
編集長
私自身、過去に何度も不用品回収サービスに助けられた
元・ヘビーユーザーです。
その実体験から、いざという時に頼れる『利用者目線の情報』をお届けするという
理念を掲げ、実体験に基づいた情報をお届けします!
【根本ルール】家庭ごみとの決定的な違い
「事業系粗大ごみ」
このキーワードで今、スマホを握りしめているあなたは、きっとこんな状況のはずです。
「事務所の古い椅子、家庭ごみと同じようにシール貼って出せばいいか」
「あれ?でも待てよ、これって『事業ごみ』になるのか?」
「だとしたら、どうやって捨てるんだ…?」
その感覚、痛いほどわかります。 私も昔、個人事業主として独立したての頃、まさにこれで大失敗しました。
キャスターが壊れたオフィスチェア。
「まだ使えるけど、買い替えるか」と軽い気持ちで、家庭ごみと同じ感覚で、コンビニで500円の「粗大ごみ処理券」を買って貼り、朝の収集場所に出したんです。
結果ですか?
夕方、仕事を終えて帰宅すると、そこに見事に残っていました。 そして、あの赤い「警告シール」が冷たく貼り付けられて。
「事業系のゴミは回収できません」
あの時の恥ずかしさと焦り。「じゃあ、どうしろと!?」と途方に暮れたあの感覚が、この記事を書く原点です。
あなたが二度と同じ失敗をしないよう、まずは「なぜダメなのか」という根本ルールから徹底解説します。ここが全てのスタートラインです。
併せてこちらの記事もご覧いただくとより理解が深まります!
1-1. なぜ自治体(市・区)は回収してくれないのか?

結論から言います。
「法律で、事業者のごみは事業者が自分で処理しなさい」と決まっているからです。
私たち国民が払っている住民税などで行われている自治体のごみ収集(例:横浜市、大阪市、福岡市など)は、あくまで「家庭での日常生活」を支えるためのインフラサービスです。
一方、ビジネス(事業活動)で出たごみは、そのビジネスで利益を上げる過程で出たもの。 だから、その処理コストも「利益を出した事業者自身が負担すべき」というのが、法律の考え方なんです。
これを「排出事業者責任」と言います。
難しく聞こえますが、要は 「仕事で出たごみは、仕事として、自分で責任持ってお金払って処理してね」 という、シンプルなルールです。
だから自治体は、「それは家庭ごみじゃないので、私たちの仕事(サービス)ではありません」というスタンスなのです。
【参照】排出事業者責任とは 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)の第3条で定められています。事業者(個人事業主も含む)の責任が明記されています。 (環境省:排出事業者責任の概要)
1-2. なぜ家庭用の「粗大ごみ処理券(シール)」が使えないのか?
