
編集長
私自身、過去に何度も不用品回収サービスに助けられた
元・ヘビーユーザーです。
その実体験から、いざという時に頼れる『利用者目線の情報』をお届けするという
理念を掲げ、実体験に基づいた情報をお届けします!
こんな人におすすめ
- 親や家族が亡くなり、「何から手をつければいいか」と頭が真っ白になっている方
- 役所の手続き、相続、遺品整理…やるべきことが多すぎてパニック寸前の方
- 「知らないと損をする」「借金を背負うかもしれない」という不安を解消したい方
この記事でわかること
- 【全リスト】 死亡届から相続税まで、絶対に遅れてはいけない「手続きの期限」
- 【お金】 凍結された口座から当面の生活費を引き出す方法と、隠れ借金の探し方
- 【片付け】 業者に頼むべきかの「損益分岐点」と、悪徳業者を見抜く3つの質問
- 【実家】 空き家を「負動産」にせず、3,000万円の控除を使って賢く手放す出口戦略
第1章:【緊急】動き出す前に知っておくべき「3つの鉄則」

親や配偶者が亡くなった直後、悲しむ間もなく押し寄せるのが「手続き」と「片付け」の波です。 しかし、ここで焦ってはいけません。 多くの人が「早く部屋を明け渡さなきゃ」「早くお金を整理しなきゃ」と焦るあまり、取り返しのつかない失敗をしています。
この章では、あなたが「法的な罠」にかからず、最短ルートでこの難局を乗り越えるための、最初の防衛線を構築します。
1. 「やってはいけないこと」リスト:良かれと思った片付けが命取り
まず結論から言います。 借金の有無が100%はっきりするまで、遺品を捨てたり、売ったり、配ったりしないでください。
法律には「単純承認」というルールがあります。これは、「故人の財産(遺品)に手をつける=借金も含めてすべて相続します」という意思表示とみなされる制度です。 良かれと思ってやった「部屋の片付け」が、あなたに数百万円の借金を背負わせるトリガーになることがあるのです。
【実録】親切心が仇となったAさん(40代男性・会社員)の事例
私が相談を受けた中で、特に悔やまれるケースをご紹介します。
- 状況: 父親が急死。賃貸アパートの家賃発生を気にして、葬儀の翌週には友人とトラックを借りて部屋を空っぽにしました。
- 行ったこと: 家電や家具をリサイクルショップに売り、古雑誌や服はゴミ処理場へ。売却益の数万円は、手伝ってくれた友人との食事代に消えました。
- 発覚した事実: その後、父親の引き出しから消費者金融数社からの督促状(合計350万円)が見つかりました。
- 結末: 慌てて裁判所に「相続放棄」を申し立てましたが、認められませんでした。「遺品を売却・処分したこと」が単純承認とみなされたからです。Aさんは、本来払う必要のなかった350万円を、自分の貯金を切り崩して返済することになりました。
この事例のように、「ゴミだと思ったもの」にも資産価値があると判断されるリスクがあります。
【お片づけの窓口独自アンケート】
遺品整理を経験した男女410名に「初動で失敗した!と最も後悔している行動」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 軽い気持ちで遺品を処分・形見分けしてしまい、相続放棄の選択肢が消えた(48%)
- 死亡診断書のコピーを取らずに原本を提出してしまい、再発行に追われた(29%)
- 口座が凍結される前に葬儀費用を引き出しておかなかった(15%)
- その他(8%)
※調査期間:2023年5月〜8月 対象:弊社へご相談いただいた遺品整理経験者

【編集長からのワンポイントアドバイス】

「形見分け」も要注意です。ボロボロの時計一つでも、高価なブランド品であれば「資産の分配」とみなされます。借金の可能性がゼロだと確信できるまでは、部屋にあるものは「ゴミひとつ動かさない」のが、あなた自身を守る鉄則ですよ。
2. 手続きの全体像と期限:7日・3ヶ月・10ヶ月の壁
人が亡くなった後の手続きには、絶対に守らなければならない「3つのデッドライン」があります。これを過ぎると、罰金が発生したり、減税措置が受けられなくなったりします。
スケジュール帳に、以下の日付を書き込んでください。
- 7日以内:死亡届の提出 葬儀社が代行してくれるケースが大半ですが、これを出さないと火葬許可証が出ません。
- 3ヶ月以内:相続放棄・限定承認の申述 これが最大の山場です。プラスの財産もマイナスの借金も一切引き継がない「相続放棄」は、家庭裁判所への申し立てが必要です。3ヶ月の間に「財産調査」を行い、借金の方が多いなら放棄を選びます。Aさんのようにならないためにも、この3ヶ月間は慎重に行動してください。
- 10ヶ月以内:相続税の申告・納付 遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×相続人の数)を超える場合、申告が必要です。1日でも遅れると延滞税がかかります。
参照リンク
【実録】ギリギリで救われたBさん(50代女性・主婦)の事例
- 状況: 遠方に住む母が他界。実家はゴミ屋敷状態で、怖くて3ヶ月近く放置していました。
- 解決策: 期限の1週間前に「借金の督促状」を発見。慌てて司法書士に相談しました。
- 結果: 「熟慮期間の伸長(期限を延ばす手続き)」を家庭裁判所に行い、認められました。その後の調査で多額の連帯保証債務が発覚し、無事に放棄が完了。もし放置していたら、数千万の借金を背負うところでした。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

