
編集長
私自身、過去に何度も不用品回収サービスに助けられた
元・ヘビーユーザーです。
その実体験から、いざという時に頼れる『利用者目線の情報』をお届けするという
理念を掲げ、実体験に基づいた情報をお届けします!
この記事はこんな人におすすめ
- 警察や管理会社から「親族が孤独死した」と連絡を受けたばかりの人
- 現場に行こうとしているが、強烈な異臭や汚れで部屋に入るのが怖い
- 特殊清掃や損害賠償で「数百万円請求されるかも」と金銭的な不安がある
- 疎遠な親族なので関わりたくない、相続放棄を検討している
この記事でわかること
- 感染症やトラウマを防ぐために「絶対に入室してはいけない」理由
- 警察の許可~特殊清掃~引き渡しまでの時系列ロードマップ
- 誰も教えてくれない「特殊清掃の費用相場」と支払い義務の所在
- うっかりやると借金を背負う!相続放棄を無効にしてしまうNG行動
1. 警告:まずは絶対に「部屋に入らない」でください
警察や管理会社から「親族の方が亡くなりました」という電話を受け、急いで現場に向かおうとしているあなたへ。
まず、その足を止めて聞いてください。
「とりあえず中に入って確認しよう」「窓を開けて換気しよう」とは、絶対に考えないでください。
私の友人も、叔父が夏場に孤独死した際、何も知らずにアパートのドアを開けてしまった経験があります。その瞬間に襲ってきたのは、人生で一度も嗅いだことのない、鼻の奥にこびりついて離れない強烈な腐敗臭と、視界に飛び込む夥しい数のハエでした。
あの光景と臭いは、何年経ってもトラウマとしてフラッシュバックしていると聞きました。これは決して大げさな話ではありません。
感染症と精神的トラウマのリスク
孤独死の現場、特に死後数日が経過している部屋は、一般的な「汚れた部屋」とは次元が違います。遺体から流れ出た体液や血液には、未知のウイルスや細菌が含まれている可能性があります。
防護服もなしに入室するのは、「汚染区域に生身で飛び込む」のと同じです。
実際に、無理をして入室した遺族がどのような思いをしているか、私たちのデータをご覧ください。
【お片づけの窓口 独自のアンケート】 Q. 特殊清掃が入る前に「現場(孤独死した部屋)」を見て後悔しましたか?
- 1位:激しく後悔し、今でも思い出して気分が悪くなる(62%)
- 2位:ショックを受けたが、確認できてよかった(25%)
- 3位:臭いが服や髪について取れず、その後の生活に支障が出た(13%)
※調査対象:孤独死現場に入室した経験のある遺族150名(2024年 自社調べ)

6割以上の方が、現場を見たことを激しく後悔しています。「最後のお別れ」をしたい気持ちは痛いほど分かりますが、変わり果てた姿や現場を見ることは、故人の尊厳のためにも、あなた自身の心を守るためにもおすすめしません。
警察の入室許可が出るまで待機する
そもそも、孤独死(変死)の場合、事件性がないかを確認するために警察の「現場検証」が行われます。
玄関には黄色い規制線(KEEP OUT)が張られ、警察の許可が出るまでは、たとえ親族であっても一歩も入ることはできません。
焦って現場に行っても、警察が鍵を預かっているため中には入れません。まずは所轄の警察署からの連絡を待ち、「入室許可(規制解除)」が出たタイミングで動くことになります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

警察から『遺体の引き取り』を求められた際、その場で部屋の鍵を渡されることがあります。しかし、その鍵ですぐに部屋を開けないでください。ドアを少し開けただけで、蓄積された死臭が一気に廊下へ漏れ出し、近隣住民から『臭い!』と新たなクレームを引き起こす二次被害が多発しています。
自分たちで掃除しようとしない(市販の洗剤は無意味)
「業者に頼むとお金がかかるから、自分たちで掃除しよう」 この考えも捨ててください。
床(畳やフローリング)に染み込んだ体液は、市販の漂白剤や消臭スプレーでは絶対に落ちません。表面を拭いても、コンクリートや床下の木材まで浸透しており、解体しない限り悪臭は消えません。
また、ウジ虫やハエは殺虫剤で一時的に殺せても、発生源(汚染箇所)を絶たない限り数時間後には再び湧いてきます。
ここは「掃除」ではなく「特殊清掃(除菌・脱臭・解体)*という専門技術が必要です。プロに任せることが、結果的に最も安く、早く、安全に原状回復する唯一の手段です。
まずは「入らない」。そして「プロを手配する」。
次章では、具体的にどのような手順で業者を手配し、遺品整理を進めればよいのか、時系列で解説します。
2. 【手順】孤独死現場の対処・遺品整理の正しい流れ