これも理由は同じです。
あのコンビニなどで買う「粗大ごみ処理券(シール)」は、「家庭ごみ処理サービス」の利用券です。
自動販売機でジュースを買うのと同じで、「家庭ごみ」というサービスを受けるためのお金(手数料)を自治体に払っているに過ぎません。
当然、その利用券は「事業系ごみ」の処理には使えません。
私が警告シールを貼られたのは、言ってみれば「電車の切符でバスに乗ろうとした」ようなもの。
ルール違反だったわけです。
「数百円で捨てられる」という家庭ごみの甘い感覚は、事業系ごみの世界では一切通用しない。 まず、この現実を受け止めることがスタートラインです。
1-3. 「事業系ごみ」と見なされる基準(例:自宅兼事務所の椅子)
ここが一番、モヤモヤするところですよね。
「うちは法人じゃない、個人事業主だ」
「自宅兼事務所(SOHO)でやってるんだけど」
この場合、ごみの分類はどうなるのか。 基準は驚くほどシンプルです。
「その粗大ごみが、事業活動(仕事)で使われたかどうか」
これだけです。 法人が使おうが、個人事業主が使おうが、関係ありません。
【具体的な切り分け事例】
- 生活で使っていたソファ → 家庭ごみ(自治体が回収OK)
- 事務所の「来客用」だったソファ → 事業系ごみ
- 自宅兼事務所で、「仕事専用」で使っていた椅子 → 事業系ごみ
- (仕事とは関係なく)プライベートで使っていた椅子 → 家庭ごみ(自治体が回収OK)
- 店舗の看板、棚、パーテーション → 事業系ごみ
つまり、自宅兼事務所の場合、同じ家から出たごみでも「これは家庭ごみ」「これは事業系ごみ」と、自分で仕分けする責任があるのです。
【編集長からのワンポイントアドバイス 】

「バレなきゃいい」は絶対にダメです。
家庭ごみに混ぜて出す「ごみの中に、伝票や名刺が1枚でも入っていたら?」…そこから排出者が特定され、不法投棄として厳しい指導、最悪の場合は罰則(懲役や罰金)の対象になります。
ビジネス(事業)として出すごみは、ルールもコストも「ビジネス」として処理する。この意識の切り替えが何より重要です。
さて、第1章では「なぜ家庭ごみと違うのか」を解説しました。 続く第2章では、いよいよ本題。
「じゃあ、このやっかいな事業系粗大ごみは、具体的にどう捨てればいいのか?」
その最大の関門である「ごみの分類」について、日本一わかりやすく解説していきます。
【捨て方】最大の関門!「一般廃棄物」か「産業廃棄物」か

第1章で「自治体は回収してくれない」という現実がわかりました。 では、次にあなたが取るべき行動は「捨てるための業者を探す」ことです。
ですが、ここで最大の落とし穴が待っています。
「事業系粗大ごみ 業者」と検索しても、どの業者に頼めばいいかサッパリわからないのです。 なぜなら、捨てる粗大ごみの「材質」によって、頼むべき業者が法律で完全に分かれているからです。
私も、あの警告シールを貼られたオフィスチェア(金属とプラスチックの塊)をどう捨てればいいか、区役所の清掃課に電話して聞きました。
私:「事業系の椅子は、どう捨てれば…」
担当者:「その椅子は、主に何でできていますか?」
私:「え? 金属の脚とプラスチックの背もたれですが…」
担当者:「ああ、それなら『産業廃棄物』ですね。区では一切関与できません。ご自身で『産業廃棄物処理業』の許可を持つ業者を探してください」
私:「もし、これが木製の椅子だったら?」 担当者:「それなら『事業系一般廃棄物』なので、区が許可した業者(※後述)をご紹介できます」
……衝撃でした。 捨てるモノの材質によって、自治体の対応(管轄)も、頼むべき業者も、根こそぎ変わってしまう。 これが「事業系ごみ」の最大の関門です。
2-1. 材質(木製か、金属・プラ製か)で変わる「分類」
まず、あなたの捨てたい「粗大ごみ」が、どちらに分類されるか確認してください。
ここを間違うと、スタートラインにも立てません。
(※厳密には業種などでも変わりますが、ここでは一般的なオフィスや店舗を想定します)
(1) 事業系「一般」廃棄物
ざっくり言えば「事業系のごみだけど、産業廃棄物 以外 のもの」です。
<粗大ごみの例>
- 木製の机、本棚、椅子
