
編集長
私自身、過去に何度も不用品回収サービスに助けられた
元・ヘビーユーザーです。
その実体験から、いざという時に頼れる『利用者目線の情報』をお届けするという
理念を掲げ、実体験に基づいた情報をお届けします!
こんな人におすすめ
- 初めての実家の片付けで、何から手をつけていいか途方に暮れている人
- 「部屋がゴミ屋敷状態で恥ずかしい」と、業者を呼ぶのをためらっている人
- ニュースで見るような「ぼったくり」や「不法投棄」の被害に遭いたくない人
- 実家が遠方にあり、効率よく短期間で見積もりから作業まで終わらせたい人
この記事でわかること
- 掃除は不要! 見積もり前にやっておくべき「最低限の準備」と「心構え」
- 所要時間は? どこを見る? 訪問見積もり当日のリアルな流れとチェックポイント
- 「一式」は危険信号! 素人が騙されやすい「見積書」の正しい読み解き方
- 追加請求を1円も払わないための、証拠写真を使った自衛テクニック
- 角を立てずに断るには? そのまま使える「お断りメール」のテンプレート
- 第1章:見積もりを呼ぶ前の「準備」と「心構え」
- 貴重品や書類はどこまで探しておくべき?
- 見積もり額がブレないために用意する「必須情報」
- 実家が遠い…立ち会いなしで見積もりは取れる?
- 第2章:訪問見積もりの「当日の流れ」と「立ち入り範囲」
- 所要時間は? 1日仕事になるの?
- どこまで開ける? タンスや押入れの中身
- 近所にバレたくない…「白いトラック」の配慮
- お茶は出すべき? 態度の悪い業者の見抜き方
- 第3章:見積書の内訳と「適正価格」の見極め方
- その見積書、「一式」と書かれていませんか?
- 料金のカラクリ:金額の3大要素を知る
- 「高すぎる」と感じたら確認すべきオプション項目
- 「ゴミ」がお金に変わる? 買取で費用を抑えるテクニック
- 第4章:後から増える?「追加料金」と「トラブル」の防衛線
- 「荷物が増えた」と言わせないための自衛策
- 特殊条件の加算:見積もり漏れを防ぐ
- キャンセル料はいつから発生する?
- 最大のトラブル源は「親族間」の不和
- 第5章:相見積もり(アイミツ)と「業者選び」の決断
- 「安さ」だけで選ぶと、なぜ失敗するのか
- 「今決めてくれたら安くします」への対処法
- 角を立てずに断る!「お断り」のメール術
- 契約書にサインする前の「最終チェック」
- 最後に:遺品整理は、あなたの「新しい明日」のために
第1章:見積もりを呼ぶ前の「準備」と「心構え」
「実家の整理、そろそろ業者にお願いしないと…」
そう思いながらも、電話する手が止まってしまう。そんな経験はありませんか?
正直に言います。私もそうでした。
実家のドアを開けた瞬間、そこにあったのは数年分の埃と、親が溜め込んだ大量のモノ、モノ、モノ。
「こんな恥ずかしい状態、他人に見せていいの?」
「足の踏み場もないけど、怒られない?」
そんな不安で、見積もりを呼ぶ決心がつくまでに私は3ヶ月もかかってしまいました。
この章では、あなたが私と同じように時間を無駄にしないよう、見積もりを呼ぶ前の「リアルな疑問」にすべて答えます。
部屋がゴミ屋敷状態…片付けてから呼ぶべき?
結論から言います。絶対にそのままで呼んでください。
見栄を張って掃除をする必要は1ミリもありません。
これは私が実際に業者さんに言われた言葉ですが、「お客様が『散らかっている』と思うレベルは、僕らにとって『日常』です」とのこと。彼らはプロです。ゴミが天井まで積み上がった現場も経験しています。
なぜ「そのまま」が良いのか
- 正確な物量がわかる
- 押し入れの中身などを出してしまうと、体積が膨らんで逆に高く見積もられることがあります。
- 疲労が無駄になる
- あなたが必死に分別したゴミも、業者は回収後にもう一度自社のルールで分別し直します。あなたの努力は「二度手間」になりかねません。
- 貴重品を捨ててしまうリスク
- 素人が慌てて捨てたゴミの中に、重要書類や買取できる骨董品が混ざっていることが多々あります。
たとえるなら…
虫歯だらけの口を歯医者に見せるようなものです。「汚いから」と自分で治療してから行く人はいませんよね?
プロは「直すこと(片付けること)」が仕事です。恥ずかしがる必要はありません。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

