「粗大ゴミの見積もり」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
「どの業者が安いんだろう?」 「すぐ来てくれる業者はどこだ?」
そう考えて、いきなりスマホで「粗大ゴミ 回収 業者」と検索し、上から順に電話をかけようとしていませんか?
危ない! それ、カモにされますよ。
私自身が数年前の引っ越しで、その「カモ」になるところでした。
知識ゼロで業者に見積もりを依頼し、提示された金額に「そんなものか…」とハンコを押しかけ、友人に止められた苦い経験があります。
なぜ、カモにされるのか?
答えは単純です。あなたが「基準額(ものさし)」を持っていないからです。
この第1章では、あなたが悪徳業者にだまされず、適正な見積もりを判断するために「絶対に必要な知識」、つまり「あなたの基準額」の作り方をお話しします。
1. 「見積もり」の前に:あなたの基準額はいくら?

1.1. 業者の「見積もり」の前に、自治体の「料金表」を見るのが鉄則
業者の「見積もり」を取る前に、私たちが絶対にやらなければいけないことがあります。 それは、*お住まいの市区町村(自治体)の粗大ゴミ料金表を見ること」です。
なぜか? それが、あなたがこれから比較検討する上で、日本で一番安い「最安値(=基準額)」になるからです。
多くの人が、 「自治体は運び出してくれないから、最初から選択肢にない」 と、このステップを飛ばしてしまいます。
ですが、あなたが業者に頼むと決めていても、この「最安値」を知らない限り、業者が提示した見積もり金額が、
- 適正価格なのか?
- ぼったくり価格なのか?
その判断が一切できなくなってしまいます。
まず、敵(?)を知る前に、最強の味方である「自治体の料金」を知る。これが鉄則です。
1.2. 自治体は「見積もり不要」。料金は決まっている(手数料一覧)
「粗大ゴミ 見積もり」で検索している方が、まず誤解しやすいポイントがここです。
- 民間業者: 料金は決まっていない。だから「見積もり」が必要。
- 自治体(行政): 料金はすべて決まっている。だから「見積もり」は不要。
自治体の粗大ゴミは「サービス」ではなく「行政手数料」です。 アイテムごとに、すべて「定価」が決められています。
例えば、 「ソファ(2人掛け):1,200円」 「自転車(16インチ以上):600円」 といった具合です。
調べ方は簡単です。
「[お住まいの市区町村名] 粗大ゴミ 手数料」 と検索すれば、必ず自治体のホームページに料金一覧(手数料一覧)のPDFやページが出てきます。
まずは、あなたが捨てたいモノが、自治体で頼んだらいくらになるのか?
その「最安値」を紙に書き出してみてください。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

「うちの自治体はいくら?」と迷ったら、まずは検索です。例えば「世田谷区 粗大ゴミ 手数料」「大阪市 粗大ゴミ 料金」と検索すれば、必ず公式ページにたどり着きます。その金額こそが、あなたの「ものさし」のスタート地点になります。
【参照リンク】
- お住まいの地域のルール確認(例:東京都新宿区)
- お住まいの地域のルール確認(例:大阪府大阪市)
1.3. 体験談:「ソファ1,200円」という自治体基準を知らないと、業者の「8,000円」が高いか安いか判断不能
これが、私がカモにされかけた時の実話です。
引っ越しで「2人掛けソファ」を捨てたかった私。
当時は「自治体=運び出してくれない=面倒」としか考えておらず、自治体の料金を一切調べませんでした。
そして、業者(A社)を呼び、見積もりをもらいました。
業者A:「ソファですね。運び出しも全部やって、8,000円です」
私は「ソファって大きいし、プロが2人で運ぶなら、そんなものか…」と、完全に納得しかけました。
その時、たまたま電話した友人(引っ越し経験者)にこう言われたのです。
「え? お前、自治体の料金調べた? 俺が住んでる市だと、ソファ1,200円だぞ」
慌てて自分の市のホームページを調べた私。
自治体:「ソファ(2人掛け) 1,200円」