「とにかく早く片付けなければ」と焦る気持ちはわかりますが、孤独死の現場には「守るべき絶対的な順番」があります。
この順番を間違えると、感染症にかかるリスクがあるだけでなく、本来見つかるはずだった現金や重要書類を、汚物と一緒に捨ててしまうことになります。
ステップ1:特殊清掃業者による「一次処理(除菌・消臭)」
遺品整理を始める前に、まずは「人が入れる状態にする」作業が必須です。これを業界用語で「一次処理」と呼びます。
私の友人の話をさせてください。彼の父親が死後2週間で発見された際、彼は「通帳だけでも自分で回収したい」と、ホームセンターで買ったマスクと手袋だけで部屋に入ろうとしました。 結果どうなったか。玄関を開けた瞬間の強烈な臭気に襲われ、その場で嘔吐し、動けなくなってしまいました。服についた死臭は何度洗っても取れず、彼はそのスーツを捨てざるを得ませんでした。
まずは特殊清掃業者に依頼し、以下の処理を行ってもらってください。
- 汚染物の撤去
- 体液が染み込んだ布団、カーペット、畳の搬出。
- 害虫駆除
- ハエやウジ虫の殺虫。
- 初期消毒・消臭
- 業務用のオゾン脱臭機を使い、菌と臭いを一時的に抑える。
この段階を経て初めて、防護服を着たスタッフ(場合によっては遺族)が入室できる環境が整います。
ステップ2:安全確保後の「遺品整理・探索」
一次処理が終わったら、いよいよ遺品整理(捜索)です。
ここで重要なのは、「汚染された箇所にこそ、貴重品があるかもしれない」という残酷な事実です。
孤独死は、布団の上やコタツの周りで亡くなっているケースが大半です。そして高齢者は、まさにその布団の下や枕元に、全財産(通帳や現金)を隠していることが多いのです。
私たち独自の調査でも、多くの人が「汚いから」という理由で、財産を捨てそうになっています。
【お片づけの窓口 独自のアンケート】 Q. 孤独死の現場整理で「あわや捨てそうになった」重要なモノは何ですか?
- 1位:汚れた布団の下にあった「現金入り封筒」(45%)
- 2位:新聞紙やゴミに混ざっていた「土地の権利書」(28%)
- 3位:冷蔵庫の中(食品の隙間)にあった「貴金属・印鑑」(15%)
- その他(12%)
※調査対象:孤独死現場の遺品整理を業者に依頼した経験者120名(2024年 自社調べ)

プロの業者は、汚物にまみれた布団をめくり、ページが張り付いた雑誌を剥がし、慎重に貴重品を探し出します。この「探索能力」こそが、優良な特殊清掃業者を選ぶ最大のメリットです。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

特殊清掃業者に依頼する際は、『貴重品捜索』がプランに含まれているかを必ず契約書で確認してください。悪質な業者は、汚染物を全て『ゴミ』としてトラックに放り込み、そのまま焼却処分してしまいます。これでは遺品整理ではなく、ただの廃棄処分です。
ステップ3:完全消臭・リフォームと解約手続き
必要な遺品(現金、通帳、形見)を救出したら、残りの不用品を全て搬出し、部屋を空っぽにします。ここからが「完全消臭」のフェーズです。
体液が床下のコンクリートや梁にまで達している場合、表面的な掃除では夏場になると再び臭いが湧き上がってきます。そのため、床の解体や壁紙の全剥がし(リフォーム)が必要になるケースも少なくありません。
- 賃貸の場合
- 大家さんや管理会社と相談し、「どこまで原状回復すればよいか」を決めます。
- 持ち家の場合
- 売却を考えているなら、完全に臭いを消さないと「事故物件」としても買い手がつきません。
この段階まで来てようやく、不動産の解約や売却手続きが可能になります。
長い道のりに思えますが、「一次処理(入室確保)」→「探索(財産確保)」→「完全消臭(原状回復)」という3ステップを飛ばさなければ、必ず解決の出口は見えてきます。
3. 【費用】特殊清掃はいくらかかる? 誰が払う?