「どうしても恥ずかしい」という方は、電話予約の際に一言「かなり散らかっていますが大丈夫ですか?」と伝えておきましょう。業者の反応で「あ、慣れてるな」と分かれば、あなたの心理的ハードルはグッと下がりますよ。これだけで当日の精神的な負担が全然違います。
貴重品や書類はどこまで探しておくべき?

「業者は信用したいけど、通帳や実印がどこにあるかわからない…」
これは非常に多い悩みです。
すべて自分だけで見つけ出す必要はありませんが、「最低限の捜索」と「業者への指示」の使い分けが重要です。
見積もり前にやっておくこと
明らかに「ここにある」と分かっている貴重品だけは、別のバッグに避けておきましょう。
- 現金
- 通帳・印鑑
- 権利書・証券
- 貴金属
業者に任せること
「どこにあるかわからないモノ」は、無理に探さなくてOKです。
その代わり、見積もりの際に「実印と、◯◯銀行の通帳が見つかっていません。作業中に出てきたら絶対に取っておいてください」と具体的に指示を出してください。
優良な業者は「貴重品捜索」もサービスの一環として行います。作業後に「小銭入れから出てきた15円」まで袋に入れて渡してくれる業者もいます。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

特に注意してほしいのが「タンス預金」と「へそくり」です。本棚の本の間、古着のポケット、キッチンの床下収納などは現金の隠し場所の定番です。これらは見積もりスタッフが立ち入る際に一緒にチェックしてもらうか、契約後の作業時に探してもらうよう強く念押ししてください。
(参考:国民生活センター|遺品整理サービスでのトラブル注意喚起
見積もり額がブレないために用意する「必須情報」

見積もり当日、業者も人間ですから、情報が曖昧だと「リスク回避のために少し高めの金額」を出さざるを得ません。
安く、正確な見積もりを出してもらうために、以下の情報はメモしておきましょう。
1. トラックの駐車位置
家の目の前に停められるか、それとも50m離れたコインパーキングになるか。これで作業時間が変わり、料金に数万円の差が出ます。
2. 期限(いつまでに空にするか)
- 「賃貸の解約日が来月末」
- 「家が売れるまで急がない」
これによって、業者はスタッフの手配を調整します。急ぎでなければ「業者の暇な日」に合わせることで値引き交渉ができる場合もあります。
3. 残すモノのリスト
「全部捨ててください」と言ったあとに「あ、やっぱりこのエアコンは残して」と言うと、見積もりのやり直しになります。
- 仏壇はどうするか(供養の有無)
- エアコンは取り外すか、残すか
- 物置の中身もやるか
【編集長からのワンポイントアドバイス】

特に「家電リサイクル法」対象の4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)があるかどうかは必ず確認してください。これらは処分に法定のリサイクル料金がかかります。見積もりにこの処分費が含まれているか、別途請求かを確認するためにも、台数とメーカーを把握しておくとスムーズです。
(参考:環境省|家電リサイクル法について)
実家が遠い…立ち会いなしで見積もりは取れる?

「実家が片道3時間。仕事も休めない…」
最近はこのケースが非常に増えています。結論から言えば、立ち会いなしでの見積もりは可能です。
最新の見積もり手法
- 鍵預かり見積もり
- キーボックス等を利用、または郵送で鍵を送り、業者が単独で入室して見積もる。
- LINE/ビデオ通話見積もり
- 部屋の様子をスマホで撮影して送り、概算を出してもらう。
- 親族代行
- 近くに住む親戚に鍵だけ開けてもらう。
ただし、リスクもある
私が経験上おすすめするのは
「見積もりは立ち会わなくても、最後の作業完了確認だけは現地に行く」か、「信頼できる業者か見極めるために、初回だけは無理してでも行く」のどちらかです。
誰も見ていない家で見積もりをさせるということは、業者の倫理観にすべてを委ねることになります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