……絶句しました。 8,000円と1,200円。その差額、6,800円。
この「6,800円」という差額こそが、業者が提供する「サービス」の値段だったのです。
- 家の中からの「運び出し」作業費
- 「即日対応」してくれる利便性
- トラックの「運搬費」や「人件費」
私は、この「6,800円のサービス料」を払う価値があるか?という視点で、初めて業者Aを評価することができました。 (※結論、8,000円は高すぎると感じ、その業者はお断りしました)
もし、私が「1,200円」という基準額を知らなかったら…? 間違いなく、言われるがままに8,000円を支払っていたでしょう。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

業者の見積もりが「高い」のではありません。「自治体が安すぎる(=税金で運営されているから)」のです。 業者は営利企業ですから、当然「サービス料(運び出し料や人件費)」が上乗せされます。 大事なのは、その「上乗せ額(差額)」に、あなたが納得できるかどうか。 「1,200円のモノを、6,800円のサービス料を払ってでも運び出してほしいか?」 この「ものさし」を持って、次のステップ(業者の見積もり方法)に進みましょう。
第1章では、業者の見積もりを取る前に、まず「自治体の料金(最安値)」を知り、自分の「基準額」を持つことがいかに重要かをお話ししました。
「ソファ:自治体なら1,200円」
この「ものさし」を手に入れたあなたは、もうむやみに業者の言い値を鵜呑みにするカモではありません。
いよいよ本番です。その「ものさし」を握りしめて、業者との交渉の場に向かいましょう。
第2章では、業者が提示してくる「見積もり方法」の4パターンを解剖します。
これは、どの方法を選ぶかで「金額の正確さ」と「あなたの手間」が全く変わってくる、非常に重要なステップです。
2. 業者の「見積もり方法」4パターン|どれが正解?

「見積もり」と一口に言っても、業者へのコンタクト方法には大きく4つあります。
結論から言うと、「電話見積もり」だけは絶対に避けるべきです。
2.1. 【パターン1】訪問見積もり(一番正確だが、面倒)
これは、業者の担当者が実際にあなたの家に来て、捨てるモノを直接目で見て見積もる方法です。
- メリット
金額の「正確さ」は最強です。 目の前でモノを見てもらい、搬出経路(階段、廊下)も確認してもらうため、作業当日に「話が違う」と追加料金を請求されるリスクがほぼゼロになります。 - デメリット
とにかく面倒。 見知らぬ人を家に入れる抵抗感もありますし、日程を調整する手間もかかります。
体験談:
私が実家の片付けをした時(ゴミが30点以上あった)は、この「訪問見積もり」一択でした。
3社に来てもらい、全員に同じモノを見せて「これで総額いくらですか?」と見積書を出させました。
その場で「このタンス、解体費は入ってますか?」「階段料金は?」と質問攻めにし、「これ以上1円もかかりませんね」と念書(見積書へのサイン)をもらう。
大量に捨てる時、高額になりそうな時は、これが一番確実で、結果的に一番安くなります。
2.2. 【パターン2】LINE・写真見積もり(一番手軽だが、追加料金リスクあり)
今、主流になっている方法です。 スマホで捨てたい粗大ゴミの写真を撮り、LINEやメールで送るだけ。
- メリット: 圧倒的に手軽。家に来てもらう必要がなく、スキマ時間で見積もりが取れます。
- デメリット: 「追加料金」のリスクが最も高い方法です。 なぜなら、写真では「重さ」「材質」「中身」が伝わらないから。 (※この詳細は2.5の体験談で詳しくお話しします)
2.3. 【パターン3】電話見積もり(一番危険。ほぼ100%金額が変わる)
「不用品回収〇〇です! お電話ありがとうございます!」
「あの、ベッドと棚を捨てたいんですが…」
「あ、それなら1万円くらいですね!」 …といったやり取りです。
- メリット: ありません。今すぐやめてください。
- デメリット: 悪徳業者が一番使う手口です。 彼らは、まず電話口で意図的に「安い金額」を伝えて、あなたを安心させます。 そして当日、家に来てから「ああ、このベッドはスプリング入りだから別料金」「この棚は解体が必要だから」と、平気で5倍、10倍の金額を吊り上げてきます。 モノを見ていない状態での見積もりなど、何の効力も持ちません。