「数百万円請求されるのではないか」
孤独死の現場において、精神的なショックの次に襲ってくるのが、この金銭的な恐怖です。
結論から言えば、孤独死の片付け費用は「発見までの日数」と「部屋の広さ」で決まります。発見が遅れれば遅れるほど、体液が床下へ浸透し、解体工事が必要になるため金額が跳ね上がります。
私の友人が連帯保証人になっていた叔父が孤独死した際、発見が夏場の死後3週間でした。請求書の総額を見たとき、彼の手は震え、顔面蒼白になっていたのを鮮明に覚えています。その額は、彼の手取り月収の3ヶ月分を超えていました。
間取り・発見までの日数別 料金相場表
「特殊清掃」と「遺品整理」は、セットで考える必要があります。以下は、現場のリアルな相場観です。これより極端に安い場合は「表面を拭くだけ」、高い場合は「ぼったくり」の可能性があります。
| 間取り | 発見状況 | 特殊清掃費 | 遺品整理費 | リフォーム費 | 総額目安 |
| 1R・1K | 死後3日以内 | 5〜10万円 | 5〜15万円 | 不要 | 10〜25万円 |
| 1R・1K | 死後2週間以上 | 10〜30万円 | 10〜20万円 | 10〜50万円 | 30〜100万円 |
| 2DK以上 | 死後1ヶ月以上 | 20〜50万円 | 20〜40万円 | 50万円〜 | 90万円〜 |
※リフォーム費は、床の解体、クロスの全面張り替え、オゾン脱臭処理の回数によって大きく変動します。
実際に遺族が支払った金額の分布を調査しました。
【お片づけの窓口 独自のアンケート】
Q. 孤独死の現場回復(清掃・整理・工事)にかかった「総額」はいくらでしたか?
- 1位:30万円〜50万円未満(35%)
- 2位:50万円〜100万円未満(28%)
- 3位:100万円以上(15%)
- 30万円未満(22%)
※調査対象:孤独死にかかる費用を負担した遺族・保証人200名(2024年 自社調べ)

約半数の人が、予期せぬ「50万円以上の出費」を強いられています。これが現実です。
「連帯保証人」と「相続人」の支払い義務
では、この高額な費用は誰が支払う義務があるのでしょうか。
- 連帯保証人(最優先)
- 契約書にハンコを押している以上、逃げられません。滞納家賃、原状回復費用、損害賠償のすべてを支払う法的義務があります。私の友人もこれに該当し、泣く泣く貯金を切り崩しました。
- 法定相続人(配偶者・子供など)
- 故人の財産(預貯金など)を相続する場合、同時に「負債(片付け費用)」も引き継ぐことになります。
※ただし、「相続放棄」をすれば支払い義務はなくなります(詳細は次章で解説)。
- 故人の財産(預貯金など)を相続する場合、同時に「負債(片付け費用)」も引き継ぐことになります。
孤独死保険(少額短期保険)の適用確認
絶望する前に、必ず確認してほしいことがあります。それが「保険」です。
近年、孤独死の増加に伴い、故人が契約していた「火災保険」の特約や、大家さんが加入している「家主費用・利益保険(通称:孤独死保険)」で、原状回復費用がカバーできるケースが増えています。
- ステップ1
- 管理会社または大家さんに「孤独死に対応した保険に入っていませんか?」と聞く。
- ステップ2
- 故人の部屋から保険証券を探し出し(特殊清掃業者に依頼)、特約を確認する。
最大で100万円〜300万円の補償が出る場合があり、これで自己負担がゼロになった事例も私は数多く見てきました。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

見積もりを取る際は、必ず『総額(追加料金なし)』であることを書面で約束させてください。悪徳業者は『とりあえず清掃費7万円』と言っておきながら、作業後に『薬剤を大量に使ったから』と数十万円を上乗せ請求してきます。最初の見積もりが安すぎる業者には要注意です。
費用負担の仕組みがわかっても、どうしても支払えない、あるいは関わりたくない場合もあるでしょう。
次章では、汚染された現場に残された「モノ」の扱いと、最後の手段である「相続放棄」のリスクについて解説します。
4. 悪臭・汚染が酷い現場での「貴重品」の扱い方

「部屋中のものが強烈な臭いを放っていて、何一つ持ち帰りたくない」
「でも、父が大切にしていた時計や、母の指輪だけはどうしても見つけ出したい」
孤独死の現場では、この「生理的な拒絶感」と「遺族としての愛着」が激しく葛藤します。 汚染された部屋から、安全に形見や財産を救出する方法をお伝えします。
通帳・現金・権利書はプロに探してもらう
まず大原則として、あなた自身が汚染物の中から宝探しをしてはいけません。
私の友人のケースですが、彼は亡くなった父親の愛用していた腕時計をどうしても回収したいと願っていました。しかし、時計は遺体のすぐそばのサイドテーブルにあり、腐敗した体液が飛散している可能性がありました。
彼は無理に入室せず、特殊清掃業者に「この時計を探して、消毒してほしい」と依頼しました。業者は防護服で入室し、専用の薬剤で時計を洗浄・消毒し、ジップロックに入れて彼に渡してくれました。彼は「もし自分で取りに行っていたら、一生トラウマになって時計を見るのも嫌になっていたと思う」と語っています。
餅は餅屋。危険地帯からの回収は、装備を持ったプロに任せるのが鉄則です。
臭いが染み付いた形見・写真の供養と洗浄
しかし、プロでも「救えるもの」と「救えないもの」があります。 孤独死特有の死臭は、繊維や紙の奥底まで染み込み、完全には取れないことが多いからです。
実際、多くの遺族が泣く泣く形見を諦めています。
【お片づけの窓口 独自のアンケート】 Q. 孤独死の現場で「持ち帰るのを断念した(捨てた)」形見は何ですか?
- 1位:衣類・着物(臭いが取れなかった)(55%)
- 2位:アルバム・書籍(紙に臭いが染み付いていた)(25%)
- 3位:革製品・バッグ(12%)
- その他(8%)
※調査対象:孤独死現場の遺品整理を行った遺族130名(2024年 自社調べ)