遠方の場合こそ、複数の業者に相見積もりを取っていることを伝えてください。「私は現地に行けませんが、他の業者さんにも鍵を渡して見てもらっています」と伝えるだけで、業者への強烈な牽制になります。「変なことをしたらバレる」と思わせることが、あなたの身を守ります。
いかがでしたか? 部屋が汚くても、準備が完璧でなくても大丈夫。
まずは「ありのままの状態を見せる」ことが、遺品整理の第一歩です。
次は、いよいよ業者が家にやってきます。
第2章:訪問見積もりの「当日の流れ」と「立ち入り範囲」 で、彼らがどこを見て、何をチェックするのか、その裏側を解説します。
第2章:訪問見積もりの「当日の流れ」と「立ち入り範囲」

「ピンポーン」 インターホンが鳴った瞬間、心臓が跳ね上がる感覚。わかります。
見知らぬ男性が数人、自分の(あるいは親の)プライベートな空間に入り込んでくる。これほどのストレスはありません。
私が初めて見積もりを依頼したとき、一番怖かったのは「見られたくないものまで見られるんじゃないか」という不安でした。
引き出しの奥のアルバム、父の趣味のコレクション、母の下着が入ったタンス…。
この章では、業者が玄関をまたいでから帰るまで、具体的に何がおこなわれ、どこまで踏み込まれるのか、その全貌をシミュレーションします。
所要時間は? 1日仕事になるの?
結論から言うと、見積もり自体は皆さんが思っているよりもずっと早く終わります。
私が実家(4LDK・荷物多め)の見積もりを取ったときは、約40分でした。
ワンルームや1K程度なら15分~20分で終わることもザラです。
一般的なタイムスケジュール
- 挨拶・名刺交換(5分)
- ここで業者の「人となり」をチェックします。
- 各部屋の巡回(15分~30分)
- 全ての部屋を回り、物量を目視します。
- ヒアリング(10分)
- 供養する品、残す品、搬出経路の確認。
- 金額提示(その場または後日)
- タブレット等ですぐに出す業者もいれば、一旦持ち帰る業者もいます。
注意点
「相見積もり(複数社比較)」をする場合、業者同士の鉢合わせは気まずいので、時間は最低でも1.5時間ずつ空けて予約を入れるのがコツです。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

「早ければ早いほど良い」と思っていませんか?実は逆です。家全体を見るのに5分で終わらせる業者は要注意です。中身をしっかり確認せずに「トラック2台分で〇〇万円!」と適当な見積もりを出し、作業当日に「思ったより多かったので追加料金です」と言い出すパターンの典型だからです。 プロは、押し入れの「奥行き」までしっかり確認します。
どこまで開ける? タンスや押入れの中身

ここが最大の不安ポイントですよね。
「業者は、収納の扉をすべて開けます」。これは覚悟してください。
なぜなら、外に出ている荷物は氷山の一角で、費用の大半を決めるのは「押し入れやタンスの中に眠っている荷物の量」だからです。
彼らは「何」を見ているのか?
安心してほしいのは、彼らはあなたのプライベートな手紙を読んだり、趣味のグッズをジロジロ品定めしたりするために開けるのではありません。彼らの目は「スキャナー」になっています。
- 見るもの
- 物量(体積)、素材(木・鉄・プラスチックの割合)、搬出の難易度。
- 見ないもの
- 日記の内容、写真の被写体、個人の趣味嗜好。
業者は毎日何軒も回るプロです。彼らにとって、どんなに恥ずかしい物が出てきても、それは単なる「処理すべきオブジェクト」に過ぎません。
どうしても見られたくない場所がある場合
「この引き出しだけは絶対に開けないで!」と事前に宣言すれば、そこを開けずに見積もることも可能です。 ただし、その場合は「中身がいっぱい詰まっている」という前提(Maxの量)で計算されることが多いです。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