2.4. 【パターン4】ネット(フォーム)見積もり
業者のホームページにある「無料お見積もりフォーム」に、品目や住所などを入力する方法です。
- メリット: 24時間いつでも、自分のペースで依頼が出せること。
- デメリット: このフォームだけで「見積もり金額」が確定することは、まずありません。 フォームを送信すると、業者から「ありがとうございます。詳細をお伺いしたいので、お電話いただけますか?」または「正確な金額のために、写真を送ってください」と返信が来ます。 結局は、パターン1(訪問)か2(写真)、あるいは3(電話)に誘導されるための「入り口」でしかありません。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

結局、どの方法がいいのか? 答えは「あなたのゴミの量」で決まります。
- 1~3点程度(棚、椅子など): 「LINE・写真見積もり」が手軽でオススメ。ただし、追加料金のリスクは覚悟する。
- 5点以上、または大型家具(ベッド、タンス、ソファ)がある場合: 面倒でも、絶対に「訪問見積もり」を選んでください。高額になるからこそ、確定金額をもらうべきです。
2.5. 体験談:私がLINE見積もりで「5,000円」と言われ、当日「12,000円」になった理由
これは、私がLINE見積もりを「手軽だ!」と過信して失敗した時の話です。 捨てたかったのは、
- 衣装ケース(プラスチック)5個
- 古いプリンター 1台
- スチール製の小さな棚 1台 でした。
これらを写真に撮り、業者(B社)にLINEで送りました。
業者B:「あ、これくらいなら、全部まとめて5,000円(税別)で大丈夫ですよ!」
「おお、安い!」と喜んだ私。 第1章で調べた自治体料金(合計で2,000円くらい)と比べても、運び出してくれる手間を考えれば「差額3,000円」は妥当だと判断し、即決しました。
そして当日。 来た作業員は、モノを見るなりこう言いました。
作業員:「あー、お客さん。この衣装ケース、中に服が入ったままじゃないですか」
私:「え、あ、はい。これも捨てるので…」
作業員:「それだと『衣装ケース(ガワ)』じゃなくて『中身入りのタンス』扱いになるんですよ。処分費が全然違います」
私:「(え…)」
作業員:「あと、この棚。写真だと木製に見えましたけど、スチール(金属)ですよね? これ、重いから別料金です。プリンターもこの旧型は重いタイプで…」
そう言って提示された「確定料金」は、 「総額 12,000円(税別)」でした。
5,000円が12,000円に。
2倍以上です。 頭が真っ白になりましたが、私はここで第1章の「基準額」を思い出しました。
(自治体なら2,000円…差額は1万円か…)
私は「高いですね。衣装ケースの中身、今から全部出します。棚もスチールだと伝えましたよね?」と食い下がりましたが、相手はプロ。
「いや、写真ではそう見えなかったので」の一点張り。
結局、引っ越しで時間がなかった私は、泣く泣く12,000円を支払いました。
LINEや写真見積もりは、「写真に写らない情報」(重さ、材質、中身、搬出経路)が、すべて「追加料金」のタネになるのです。 この手軽さに潜むリスクを、あなたは絶対に知っておいてください。
第1章で「自治体料金」という最強の「ものさし」を手に入れ、 第2章で「見積もり方法」のメリット・デメリットを知ったあなた。
いよいよ最終関門です。 業者があなたの家にやってきて、目の前で電卓を叩き、一枚の紙(見積書)を差し出してきました。
「はい、全部で〇〇円ですね」
この紙に書かれた数字が、一体どういう根拠で出てきたのか? そして、この数字が「本当に支払う総額」なのか? それを見抜く「目」がなければ、これまでの準備はすべて水の泡です。
第3章では、見積書に書かれた「料金体系」を徹底的に解剖します。ここが、あなたが損をするか、トクをするかの最大の分かれ道です。
3. 見積書の「料金体系」徹底解剖|総額はどこを見る?