- 布製のソファ、カーペット
- (飲食店から出る)残飯、生ごみ
- 紙くず(リサイクルできないもの)
(2) 「産業」廃棄物(さんぱい)
法律で定められた20種類のごみです。事業活動(仕事)で使ったら、即「産業廃棄物(通称:産廃)」になります。
<粗大ごみの例>
- 金属製のロッカー、スチール棚、オフィスチェアの脚
- プラスチック製の椅子、衣装ケース、パーテーション
- ガラス製のテーブル、ショーケース
- (その他)コンクリート片、ゴムくず など
つまり、あなたの捨てたい粗大ごみが、 木製・布製なら → 一般廃棄物
金属・プラ・ガラス製なら → 産業廃棄物 となる可能性が極めて高いです。
2-2. 頼むべき業者の「許可」の違い
分類がわかったら、次は「許可」を持つ業者を探します。 この「許可」が、家庭ごみでいうところの「自治体(市・区)」の代わりです。
(「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要なモノ)
- 対象: 事業系「一般」廃棄物(あの木製の机など)
- 許可者: 市町村長(例:大阪市長、横浜市長)
- 探し方: 自治体(市や区)のウェブサイトで「事業系一般廃棄物 許可業者」などと検索すれば、許可業者の一覧(リスト)がPDFなどで必ず公開されています。 そのリストから選んで電話します。
(「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要なモノ)
- 対象: 「産業」廃棄物(あのスチール棚やプラ椅子など)
- 許可者: 都道府県知事(例:東京都知事、大阪府知事)
- 探し方: こちらは自治体は一覧をくれません(管轄外だから)。 ネットで「(地域名) 産業廃棄物 収集運搬」などで検索し、業者のウェブサイトで「産業廃棄物収集運搬業許可(〇〇県知事 第XXXXX号)」と明記されているか確認します。
2-3. 両方の材質が「混在」している場合、どこに頼むか
これが、オフィスの引っ越しや閉鎖で一番困るパターンです。
「捨てたいのは、木製の机(一般)と、スチール棚(産廃)だ!」
この場合、どうすればいいか?
答え:両方の許可を持っている業者を探す
面倒ですが、これしかありません。 「一般廃棄物」の許可(市町村)と「産業廃棄物」の許可(都道府県)の両方を持っている、腕利きの中間処理業者や大手運搬業者がいます。
そういう業者なら、電話一本で「あ、木製の机とスチール棚ですね。両方いけますよ」と、トラック1台で合法的に引き取ってくれます。
2-4. 自分で「処理施設」に持ち込む場合
「業者に頼むと高い。自分で捨てに行けないか?」 これも当然、考えますよね。
結論、「一般廃棄物」なら可能だが、「産業廃棄物」は非常に困難です。
- 一般廃棄物(木製の机など)の場合
自治体の「清掃工場(ごみ処理センター)」に、自分で車で持ち込めます。 ただし、家庭ごみとは入口も料金も別です。 事前に電話予約し、「事業者である証明(名刺や開業届など)」を見せ、重さ(例:10kgあたり〇〇円)で料金を払う必要があります。 - 産業廃棄物(スチール棚など)の場合
自治体の清掃工場は絶対に受け入れません。 持ち込む先は、民間の「産業廃棄物 中間処理施設」となります。 しかし、こうした施設はBtoB(業者間取引)が基本。個人事業主が「スチール棚1個」を持ち込んでも、契約や手続き(マニフェスト等)が煩雑で、まず断られるケースが多いです。
さて、第2章で「誰に頼むか(許可)」が明確になりました。 しかし、「事業系粗大ごみ」の悩みはまだあります。
「わかった。じゃあ、このクソ重い金庫は、誰が部屋から運び出すんだ?」
続く第3章では、こうした「粗大」だからこその物理的な問題を解決します。
【物理的な問題】「粗大」だからこその悩み
第2章で、捨てる粗大ごみの「材質」によって、頼むべき「許可」業者が違う、という最大の関門をクリアしました。
「よし、ウチのスチール棚は『産業廃棄物』だな!」
「この木製デスクは『一般廃棄物』の業者リストから探そう!」
と、電話をかける準備ができたあなた。 しかし、そこでふと、目の前の「ブツ」を見て、新たな絶望感が襲ってきませんか?