特に注意が必要なのが「屋根裏」と「床下収納」、そして「庭の物置」です。これらは依頼主自身も存在を忘れていることが多く、後から大量の不用品が出てきてトラブルになりやすい場所です。見積もり当日は、業者と一緒にあなた自身もこれらを開けて確認することをおすすめします。
(参考:独立行政法人国民生活センター|訪問購入・訪問サービスのトラブル)
近所にバレたくない…「白いトラック」の配慮
「あそこの家、遺品整理してるわよ」と近所で噂になるのが嫌だ。
特に孤独死やゴミ屋敷化していた場合、切実な悩みです。
まともな業者であれば、この点には最大限配慮してくれます。
- 社名なしトラック
- 派手なロゴが入っていない、無地のトラックで来てくれます。
- 私服対応
- 作業着ではなく、ポロシャツなどの私服で訪問し、「親戚が手伝いに来た」ように振る舞ってくれることも可能です。
- 駐車位置
- 家の真ん前ではなく、少し離れた場所に停めて徒歩で来るよう指示できます。
予約の電話の段階で「近所に知られたくないので配慮してほしい」とハッキリ伝えましょう。これで対応を渋る業者は、その時点でお断りです。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

集合住宅(マンション・アパート)の場合、管理会社や管理人への挨拶が必要かどうかも確認しておきましょう。オートロックやエレベーターの使用ルールがあるため、コソコソやるよりも、事前に「引越し業者が来ます」程度に伝えておいた方が、結果的に怪しまれずに済みます。
お茶は出すべき? 態度の悪い業者の見抜き方
「わざわざ来てもらうんだから、お茶くらい出したほうがいい?」
結論、不要です。
彼らは仕事で来ていますし、最近は感染症対策やコンプライアンスの観点から、出された飲み物に口をつけない方針の会社も増えています。
「暑い中ご苦労さまです」という労いの言葉だけで十分です。
ここだけは見ろ! スタッフの「靴下」と「車」
私が業者を選ぶとき、絶対に見るポイントがあります。
- 靴下は綺麗か?
- 汚れた靴下で家に上がる業者は、作業も雑です。壁に傷をつけられても平気な顔をします。
- 車の中は整理されているか?
- 見積もりに来た車内がゴミだらけの業者は、廃棄物の管理もズボラです。不法投棄のリスクがあります。
- タバコの臭い
- 玄関に入った瞬間、タバコの臭いが染み付いているスタッフは、遺品への配慮も欠ける傾向にあります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

見積もり中は、遠慮せずに質問攻めにしてください。「この仏壇はどうやって処分しますか?」「このエアコンは買い取れますか?」 その質問に対して、目を見てハッキリ即答できるかを見てください。「えーっと、会社に確認しないと…」と言葉を濁すスタッフが来た場合、当日の作業トラブルが起きる確率が跳ね上がります。
さあ、部屋を見てもらい、スタッフも帰りました。 手元(あるいは数日後)には、いよいよ「見積書」が届きます。
しかし、そこに書かれた「一式」という文字には罠があります。 次の章では、提示された金額が適正なのか、ボッタクリなのかを見極めるための「見積書の内訳の読み方」を解説します。これはあなたの財布を守るための、最も重要な章です。
第3章:見積書の内訳と「適正価格」の見極め方

数日後、あなたの手元に見積書が届きます。 封を開けて、一番下の「合計金額」を見た瞬間、きっとこう思うはずです。
「…えっ、これって高いの? 安いの?」
30万円という数字だけ見ても、それが適正なのか、ぼったくりなのか、素人には全く判断がつきません。 私が初めて見積もりを取った時、A社は25万円、B社は45万円でした。その差、なんと20万円。
「安いA社にお願いしよう」と即決しそうになりましたが、よく見るとA社の見積書には恐ろしい罠が隠されていました。
この章では、業者がひた隠しにする「金額のカラクリ」を暴き、あなたを守るための知識を伝授します。
その見積書、「一式」と書かれていませんか?
もし、手元の見積書の項目に「遺品整理作業一式 〇〇万円」としか書かれていなかったら、その業者は即刻候補から外してください。
これは「何にいくらかかるか教えられないけど、とりあえずこれくらい払って」と言っているのと同じです。
「一式」が危険な理由
「一式」という言葉は、後から言い逃れをするための魔法の言葉です。
作業当日に「この棚の処分代は含まれていません」「エアコンの取り外しは別料金です」と言われても、内訳がないので反論できません。
最低限、これくらいの項目は分かれているべき
- 人件費
- 作業員〇名 × 〇時間
- 車両費
- 2トントラック〇台分
- 処分費(廃棄物処理費)
- ゴミの量に応じた金額
- オプション費
- エアコン取り外し、供養代など
私の体験談
私が頼んだ優良業者は、見積書と一緒に「部屋ごとの物量リスト」まで付けてくれました。「6畳和室:タンス2棹、布団3組、段ボール10箱…」といった具合です。ここまでやってくれる業者は、まず間違いありません。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