3.1. 「単品見積もり」vs「パック見積もり(積み放題)」
業者の見積もりパターンは、大きく分けて2つしかありません。
- ① 単品見積もり
「基本料金 3,000円」+「ソファ 5,000円」+「棚 3,000円」= 合計 11,000円 …というように、1点ずつ料金を積み上げていく明朗会計な方法です。 捨てるモノが1~3点と少ない場合に適しています。 - ② パック見積もり(積み放題)
「軽トラ積み放題パック 15,000円」 「1.5tトラック積み放題パック 40,000円」 …というように、トラックの荷台の容量で料金を決める方法です。 引っ越しなどで、細かいゴミが大量にある場合に適しています。
どちらが良いかは、あなたのゴミの量次第です。 そして、悪質な業者は、あなたにとって「損」になる方を意図的に提案してきます。
3.2. 体験談:ゴミ3点なのに「軽トラパック」で見積もられ、単品計算で反論した話
これは、私が「粗大ゴミの見積もり」というものに少し慣れてきた頃の話です。 捨てたかったのは、
- 中くらいの本棚
- 古いパソコンデスク
- 壊れたオフィスチェア の3点だけでした。
家に来た業者(C社)は、モノを見るなり即答しました。
業者C:「ああ、これ3点ですね。じゃあウチの『軽トラパック』が一番安くて、15,000円(税別)です」
「ん? 3点だけで1万5千円?」 と違和感を覚えた私。
第1章で学んだ「自治体料金」(本棚800円、デスク800円、椅子400円=合計2,000円)という「ものさし」が頭の中で鳴り響きます。
(差額13,000円は、さすがに高すぎる…)
そこで、私はこう切り返しました。
私:「すみません、それ『単品』で計算したら、それぞれいくらですか?」
業者は一瞬イヤな顔をしましたが、しぶしぶ計算を始めました。
業者C:「えーっと…基本料金が3,000円で、本棚が3,000円、デスクが3,000円、チェアが1,500円…合計10,500円(税別)ですね」
はい、その場で4,500円安くなりました。
彼は、明らかに「単品計算」より「パック料金」の方が高くなることを知っていて、私にパックを勧めてきたのです。
私が「単品計算」という知識を持っていなかったら、言われるがまま15,000円を支払っていたでしょう。
あなたの物量が軽トラに乗るくらいかなと思ったらこの記事も一緒にご確認ください
【編集長からのワンポイントアドバイス】

「積み放題パック」という言葉の「お得感」にだまされてはいけません。 捨てるモノが5点以下の場合、ほぼ確実に「単品見積もり」の方が安くなります。 「パック料金」と「単品計算の合計」、両方の見積もりを必ず出させてください。 そして、安い方を選びましょう。これは消費者の当然の権利です。
3.3. 要注意!「見積もり=総額」とは限らない。「追加料金」が発生する全項目
さて、単品計算で10,500円になった私。
「じゃあ、それでお願いします」 と契約しようとした時、第2章の「LINE見積もりで12,000円になった」あの悪夢が蘇りました。
(待てよ、この10,500円が「総額」とは限らない…)
見積書で一番怖いのは、「基本料金」や「パック料金」の横に、小さな文字で「※別途、下記の費用がかかる場合があります」と書かれていることです。
この「下記」こそが、業者が利益を出すための「追加料金」のワナです。
見積もり時に、以下の項目が含まれているか、必ず確認してください。
3.3.1. 階段料金(エレベーターなし)
「エレベーターがない建物の2階以上」の場合にかかる費用です。 相場:1フロアにつき 1,000円~3,000円 もしあなたが4階に住んでいたら、これだけで3,000円~9,000円が上乗せされる可能性があります。
3.3.2. 解体作業費(ベッド、大型棚)
「そのままでは部屋から運び出せない」モノ(ベッド、大型タンス、婚礼家具など)を解体する費用です。
相場:1点につき 3,000円~8,000円 「ベッド 5,000円」の見積もりが、当日「解体費 5,000円が追加です」と言われ、実質10,000円になるケースは非常に多いです。
3.3.3. 作業員追加費
「見積もりは作業員1名」の前提になっていることがあります。
しかし、冷蔵庫やソファなど、一人で運べないモノは当然2人必要です。
相場:作業員1名追加につき 5,000円~10,000円 「これは一人じゃ無理なんで、応援呼びますね(追加5,000円です)」と当日に言われるワナです。
3.3.4. 駐車料金、出張費など
- 出張費: 「基本料金」とは別に、あなたの家に行くまでの「ガソリン代・高速代」として請求されることがあります。
- 駐車料金: トラックを停めるスペースがなく、コインパーキングを使った場合、その「実費」を請求されることがあります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

この恐ろしい「追加料金」のワナを回避する、魔法の質問があります。 見積もり担当者に、見積書を指差しながら、こう言ってください。
「この金額は『総額コミコミ』ですか? 当日、これ以外に1円でも追加で請求される可能性はありますか?」
そして、もし担当者が「これ以上かかりません」と言ったら、 「じゃあ、この見積書の余白に『追加料金一切なし』と一筆書いて、サインください」 とお願いしましょう。 ここで渋る業者は、間違いなく当日何かを請求してきます。その業者とは契約してはいけません。
【参照リンク】
- 国民生活センター:不用品回収サービスのトラブル-「無料」のはずが高額請求に!