「…で、このクソ重いスチール棚、誰が3階から降ろすんだ?」
「このL字デスク、デカすぎて部屋のドアから出ないぞ…」
そう。「粗大ごみ」は、「ごみ」である以前に「粗大(=デカくて重い)」のです。 家庭ごみなら「自分で収集場所まで運ぶ」のが当たり前。
しかし、事業系の、しかも業務用の重量物となれば話は別です。 この「物理的な問題」こそが、事業系粗大ごみの第二の関門です。
3-1. 運び出せない(重い・大きい)モノの搬出作業は誰がやるか
結論から言います。 「見積もり次第で、業者が全部やってくれます」
家庭の粗大ごみは「玄関先まで」が基本ですが、事業系ごみの収集運搬業者は「プロの運搬業者」でもあります。
私も、事務所移転で一番ビビったのが「業務用複合機(リース返却)」と「スチール製のキャビネット2台」の搬出でした。 事務所はエレベーターなしの2階。
「まさか自分で運べとか言わないよな…」
恐る恐る、第2章で調べた「産業廃棄物収集運搬業」の許可を持つ業者に見積もりを依頼しました。 すると、見積書にはこうありました。
- スチールキャビネット(産廃): 〇〇円(重量計算)
- 収集運搬費: 〇〇円
- 搬出作業費(2名・階段作業): 〇〇円
そう。「搬出作業費」が、ごみ処理代とは別にしっかり計上されていました。
一瞬「高っ!」と思いましたが、これをケチって素人(私とスタッフ)で運び出し、ギックリ腰になったり、ビルの壁を傷つけたりするリスクを考えたら、プロに任せる一択でした。
当日は、作業員2名が「養生(ようじょう)」と呼ばれる保護マットを壁に貼り、あっという間に運び出してくれました。
捨てるモノが重い・大きい・運び出しが困難な場合、見積もり時に必ず「部屋の中まで取りに来てもらえるか」「搬出作業費は含まれているか」を確認してください。
3-2. 大きすぎて出せないモノの「解体」は必要か
次にぶつかる壁が「解体」です。 特に店舗やオフィスの「パーテーション」や「大型のL字デスク」は、まずドアを通りません。
「自分でバラさないとダメなのか?」
結論は、「基本は業者に任せる(相談する)」が正解です。
理由は3つあります。
- 素人の解体は危険
業務用の什器(じゅうき)は頑丈です。素人がハンマーやドライバーで挑んでも、ネジが固着していたり、構造が複雑だったりで、まず無理です。倒壊して怪我をするリスクもあります。 - 解体しても「ごみ」は「ごみ」
苦労してバラバラにしても、その「金属片」や「木くず」は、結局「産業廃棄物」または「事業系一般廃棄物」です。処理の責任から逃れられるわけではありません。 - 業者は「解体」もセットで受けてくれる
プロの業者は、解体作業(彼らは「バラし」と呼びます)も専門です。専用工具で安全かつ迅速に解体し、そのまま運び出してくれます。
もちろん、見積もりには「解体作業費」が乗ります。 もし費用を少しでも浮かせたいなら、「自分でどこまで解体すれば安くなるか?」を見積もり時に相談してみるのも手です。
相場を知りたい方はこちらの記事をご覧ください
3-3. 注意点:「無許可」の回収業者(巡回トラック等)はなぜ危険か
第2章でも触れましたが、この「物理的な問題(重い・デカい)」が、私たち事業者の心の隙を生みます。
「運び出しも解体も面倒だ…」
「正規の業者に見積もったら高かった…」
そんな時、軽トラックで巡回してくる「無料回収」や、ネットの「格安回収」業者が魅力的に見えてしまいます。
しかし、絶対にダメです。
彼らが「無許可」だった場合、あなたがビジネス生命を失うリスクがあります。 なぜ危険か、そのメカニズムを解説します。
- なぜ安い? → 正規の処理をしないから
彼らが格安(あるいは無料)なのは、集めた粗大ごみを、法律で定められた「最終処分場」へ運ばないからです。正規の処理費用(数万円〜)を払いたくないのです。 - どこへ行く? → 不法投棄
