、段ボールに入れて保管しておいて構いません。心の整理には、効率も期限も必要ありません。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

遺品整理は、故人との「お別れ」であると同時に、残されたあなたがこれからの人生を軽やかに生きるための「新しいスタート」でもあります。「全部自分でやらなきゃ」と抱え込まず、期限が迫っている事務作業や重たい荷物の運び出しは、私たちのようなプロに任せてください。あなたが笑顔で思い出を語れるようになること。それが、天国の故人が一番望んでいることなんですよ。
この記事を読んだ後にやってほしいこと
今のあなたの不安レベルに合わせて、次のアクションを選んでください。
- 【不安レベル:大】相続や借金が心配、賃貸の家賃がもったいない
- → 今すぐ、遺品整理業者や司法書士へ「無料相談」の電話をかけてください。
- 【不安レベル:中】いつかやらなきゃと思うが、腰が重い
- → 親族のグループLINEに「今度、実家の片付けについて話したい」と一言送ってください。
- 【不安レベル:小】気持ちの整理がつかないだけ
- → 今日は何も捨てなくていいです。故人の好きだったお茶を入れて、ゆっくり思い出に浸ってください。
あなたの遺品整理が、後悔のない、温かい時間になることを心より願っています。
8. 【Q&A】よくある質問と、プロが教える「損をしない」回答

遺品整理の現場では、「こんなこと聞いていいのかな?」と遠慮しながら質問されるお客様が多くいらっしゃいます。 ここでは、特に相談頻度の高い疑問について、建前なしの本音でお答えします。
Q1. 業者に依頼する場合、「安い時期」や「高い時期」はあるのですか?
A. はい、あります。引っ越しシーズンと被る時期は避けるのが賢明です。
遺品整理業界は、引っ越し業界と繁閑の波が連動する傾向にあります。
- 避けるべき時期(繁忙期): 3月〜4月、12月(年末)
- この時期は予約が取りにくく、料金設定が割高になるケースがあります。また、トラックの確保が難しく、希望日に作業できないことも。
- おすすめの時期(閑散期): 1月〜2月、6月〜8月
- この時期は業者のスケジュールに余裕があり、じっくり相談に乗ってもらいやすく、値引き交渉に応じてもらえる可能性も高くなります。
緊急でない場合は、繁忙期を避けて見積もりを取るだけで数万円〜十数万円の節約になることがあります。
Q2. 故人のスマホやパソコン(デジタル遺品)はいつ解約すべき?
A. これだけは「即解約」してはいけません。中身を確認するまで待ってください。
「月額料金がかかるから」と慌てて解約すると、ネット銀行や証券口座のID・パスワードが分からなくなり、資産が凍結される(取り出せなくなる)リスクがあります。
- 確認すべきこと:
- ネット銀行の口座残高はないか?
- 株やFXの取引をしていないか?
- 有料サブスクリプションの契約状況は?
これらを確認し、必要なデータのバックアップを取ってから解約するのが鉄則です。少なくとも四十九日頃までは、契約を残しておくことを強く推奨します。
Q3. 人形や写真など、そのままゴミ袋に入れるのが怖いモノはどうすれば?
A. 無理に捨てる必要はありません。「供養」という形で手放すのが一般的です。
心情的に「ゴミとして燃やす」ことに抵抗がある品物(人形、仏壇、故人が大切にしていた趣味の道具など)は、お寺や神社でお焚き上げをしてもらうか、遺品整理業者の「供養サービス」を利用しましょう。
実際に、多くの方が「捨て方」で悩み、手が止まってしまっています。
【お片づけの窓口独自アンケート】
遺品整理を経験した男女350名に「処分する際に最も心理的な抵抗を感じて手が止まった品目」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 写真・アルバム・手紙(42%)
- 人形・ぬいぐるみ・仏具(35%)
- 故人が愛用していた衣類・布団(15%)
- その他(8%)
※調査期間:2023年6月〜9月 対象:弊社へご相談いただいた遺品整理経験者

多くの業者が、合同供養などのサービスを行っています。「ありがとう」と感謝を伝えてお焚き上げをすることで、罪悪感なく手放すことができます。
Q4. 自分たちでやるのと業者に頼むの、結局どっちが得ですか?
A. 「荷物の量」と「あなたの時給」で判断してください。
- 自分たちでやるべきケース:
- 3DK未満で荷物が少ない。
- 親族が近くに住んでいて、毎週末集まれる。
- 時間と体力に余裕がある。
- 業者に頼むべきケース:
- 大型家具や家電が多い(素人の運び出しは怪我の元です)。
- 実家が遠方で、交通費がかさむ。
- 一軒家丸ごと片付ける必要がある。
一軒家の遺品整理を自分たちだけでやろうとすると、ゴミの分別と搬出だけで数ヶ月〜半年かかります。その間の労力と交通費、処分場への持ち込み手数料を計算すると、業者に一括で頼んだ方が「安くて早い」ケースが大半です。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。 遺品整理に「遅すぎる」ということはあっても、「早すぎる」ということはありません。今日、あなたが「調べてみよう」と思ったその瞬間が、あなたにとってのベストなタイミングの始まりです。 まずは、「いつまでにやらなきゃいけないんだっけ?」と期限を確認すること。それさえできれば、もう半分終わったようなものですよ。焦らず、あなたのペースで進めていってくださいね。