- https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen254.html
- (※「見積もりになかった高額な追加料金」に関するトラブル事例が多数掲載されています)
第1章から第3章まで、お疲れさまでした。 あなたは今、
- 自治体料金という「基準額(ものさし)」
- 見積もり方法(訪問、LINE等)の「特徴」
- 見積書の「追加料金」というワナ
これらを見抜くための、ほぼ全ての「知識」を身につけました。
しかし、知識は「使う」ことで初めて「武器」になります。 第4章は、その武器を手に、どうやって悪徳業者と「戦い」、自分の身を守るかという、最も重要な「実践テクニック」です。
私が過去に「7万円」と「4万円」という恐怖の見積もりを体験した話も交えながら、あなたが絶対に損をしないための「行動」を具体的にお教えします。
4. 悪徳業者を「見積もり」で見抜く実践テクニック

4.1. 「相見積もりは必須。最低3社取るべき理由
「相見積もり」とは、複数の業者に同じ内容で見積もりを依頼し、比較することです。 もし、あなたが「粗大ゴミの見積もり」で絶対に失敗したくないなら、
なぜか? 粗大ゴミ回収には「定価」が存在しないからです。 業者の言い値が、そのまま「料金」になります。
「面倒だから、最初に来た業者でいいや」
これは、**「私は相場を知りません。どうぞ、あなたの好きな金額を請求してください」**と言っているのと同じです。
では、なぜ「3社」なのか?
- 1社目: 比較対象がないため、その金額が「高い」のか「安い」のか、全く判断できません。
- 2社目: 初めて「比較」ができます。どちらが安いかが分かります。
- 3社目: 2社だけだと「高い方」と「安い方」しか分かりません。3社目を取ることで、初めて「業界の適正な相場」が見えてきます。
A社が7万、B社が6万8千円なら、それが相場かもしれません。 A社が7万、B社が4万、C社が4万2千円なら、「4万円前後が相場」で「A社がぼったくり」だと断言できます。
この「相場感」を持つことこそが、相見積もりの最大の目的なのです。
悪徳業者の見抜き方はこちらの記事をご覧ください
4.2. 体験談:1社目「7万円」、2社目「4万円」だった恐怖
これは、私が実家の片付け(2tトラックが必要な量)で、初めて「訪問見積もり」を依頼した時の実話です。
まず、ネットで検索して一番上に出てきた、雰囲気の良さそうなA社に来てもらいました。 担当者は一通り家の中を見ると、電卓を叩いてこう言いました。
A社:「うーん、これ全部だと、7万円(税別)ですね」
7万円。 知識がなかった当時の私は、「家一軒分だし、そんなものか…」と、その金額を半分受け入れかけていました。 しかし、念のため「検討します」と帰ってもらい、次に、地域密着型っぽいB社に見積もりを依頼しました。
B社の担当者も、A社と全く同じモノ(同じゴミの山)を見て、こう言いました。
B社:「全部やりますよ。うちは、4万円(税別)でいけます」
……私は、耳を疑いました。 7万円と4万円。その差、3万円。
この時、私が感じたのは「B社が安い!」という喜びではありません。 「もしA社で契約していたら、私は3万円をドブに捨てていた」 という「恐怖」でした。
この3万円の差は、作業内容の差ではありません。 A社が、私の「無知」につけこんで上乗せした「利益」です。