彼らの多くは、人目につかない山中や空き地に、集めたごみをそのまま捨てます(=不法投棄)。 - どうなる? → あなたが罰せられる
もし不法投棄されたごみの中から、あなたの会社の伝票や名刺が1枚でも見つかったら? 警察や行政は、ごみを捨てた実行犯(回収業者)だけでなく、「その業者にごみを渡したあなた(排出事業者)」を特定します。
廃棄物処理法では、無許可業者にごみを渡すこと自体が「委託基準違反」という犯罪です。 知らなかった、では済みません。
【参照】不法投棄と排出事業者責任
廃棄物処理法では、不法投棄(第16条)だけでなく、無許可業者への委託(第12条第5項違反)にも厳しい罰則(5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、または併科)が定められています。 (環境省:廃棄物処理法(罰則))
【編集長からのワンポイントアドバイス 】

軽トラックが「ご家庭の不用品」とアナウンスしているからといって、「事業系ごみ」を渡してはいけません。彼らは「事業系ごみ」(特に産廃)の許可はまず持っていません。
家庭ごみの無許可回収とはワケが違います。「排出事業者責任」という重い十字架を背負っていることを絶対に忘れないでください。正規業者に払う「搬出費」や「解体費」は、あなたのビジネスを守るための「保険料」です。
さて、これで「捨て方(許可)」と「運び方(物理)」の問題が解決しました。 最後に残るのは、もちろん「お金」の話です。
家庭ごみとは次元が違う「料金」の現実。 続く第4章で、そのギャップと相場について解説します。
【費用】家庭ごみとの料金ギャップ

さて、これまでの章で、
- ルール(自治体は不可)
- 捨て方(一般/産廃の許可業者)
- 運び方(搬出・解体)
が、すべてクリアになりました。
最後に残る、最も重く、最も知りたくない、しかし知らなければならない現実。
「で、結局いくらかかるんだ?」
という「費用」の問題です。
私(編集長)があの時、警告シールを貼られたオフィスチェア1脚。
家庭ごみなら500円のシールで済むはずでした。
しかし、第2章で学んだ通り「産業廃棄物」と判明したため、正規の産廃業者に見積もりを依頼しました。
送られてきた見積書を見て、私は椅子から転げ落ちそうになりました。
「合計: 9,500円(税抜)」
……は? 500円じゃないの?
9,500円? ほぼ1万円じゃないか。
新しい椅子が買える値段です。
この「数百円」と「数千円〜数万円」という恐ろしいまでの料金ギャップ。
これこそが、事業系粗大ごみの最後の関門です。
なぜこんなに高額になるのか、そのカラクリを徹底解説します。
4-1. 料金の決まり方(「1点ごと」か「重さ・体積」か)
まず、家庭ごみの「1点〇〇円(シール代)」という感覚を、今すぐ捨ててください。
あれは、自治体による「住民サービス」価格です。
事業系ごみの料金は、厳格な「ビジネスコスト」として算出されます。
主な算出方法は以下の2つです。
(1) 重さ(kg)で決まる
「事業系一般廃棄物」(あの木製デスクなど)を、自治体の清掃工場に自分で持ち込む場合や、許可業者に回収してもらう場合に多いパターンです。
(例:東京都23区の清掃工場への持込料金)
- 1kgあたり 17.5円
※令和5(2023)年10月1日改定後の料金
もし20kgの木製棚なら、17.5円 x 20kg = 350円(処理費のみ)
これに業者の「運搬費」が加わります。
(2) 体積または 重さ(kg)で決まる
「産業廃棄物」(あのスチール棚など)で主流の計算方法です。
産廃業者は、ごみの種類(金属くず、廃プラスチック類など)ごとに、体積(立法メートル)または重量(kg)の単価を決めています。
(例:産廃業者の見積もり)
- 金属くず: 〇〇円
- 廃プラスチック: 〇〇円 / kg