見積書をもらったら、必ず「この金額以外に、当日追加で請求される可能性は1%でもありますか?」と聞いてください。そして、その回答(「基本的にはないです」ではなく「壁の中の配管など、見えない部分の工事が必要でない限りありません」といった具体的な回答)を、見積書の余白にメモし、担当者のサインをもらっておきましょう。これが最強の魔除けになります。
料金のカラクリ:金額の3大要素を知る
そもそも、遺品整理の料金はどうやって決まるのでしょうか?
相場を知るために、この「3大要素」を頭に叩き込んでください。
1. 人件費(約30〜40%)
スタッフ1人あたり1.5万〜2万円が相場です。
注意点
安すぎる業者は、経験のない日雇いバイトを使っている可能性があります。
遺品の扱いが雑だったり、私語が多かったりする原因はここにあります。
2. 車両費(約10〜20%)
トラックのチャーター代とガソリン代です。
- 軽トラック:1.5万〜3万円
- 2トントラック:5万〜8万円
注意点
家の前にトラックが停められない場合、「横持ち(手運び)」の手間賃が加算されることがあります。
3. 処分費(約40〜50%)
実は、これが一番高いです。
日本の法律上、家庭から出るゴミ(一般廃棄物)を捨てるには多額のコストがかかります。
「うちは格安で処分します!」という業者は、山林に不法投棄をしている犯罪者の可能性があります。適正な業者は、処分費を値引きできません。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

見積もり時に「一般廃棄物収集運搬業の許可」を持っているか、または「提携している許可業者」の名前が見積書に記載されているか確認してください。無許可の業者がゴミを持ち去ることは違法です。最悪の場合、依頼主であるあなたも警察の事情聴取を受けるリスクがあります。
(参考:環境省|廃棄物の適正処理について)
「高すぎる」と感じたら確認すべきオプション項目
「相場より高いな」と感じた場合、あなたの家の特殊事情が反映されているかもしれません。
以下の項目が入っているかチェックしてください。これらは正当な追加料金です。
- 階段作業費
- エレベーターなしのマンションの3階以上などは、スタッフの疲労度が違うため高くなります。
- 特殊清掃費
- 孤独死などで体液による汚れや異臭がある場合、通常の片付けとは全く別の技術料が発生します。
- 供養費
- 仏壇、神棚、日本人形などを合同供養してもらう場合、ダンボール1箱あたり数千円〜がかかります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

逆に言えば、ここが節約ポイントでもあります。例えば「供養は自分たちでお寺に持ち込みます」と言えば、その分はカットできます。「自分たちでできること」と「プロに頼むこと」を仕分けるのが、賢いコストダウンのコツです。
「ゴミ」がお金に変わる? 買取で費用を抑えるテクニック
見積書を見て落ち込むのはまだ早いです。
最後に確認すべきは「買取査定」の項目です。
遺品整理における「買取」は、現金を受け取るというより、「作業代金からの相殺(値引き)」として扱われることが一般的です。
意外と値がつくもの
- 製造5年以内の家電
- テレビ、冷蔵庫、洗濯機
- 骨董品・貴金属
- 壊れたアクセサリーや金歯、古い茶道具
- 海外輸出向け
- 日本で需要がない古い家具やぬいぐるみも、海外ルートを持つ業者なら買い取ってくれることがあります。
見積もりの際、「これはゴミですよね?」と自分から言わないこと。
「これも買い取れませんか?」と食い気味に聞くくらいで丁度いいのです。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