もし、私が面倒くさがってA社だけで決めていたら…? ぞっとします。 この体験以来、私はどんな見積もりでも、最低3社は取ることを心に誓いました。
【集長からのワンポイントアドバイス】

「相見積もり」を依頼する時は、全業者に「他社さんにも見積もりをお願いしています」と堂々と伝えましょう。 業者は「比較されている」と分かると、他社に負けないよう、最初から「勝負できる金額(=適正価格)」を出してきやすくなります。 後ろめたく思う必要は一切ありません。これは、賢い消費者になるための第一歩です。
4.3. 見積もり時の「キラークエスチョン」5選
業者を目の前にした時、ただ見積書を受け取るだけではいけません。 こちらから「質問」を投げかけることで、相手が「誠実な業者」か「ぼったくり業者」かを見抜くことができます。
私が実際に使っている「キラークエスチョン(必殺の質問)」を5つ伝授します。 これにスラスラ答えられない業者は、信用してはいけません。
質問1:「この金額は『総額コミコミ』ですか? 当日、これ以外に1円でも請求される可能性はありますか?」 (第3章の復習です。これが一番重要。「追加料金一切なし」と一筆もらえれば最強です)
質問2:「この見積もり金額の『内訳』を教えてください」 (「全部で4万円」ではなく、「基本料金」「作業費」「品目代」「解体費」など、内訳を明確に説明できるかを見ます。内訳を言えない「どんぶり勘定」の業者は危険です)
質問3:「御社は『一般廃棄物』か『古物商』の許可をお持ちですか? 番号を教えてください」 (これが「身分証」の提示です。許可がないのは違法・無許可業者です。「え? ああ、ありますよ…」と言葉を濁す業者は、100%持っていません)
質問4.:「(見積書を見て)この『ベッド』の料金には、解体作業費と、3階からの階段運び出し料金も含まれていますか?」 (「パック料金」の場合に特に有効です。料金に「どこまでの作業が含まれているか」を、相手の口から言質(げんち)を取るための質問です)
質問5:「もし、当日までにゴミが少し増えたら(減ったら)、金額はどうなりますか?」 (「増えたら1点〇円追加」「減っても金額は変わらない」など、イレギュラーな事態への対応(料金の透明性)を確認できます)
4.4. 「無料回収」は見積もりゼロ円。一番危険なワナ
最後に、見積もりにおける「最大のワナ」をお伝えします。 それは、町を軽トラで巡回している「無料回収」業者です。
「見積もり」をお願いすると、彼らはこう言います。 「見積もり? ああ、回収は『無料』だから、見積もりも何もゼロ円ですよ!」
これこそが、一番高くつく「見積もりゼロ円」のワナです。
彼らの手口は決まっています。 あなたが「無料なら」と安心してトラックに粗大ゴミを積ませたとたん、彼らは態度を変えます。
「はい、回収は『無料』ね」 「でも、運搬費と、トラックに乗せる作業費で、3万円かかります」
もうトラックに積まれてしまった後では、あなたは「高い!」と断ることができません。 断れば「じゃあ下ろすから、下ろす作業費で1万円払え」と言われるだけです。
「見積もり」とは、「作業の総額」を書面で約束することです。 「無料」という言葉で「見積もり」そのものを省略しようとする業者は、消費者庁や国民生活センターが最も強く警告している悪徳業者です。絶対に、絶対に、関わってはいけません。
【参照リンク】
- 環境省:無許可の回収業者を利用しないでください!