これに、「収集運搬費」と「搬出作業費(第3章)」がドカンと乗ります。
私が9,500円になったカラクリは、まさにこれでした。
4-2. 家庭ごみ(数百円)と比べた料金相場
あのオフィスチェア1脚(9,500円)の見積もり内訳は、おおむね以下の通りでした。
- ① 産廃処理費(金属・プラ混合): 500円
(これはごみ本体の処分費。案外安い) - ② 収集運搬費(基本料金): 5,000円
(トラック1台をあなたの事務所まで往復させる費用) - ③ 搬出作業費(1名): 4,000円
(ドライバーが部屋に入り、椅子を運び出す人件費) - 合計: 9,500円
もうお分かりですね。
事業系ごみの費用とは、「ごみ本体の処理費」よりも、「それを運ぶトラック代と人件費」が大部分を占めるのです。
家庭ごみ(500円)がいかに住民サービスとして優遇されているか、痛感する瞬間です。
【参照】事業系ごみの処理手数料
各自治体が、清掃工場への「一般廃棄物」持込料金を定めています。これが処理費用の最低ラインの目安になります。
4-3. 「1点だけ」捨てたい場合の費用(スポット回収の基本料金)
これが、あなたが今まさに直面している悩みでしょう。
「たった1脚の椅子」のために、1万円近く払うのか?と。
残念ながら、答えは「YES」です。
なぜなら、あなたが頼んでいるのは「ごみ処理」であると同時に、「運送業」だからです。
考えてみてください。
あなたが引越し業者に「椅子1脚だけ運んで」と頼んだら、どうでしょう?
「基本料金で1万円です」と言われても、まあ納得しますよね。
トラックを1台動かし、人を1人派遣すれば、それだけのコストがかかるからです。
事業系粗大ごみのスポット(1回限り)回収も、これと全く同じです。
業者は「椅子1脚」のためにトラックを出動させます。
だから、どうしても「基本料金」や「最低出張費」が発生します。
(相場感)
- 最低でも 5,000円 ~ 15,000円 は覚悟する。
(※距離や搬出難易度、産廃か一般廃棄物かで変動)
「高すぎる!」と思うなら、対策は2つ。
- 自分で処理施設に持ち込む
(第2章の通り「一般廃棄物」なら清掃工場に持ち込める。産廃は困難) - ある程度の量がたまるまで待つ
「椅子1脚」も「椅子5脚+机2台」も、トラック1台の運搬費はさほど変わりません。どうせ基本料金がかかるなら、まとめて捨てた方が圧倒的にコストパフォーマンスは良くなります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

高いからこそ、「相見積もり」は絶対に取るべきです。
ただし、第3章で警告した通り、「安さ」だけで選ぶのは最悪の選択です。
見積もりを取る際は、
- 「許可証(一般 or 産廃)」のコピーをもらう
- 料金の内訳(①処理費、②運搬費、③作業費)が明確か
を必ず確認してください。
「全部コミコミで〇〇円です!」という業者は危険信号。不法投棄のリスクを避けるためにも、内訳をしっかり出す誠実な業者を選びましょう。
【まとめ】「事業系粗大ごみ」は、家庭ごみの常識が一切通じない世界
全4章、お疲れ様でした。
ここまで読み切ったあなたは、もう「事業系粗大ごみ」で途方に暮れることはありません。
「事業系粗大ごみ」は、私たちが慣れ親しんだ「家庭ごみ」とは、ルールも、捨て方も、料金も、すべてが異なる異世界です。
「仕事で出たごみは、仕事として、法律とコスト意識を持って処理する」
この「排出事業者責任」という意識さえ持てば、もう大丈夫。
警告シールを貼られたあの日の私のように、恥ずかしい思いをすることはありません。
法律を守り、適正な業者に、適正な費用を払って、堂々と処理してください。
それが、あなたのビジネスを守ることに直結するのです。
最後に皆さんが疑問に持っているであろうご質問に答えて終わりにします!