買取を行うには「古物商許可」という警察の許可が必要です。HPや名刺に「第〇〇号」という許可番号が記載されているか必ずチェックしてください。これがない業者が買取を行うのは違法営業(モグリ)です。
(参考:警視庁|古物商許可について)
見積書の読み解き方は分かりましたか?
金額の根拠、内訳の透明性、そして法的リスクのなさ。これらが揃って初めて「適正価格」と言えます。
しかし、どんなに完璧な見積書でも、あとからトラブルになることがあります。
それが「言った言わない」問題と「追加請求」です。
次の章では、作業が終わった後に「話が違う!」と泣き寝入りしないための、鉄壁の防衛策について解説します。
第4章:後から増える?「追加料金」と「トラブル」の防衛線

「作業が終わった後に、見積もりの倍の金額を請求された」
「『トラックに乗り切らなかった』と言われて、追加料金を払わざるを得なかった」
これは都市伝説ではありません。遺品整理のトラブルで最も多いのが、この「追加請求」の闇です。
第3章で完璧な見積書をもらったとしても、まだ安心はできません。悪徳業者は、作業当日の「あなたの逃げ場がない状況」を狙ってきます。
この章では、私が実際に業者とやり取りして学んだ、不当な追加料金を1円たりとも払わないための「完全防衛策」を伝授します。
「荷物が増えた」と言わせないための自衛策
追加料金が発生する一番の理由は、「見積もり時より荷物が増えている(と業者が主張する)」ことです。
悪質な業者は、当日に「あれ? 見積もりの時、この荷物はなかったですよね?」と言いがかりをつけてきます。
もう引っ越し期限も迫っている、トラックも来ている…。そんな状況でこう言われると、多くの人は泣く泣く追加料金を払ってしまいます。
スマホで証拠を残す「5分間の儀式」
これを防ぐ方法はたった一つ。「証拠」です。
見積もりの査定が終わったその瞬間に、業者と一緒に部屋の写真を撮ってください。
「念のため、今の状態を記録しておきますね」と言って、スマホで部屋全体と、特に荷物が多い場所をパシャリ。
これだけで十分です。
「写真を撮られた」という事実が、悪徳業者への最強の牽制になります。「あとで嘘をついたら、この写真を出される」と思わせれば、彼らは不正な請求ができなくなります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

逆に、あなた自身が「見積もり後に勝手にゴミを増やさない」ことも重要です。見積もり後に「あ、これも捨てちゃおう」と、別の場所からゴミを持ってきて足してしまうと、それは正当な追加料金の対象になります。もし荷物が増えそうな場合は、作業前日までに必ず電話で「ダンボールが5箱増えそうです」と申告しましょう。事前連絡があれば、当日のトラブルは防げます。
特殊条件の加算:見積もり漏れを防ぐ
「トラックが家の前に停められないので、長い距離を歩くことになります。追加料金です」
当日になってこう言われるケースもあります。
プロなら事前に気づくべきですが、彼らが見落とすこともあります。
以下の条件に当てはまる場合は、見積もり時に自分から申告して、「この料金は含まれていますか?」と確認してください。
- エレベーターなし
- 階数ごとに料金が上がるのが一般的です。
- トラックの駐車位置
- マンションの入り口からトラックまで50m以上離れている場合、「横持ち料金」がかかることがあります。
- 解体が必要な大型家具
- 部屋からそのまま出せない巨大なタンスやベッド。
- エアコンの室外機
- 特殊な場所(屋根の上や、天井吊り下げ)に設置されている場合。
「プロなんだから気づくでしょ」と思わず、「念の為聞いておく」姿勢が、当日の平穏を守ります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

もし当日になって「想定外の作業が発生した」と言われたら、「作業を始める前に」必ず金額を提示させてください。「終わってから計算します」は絶対にNGです。「追加でいくらかかるのか、今ここで計算してください。納得できなければその作業は断ります」と毅然と伝える勇気を持ってください。
(参考:消費者庁|特定商取引法ガイド)
キャンセル料はいつから発生する?
「相見積もりをしている他社の方が安かったので、契約直前で断りたい」
「急に親戚が片付けてくれることになった」
事情が変わることはよくあります。しかし、断るタイミングを間違えるとキャンセル料を取られます。
一般的なキャンセル規定
- 見積もり後〜作業3日前まで
- 無料
- 作業2日前〜前日
- 見積額の10%〜50%
- 作業当日
- 見積額の100%
これは、業者がスタッフやトラックの手配を完了してしまっているため、正当な請求権があります。
逆に言えば、「見積もりを取っただけ」の段階でキャンセル料を請求してくる業者は完全にクロです。絶対に支払ってはいけません。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