- https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html
- (※「無料」をうたい文句にする業者への注意喚起)
第4章まで、本当にお疲れさまでした。 あなたは今、
- 自治体料金という「基準額」
- 見積もり方法の「特徴」
- 見積書の「追加料金」のワナ
- 「相見積もり」という最強の「武器」
これらをすべて手に入れ、「7万円」とふっかけてきたA社を断り、「4万円」という適正価格を出してくれたB社と向き合っている状態です。
しかし、戦いはまだ終わっていません。 「4万円か…適正価格なのは分かった。でも、ここから、もう少し安くならないか?」 そう考えるのが、賢い消費者です。
最終章となる第5章は、その適正価格(とあなたが思った金額)から、さらに1円でも安くするための「裏ワザ(=交渉術)」を伝授します。 これは、知っているか知らないかで、あなたの最終的な支払額が数千円、いや数万円変わる可能性のある、非常に強力なテクニックです。
5. 【裏ワザ】見積もり金額を「安く」する方法

5.1. 「処分(ゴミ)」見積もりを「買取」見積もりに変える
見積もりの際、私たちは無意識に、家にあるものすべてを「ゴミ(=処分対象)」として指差してしまいます。 これが、損の始まりです。
「処分(マイナス)」と「買取(プラス)」は、全くの別物です。 優良な業者の多くは、「不用品回収(一般廃棄物や産業廃棄物の許可)」と同時に、「古物商(こぶつしょう)の許可」を持っています。 「古物商」とは、中古品を買い取るための免許です。
彼らは「ゴミを捨てるプロ」であると同時に、「価値ある中古品を見つけるプロ」でもあるのです。
見積もりの際、こう聞いてみてください。 「これらは処分してほしいのですが、この中で『買い取れる』モノはありますか?」
この一言で、見積もりの流れが「処分(支払い)」一辺倒から、「買取(相殺)」へと変わります。
- 製造から5年以内の家電(冷蔵庫、洗濯機、テレビ)
- ブランド家具
- 趣味の道具(オーディオ、楽器、カメラ)
これらは「ゴミ」ではなく「有価物」として、見積もり金額から差し引いてもらえる(相殺してもらえる)可能性が非常に高いです。
5.2. 体験談:ゴミだと思っていた古い家電に値段がつき、見積もり額から引いてもらえた話
これは、まさに私が実家の片付けで「4万円」の見積もり(第4章のB社)をもらった時の話です。
そのゴミの山の中に、父が昔使っていた、ホコリまみれの古いオーディオアンプ(コンポ)がありました。
私:「あ、これもゴミです。重いから持ってってください」
B社担当者:「…お客さん、これ、〇〇(メーカー名)の✕✕っていうモデルですね。壊れてます?」
私:「たぶん。もう10年動かしてないですし。ゴミですよね?」
B社担当者:「いや、これはマニアに需要があるんですよ。壊れてても『部品』が欲しい人がいる。うちで修理もできるんで… これ、3,000円で『買取』しますよ」
私は、耳を疑いました。 自治体に出せば「金属ゴミ」か「粗大ゴミ(400円)」として「お金を払う」ものだと思っていたからです。
B社担当者:「というわけで、さっきの見積もり40,000円から、アンプ買取3,000円を引いて、お支払いは『総額37,000円』です」
3,000円。 金額の大小ではありません。
「マイナス」が「プラス」に変わった。
「お金を払う」対象が「お金を生む」対象に変わった。
この「逆転」こそが、買取見積もりの最大のメリットです。
あなたはゴミだと思っていても、プロから見れば「お宝」が眠っているかもしれません。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

第4章で「許可証」の確認を勧めましたが、この「買取」は、「古物商許可」を持っている業者にしかできません。 見積もり時に「古物商の許可、持ってますか?」と聞き、「うちは『処分』専門で、買取はやってないんですよ」と答える業者は、この「相殺(そうさい)」のワザが使えません。 どうせ頼むなら、「処分」と「買取」を両方やってくれる業者に見積もりを頼むのが、一番賢い選択です。
【参照リンク】
- 警視庁:古物商許可について(古物営業法)
- https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/index.html