「事業系粗大ごみ」Q&A
本編(全4章)で解説した内容について、特に重要なポイントをQ&A形式でまとめました。 「もう一度、要点だけ確認したい」という方は、ここだけ読んでおさえてください。
Q1. なぜ、コンビニで買う「粗大ごみ処理券(シール)」が使えないの?
A. あれは「家庭ごみサービス」の利用券だからです。
自治体(市・区)のごみ収集は、住民税などでまかなわれる「家庭生活」のためのサービスです。 一方、法律(廃棄物処理法)で、事業活動(ビジネス)で出たごみは、「事業者自身が責任を持って処理しなさい(排出事業者責任)」と定められています。
電車の切符でバスに乗れないのと同じで、家庭ごみ用のシールを事業系ごみに使うことはできません。
Q2. 自宅兼事務所(個人事業主)です。仕事で使った椅子はどっち?
A. 「事業系ごみ」です。
法人か個人事業主かは関係ありません。 その椅子を「事業活動(仕事)で使った」時点で、それは家庭ごみではなく「事業系ごみ」として分類されます。
プライベートで使っていた椅子なら「家庭ごみ」、仕事部屋で使っていた椅子なら「事業系ごみ」として、ご自身で仕分ける必要があります。
Q3. 「一般廃棄物」と「産業廃棄物」が、よくわかりません。
A. 捨てる粗大ごみの「材質」で判断します。
非常にざっくりとした分け方ですが、これが一番の近道です。
- 事業系「一般」廃棄物
- 例:木製の机、布製のソファなど
- 許可:市町村(例:〇〇市長)の許可業者
- 「産業」廃棄物(産廃)
- 例:金属製のスチール棚、プラスチック製の椅子、ガラス製品など
- 許可:都道府県(例:〇〇県知事)の許可業者
捨てるモノの材質に合った「許可証」を持つ業者に依頼しなければ、法律違反になります。
Q4. 椅子1脚なのに、見積もりが1万円を超えました。高すぎませんか?
A. それが「事業系ごみ」の相場です。ご安心ください。
私も編集長も、最初は椅子1脚で9,500円の見積もりに驚きました。 家庭ごみの「数百円」という感覚は忘れてください。
料金の大部分は、ごみ本体の処理費(数百円程度)ではなく、
- 収集運搬費(トラックをあなたの所まで往復させる費用)
- 搬出作業費(部屋から運び出す人件費) です。
引越し業者に「椅子1脚運んで」と頼むのと同じで、「基本料金」がかかるのは当然、とご理解ください。
Q5. 重い金庫や棚、部屋から運び出せません。どうすれば?
A. 見積もり時に必ず「搬出作業もお願いしたい」と伝えてください。
正規の業者は「運搬のプロ」でもあります。 エレベーターの有無、階段作業、解体作業の必要性などを事前に伝えれば、すべて含んだ見積もりを出してくれます。
もちろん「搬出作業費」「解体費」として料金はかかりますが、怪我や建物を傷つけるリスクを考えれば、プロに任せるのが最善です。
Q6. 街を巡回している「無料回収」のトラックに頼むのはダメですか?
A. 絶対にダメです。あなたのビジネスが終わるリスクがあります。
彼らのほとんどは、事業系ごみ(特に産廃)を運ぶ「許可」を持っていません。 もしあなたが無許可業者にごみを渡し、その業者が山中などに「不法投棄」した場合、ごみを渡したあなた(排出事業者)も、法律で厳しく罰せられます。(廃棄物処理法違反)
「数百円」をケチる家庭ごみの感覚で、数百万の罰金や信用の失墜というリスクを負ってはいけません。必ず「許可証」を持つ正規の業者に依頼してください。