「今契約してくれたら安くします」と言われて契約書にサインしてしまった後でも、訪問販売(訪問見積もり)の形態によっては「クーリング・オフ」が適用できる場合があります。 ただし、自分から業者を呼んで査定してもらった場合は適用外になるケースが多いなど、条件が複雑です。 迷ったらすぐに消費者ホットライン(局番なしの188)へ相談してください。
(参考:国民生活センター|クーリング・オフ)
最大のトラブル源は「親族間」の不和
業者とのトラブル以上に泥沼化するのが、実は「親族間のトラブル」です。
「長男の私が業者に頼んで全部捨てた」
↓
「後から妹が来て『お母さんの着物、形見分けしようと思ってたのに!なんで勝手に捨てたの!』と激怒」
↓
「業者に賠償請求しろと詰め寄られる」
これ、本当によくある話です。
業者には法的責任はありません。契約者であるあなたの指示通りに動いただけだからです。責任はすべてあなたに降りかかります。
鉄の掟:ハンコを押す前に「同意」を取る
契約書にサインをする前に、必ず相続権を持つ親族全員に「◯月◯日に業者が入って、家の中を空にするけどいいよね?」と連絡を入れてください。
できればLINEやメールで「OK」の返事をもらい、証拠として残しておくことを強くおすすめします。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

金銭的な価値がある遺品(貴金属や骨董品)が見つかった場合の分配方法も、事前に決めておきましょう。「売却益は作業代に充てるのか」「見つかった現金は誰が受け取るのか」。 お金の話を後回しにすると、遺品整理が終わった後に「相続争い」という新たな地獄が始まります。
(参考:法務省|相続に関するルール)
これで、業者との金銭トラブル、そして親族間の法的トラブルを防ぐ準備は整いました。
あとは、手元にある数社の見積書の中から、「運命の1社」を選ぶだけです。
しかし、金額が一番安い業者が正解とは限りません。
最終章では、金額以外の要素も含めた「後悔しない業者の選び方」と「断り方のマナー」についてお話しします。これで最後です。
第5章:相見積もり(アイミツ)と「業者選び」の決断

机の上に並べた3社の見積書。 A社は30万円、B社は45万円、C社は28万円。
「一番安いC社にしようかな…でも、安すぎて逆に不安?」
「B社は高いけど、営業マンの感じは一番良かったな…」
最後の最後、この「決断」の瞬間が一番悩みますよね。 私もそうでした。電卓を叩きながら、何度も見積書を見比べ、ため息をつく夜を過ごしました。
でも、ここまで記事を読んできたあなたなら、もう答えは見えているはずです。
最終章では、金額という「数字」に惑わされず、あなたが本当に納得できるパートナーを選ぶための最後の基準をお伝えします。
「安さ」だけで選ぶと、なぜ失敗するのか
厳しいことを言います。「最安値」には必ず裏があります。
私が以前、知人から聞いた話です。
彼は相場より圧倒的に安い業者(相場の半額)に依頼しました。結果、何が起きたか。
作業当日、来たのは外国籍のアルバイト数名と言葉の通じない現場監督。遺品を「ゴミ」として窓から投げ入れ、近隣から苦情が殺到。さらに、回収されたはずの仏壇が、後日近くの山林で見つかり警察沙汰になりました。
「安さ」の正体は、以下のどれか
- 不法投棄
- 処分費を削っている(犯罪)。
- 人件費削減
- 教育されていない素人を派遣している。
- 追加請求前提
- 入り口だけ安く見せている。
見積もり金額の差が数万円程度なら、私は迷わず「対応が丁寧だった方」を選びます。
故人の思い出を扱う仕事です。「安く捨てられればいい」のではなく、「気持ちよく送り出したい」という自分の直感を信じてください。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