- (※中古品の売買に必要な許可についての公的説明です)
5.3. 見積もりを頼む前に「捨てるモノ」を減らす(自治体・ジモティーの活用)
これが、見積もり金額を安くするための「最強の裏ワザ」です。
業者の「積み放題パック」などの見積もりは、「ゴミの総量」で決まります。
つまり、見積もり当日に、ゴミが少なければ少ないほど、見積もり金額は劇的に安くなります。
スーパーで例えるなら、カートに山ほど商品を入れたまま「安くして!」と交渉するのが「買取(5.1)」です。 それよりも、「本当に必要なもの(=業者にしか頼めないもの)」だけをカートに入れる方が、支払う金額が安くなるのは当たり前ですよね。
見積もり業者を呼ぶのは「最後の最後」にしてください。 その前に、やるべきことが2つあります。
- ① 自治体で捨てられるモノは、自分で捨てる
あなたが捨てたいモノの中に、「自分で運べるモノ」はありませんか? 衣装ケース、扇風機、カーペット、小さな棚…。 これらを業者の「積み放題パック」の「カサ増し」に使われるのは、本当にもったいない。 私が実家の片付けをした時、この「自分で運べる小物類」を先に自治体(合計2,000円程度)で捨てておきました。 もしアレを業者に任せていたら、間違いなく「軽トラパック(15,000円)」が追加で必要になっていたでしょう。 - ② 「0円」でも、もらってくれる人を探す(ジモティーなど)
「売る(買取)」ほどではない。でも「捨てる(処分)」にはもったいない。 そんなモノは、ネットの地域掲示板(ジモティーなど)で「0円で譲ります(取りに来れる方限定)」と出品します。 (例:まだ使えるけど古い自転車、ノーブランドのソファ、食器棚など) 業者の見積もりで2,000円かかると言われた自転車が、「0円」で誰かの手に渡れば、あなたは実質2,000円トクしたことになります。
この①と②の「仕分け」を徹底的に行ったあと、 あなたの家に残るのは、
- 解体できないベッド
- エレベーターなし3階から運べないタンス
- 自治体が回収しない家電 といった、「プロにしか頼めない、どうしようもないモノ(=ラスボス)」だけのはずです。
業者に見積もりしてもらうのは、この「ラスボス」だけでいいんです。
ゴミの総量が半分になれば、見積もり金額も半分近くになる。 これが、一番確実で、一番効果のある「安くする方法」です。
おわりに
最後までこの記事にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
「粗大ゴミの見積もり」
この記事を読み始める前、あなたは「一体いくらかかるんだろう?」「電話したら、しつこく営業されるんじゃないか?」「だまされたらどうしよう?」と、得体の知れない不安を感じていたかもしれません。
しかし、第1章から第5章まで読み終えた今、あなたの手には何がありますか?
- 自治体料金という、交渉の土台となる「基準額(ものさし)」
- 業者の料金体系(単品・パック)や、「追加料金」というワナの知識
- 1社目「7万円」、2社目「4万円」の恐怖を回避する、「相見積もり」という最強の武器
- そして、見積もり金額をさらに安くする「買取」や「事前の仕分け」という交渉術
もう、あなたは業者の言い値を鵜呑みにする、かつての私のような「カモ」ではありません。
提示された見積書を冷静に分析し、それが「適正価格」なのか、「ぼったくり」なのかを判断できる「賢い消費者」になっているはずです。
「粗大ゴミの見積もり」とは、単に安さを競わせるゲームではありません。
あなたが「運び出し」や「即日対応」といったサービスに対し、納得して対価(お金)を支払えるかどうか、その「価値」を見極める作業です。
あの日、私が「7万円」と「4万円」の差額(3万円)に震えたのは、それがまさに私の「無知」の代償だったからです。
知識は、あなたの大切なお金と時間を守る「盾」になります。
面倒くさがらず、まず自治体の料金を調べ、最低3社に見積もりを依頼する。 その行動こそが、あなたを悪徳業者から守り、数万円単位の節約につながる唯一の道です。
粗大ゴミの処分は、単なる「片付け」ではありません。
部屋と心をスッキリさせ、新しい生活をスタートさせるための大切な「儀式」です。
あなたの「見積もり」が成功し、最小限のストレスと費用で、最高の「スッキリ」を手に入れられることを、心から応援しています。