- 諦めるべきもの
- 衣類、布製のソファ、紙類(本・アルバム)。これらは臭いの粒子を吸着しており、クリーニングに出しても他の服に臭いが移るほど強力です。
- 救えるもの
- 貴金属、プラスチック製品、ガラス製品。これらは表面を洗浄・消毒すれば、問題なく持ち帰れます。
写真やアルバムに関しては、無理に持ち帰らず、「その場でスマホで撮影(データ化)して、現物は供養に出す」のが最も現実的な解決策です。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

どうしても持ち帰りたい重要書類や形見がある場合、『オゾン脱臭処理』を依頼してみてください。密閉空間で高濃度のオゾンを発生させ、臭いの元を分解します。100%完全に消えるとは限りませんが、ジップロックに入れて保管できるレベルまで軽減することは可能です。
デジタル遺品の確認と処分
物理的なモノだけでなく、スマホやパソコンの中身も「汚染」されている可能性があります(ウイルス的な意味ではなく、金銭的なリスクとして)。
孤独死の場合、発見が遅れることで、家賃やサブスクリプション(動画配信や会員制サービス)の料金が、口座から引き落とされ続けているケースが多発しています。
- スマホのロック解除
- 故人の指紋で解除しようとするのは、感染症リスクがあるため絶対にやめてください。
- 確認すべきこと
- スマホが開けなくても、郵便受けにある「クレジットカードの明細書」や「通帳の引き落とし履歴」から、契約中のサービスを洗い出せます。
デジタル機器自体に臭いがついている場合は、無理に保管せず、物理破壊(ハードディスクに穴を開けるなど)をして処分するのが安全です。
モノへの執着は、時にあなたを危険に晒します。「データとして残す」「プロに洗浄してもらう」など、割り切った対応が心の安定に繋がります。
よくある質問(Q&A)|孤独死現場のリアルな悩み
記事の締めくくりとして、孤独死の現場でよくある「判断に迷うギリギリの質問」に回答します。
Q1. 孤独死があった部屋は「事故物件」になりますか?
A. なります。ただし、賃貸の告知義務には期限がある場合も。
国土交通省のガイドラインでは、孤独死(自然死)であっても、発見が遅れて特殊清掃が必要になった場合は「事故物件」として扱われます。 賃貸の場合、次の入居者に対して概ね3年間は告知義務が発生することが一般的ですが、売却の場合は半永久的に告知が必要になるケースが多いです。
Q2. 大家さんから高額な損害賠償を請求されました。払うべき?
A. そのまま鵜呑みにせず、必ず減額交渉をしてください。
壁紙や床の張り替え費用は、本来「経年劣化(住んでいた年数)」を考慮すべきものです。入居して10年以上経っているなら、壁紙の価値はほぼ1円です。 孤独死だからといって、新品にする費用全額を遺族が負担する義務はありません。法外な請求が来たら、消費者センターや弁護士に相談してください。
Q3. お祓いや供養はしたほうがいいですか?
A. 親族の「心のケア」として、やることを強く推奨します。
科学的な根拠はありませんが、現場作業員や近隣住民の心理的な負担を減らす効果は絶大です。 特殊清掃業者が提携している僧侶を手配してくれることも多いので、見積もりの際に相談してみてください。「最後にしてあげられること」をやりきった感覚が、あなたのトラウマを癒やしてくれます。
最後に:自分を責めないでください
孤独死の現場に直面した遺族の多くが、「もっと連絡をとっていれば」「早く気づいてあげられれば」と自分を責めます。 しかし、あなたは今、悪臭と恐怖の中で、必死に後始末をしようと動いています。その行動だけで、十分すぎるほど責任を果たしています。
この記事で紹介した「入室禁止」「特殊清掃の利用」「相続放棄の知識」を武器に、まずはあなた自身の生活と心を守ってください。 故人も、あなたが感染症になったり、借金で苦しんだりすることは望んでいないはずです。
プロの力を借りて、一日も早くこの異常事態から日常へ戻れることを願っています。