選ぶべきは、あなたの質問に対して「できないことはできない」と正直に答えてくれた業者です。「全部できます!安くします!任せてください!」と調子の良いことばかり言う業者は、契約を取ることが目的になっています。 リスクやデメリットも含めて説明してくれる業者こそ、誠実なプロフェッショナルです。
「今決めてくれたら安くします」への対処法
見積もりの現場でよくあるのが、このクロージング文句です。
「上司に電話して、今決めてもらえるなら5万円引く許可をもらいました!」
結論、その場では絶対に決めないでください。
これは心理学でいう「現状維持バイアス」や「希少性」を利用した営業テクニックです。
本当に優良な業者は、あなたが親族と相談したり、他社と比較したりする時間を尊重してくれます。「急かしてくる」時点で、その業者は自分の都合(売上)しか考えていません。
こう返してください
「魅力的な提案ですが、家族全員の合意が必要なので、一度持ち帰ります。それでもその金額でやってくれるなら、御社にお願いします」
これで引くようなら、最初からその値引きは嘘です。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

もし契約を急かされて恐怖を感じたら、「消費者センターに相談してから決めます」というキラーワードを使ってください。悪徳業者が世界で一番嫌いな言葉です。これで彼らは何も言えなくなります。
(参考:消費者庁|消費者ホットライン188)
角を立てずに断る!「お断り」のメール術
本命が決まったら、他の業者には断りの連絡を入れなければなりません。
「せっかく来てもらったのに申し訳ない…」と気が重いですよね。
でも、電話をする必要はありません。メールやLINEで十分です。
彼らも商売なので、断られることには慣れています。重要なのは「早く伝えること」です。
コピペで使えるお断り文面
件名:見積もりの件について(〇〇です)
株式会社〇〇 ご担当者様
先日はお見積もりに来ていただき、ありがとうございました。 家族で検討した結果、今回は親戚の紹介があった別の業者にお願いすることになりました。
丁寧にご対応いただいたにも関わらず、申し訳ございません。 また機会がございましたら、よろしくお願いいたします。
ポイントは「親戚の紹介」「他で決まった」という不可抗力な理由をつけること。これで食い下がってくる業者はいません。
契約書にサインする前の「最終チェック」
いよいよ1社に絞り、契約を交わします。
ハンコを押すその直前に、この3点だけは再確認してください。
- 日時の確定
- 「〇月〇日の朝9時スタート」と明記されているか。(「来週中」など曖昧だと後回しにされます)
- 作業完了の条件
- 「掃き掃除まで含むのか」「エアコンの撤去は終わっているか」など、完了定義。
- 「追加料金なし」の文言
- 備考欄に「見積もり記載の項目以外に、追加請求は一切行わない」という一筆があるか。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

万が一の事故(搬出時に壁に穴を開けた、フローリングを傷つけた)に備えて、「損害賠償保険」に加入している業者かどうかも、契約書または重要事項説明書で確認しましょう。 口頭で「保険入ってます」と言うだけでなく、証券のコピーを見せてもらうくらいの慎重さがあって良いです。
(参考:一般社団法人日本損害保険協会)
最後に:遺品整理は、あなたの「新しい明日」のために
ここまで、全5章にわたり「遺品整理の見積もり」について深掘りしてきました。
見積もりを取る。
それは単に「部屋を片付ける値段を知る」作業ではありません。
故人との思い出に区切りをつけ、あなたが前を向いて生きていくための「儀式」の始まりです。
面倒だし、怖いし、悲しい。 その感情はすべて正解です。
でも、あなたは勇気を出して情報を集め、ここまで読み進めました。その時点で、あなたはもう「賢い選択」ができる状態になっています。
まずは一社、電話をかけてみてください。
「散らかっているんですけど…」その一言から、あなたの肩の荷は少しずつ降りていくはずです。
あなたが納得のいく形で、大切な場所を整理できることを、心から応援しています。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

最後までお読みいただき、ありがとうございました。このメディアは、あなたが「後悔のない遺品整理」をするために存在しています。もし業者選びで迷ったり、トラブルに遭ったりしたら、いつでもこの記事に戻ってきてください。知識は、あなたを守る最強の武器です。 それでは、よい「整理」ができることを祈っております。