3ヶ月なんてあっという間です。特に四十九日の法要まではバタバタして、気づいたら期限切れ…というパターンが多いです。「まだ時間がある」ではなく「今すぐ財産調査を始める」意識でいてくださいね。
3. 必要な書類の準備:何度も役所に行かないためのセット
役所手続きで最もストレスが溜まるのは「書類が足りなくて出直しになること」です。 これを防ぐために、最初の段階で「最強の書類セット」を作っておきましょう。
以下のリストにあるものを揃えれば、大抵の手続きは1回で済みます。
- 死亡診断書(コピー):最低5〜10枚 原本は役所(死亡届)に出すと返ってきません(※窓口で言えば原本還付してくれる場合もありますが、コピー提出で済む手続きが多いです)。生命保険、携帯解約、年金停止など、あらゆる場面で使います。コンビニコピーで十分です。
- 故人の戸籍謄本(出生から死亡まで):3〜5セット これが一番大変です。本籍地が遠方の場合は郵送請求になるため、時間がかかります。相続手続きの「要」となる書類です。
- 相続人全員の印鑑証明書:3〜5通 遺産分割協議書を作る際に必須です。実印がない人は、すぐに作って登録してください。
- 故人の通帳・キャッシュカード・実印 これらは一箇所にまとめて保管し、絶対に紛失しないようにしてください。
【実録】役所を5往復して疲弊したCさん(30代男性・自営業)の失敗談
- 状況: 「必要な時に都度取ればいいや」と考え、書類をまとめて取得しませんでした。
- 結果: 銀行に行くたびに「戸籍が足りない」「印鑑証明の期限が切れている(金融機関によっては3ヶ月や6ヶ月以内を指定)」と言われ、その都度役所へ。仕事の合間を縫っての移動で、手続き完了まで半年もかかってしまいました。
- 教訓: 「使うかわからないけど多めに取っておく」。数百円の手数料をケチると、数万円分の時間を失います。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

最近は「おくやみコーナー」を設置している自治体が増えています。予約制のところも多いですが、ワンストップで住民票や保険証の返却などの手続きを案内してくれるので、まずはお住まいの自治体HPで「おくやみ」と検索してみてください。
第1章では、まず「防御」を固めました。 これであなたは、借金のリスクを回避し、必要な書類という武器を手に入れました。 次は、いよいよ具体的な「手続き」の攻撃に移ります。 第2章では、役所や年金、そして忘れがちな公共料金の解約を、パズルのように効率よく片付ける手順を解説します。
第2章:【手続き】役所・年金・公共料金の解約効率化

葬儀が終わり、ひと息つきたいところで容赦なくやってくるのが、役所や公共機関への届け出です。 これらは平日しか窓口が開いていないことが多く、働いている遺族にとっては「有給休暇との戦い」でもあります。
この章では、あちこちたらい回しにされず、無駄な出費(過払い)を防ぎながら手続きを完了させる「最短ルート」を解説します。
1. 市役所・区役所でやる手続き一覧(スタンプラリーを攻略せよ)
役所は「縦割り行政」です。窓口が違うたびに番号札を取って待たされるのは覚悟しなければなりません。 しかし、回る順番と持ち物を完璧にしておけば、1日で終わらせることも可能です。
主な手続きは以下の3つです。
- 世帯主変更届(住民票) 世帯主が亡くなった場合、次の世帯主を決めて届け出ます。
- 国民健康保険・後期高齢者医療保険の資格喪失届 保険証を返却します。これをしないと保険料の請求が止まりません。
- 介護保険資格喪失届 要介護認定を受けていた場合は、介護保険証も返却します。
【実録】窓口で呆然としたDさん(40代男性・会社員)の事例
- 状況: 母親が他界。実家の父(要介護2)の手続きを代行するため、有給を1日だけ取って役所へ行きました。
- 失敗: 「保険証を持ってきてください」と言われていたのに、母親の財布に入っていた「病院の診察券」と間違えて持って行ってしまいました。さらに、印鑑(認印)も忘れていました。
- 結果: 取りに帰る往復2時間で午前中が潰れ、午後は窓口が混雑。結局すべての課を回りきれず、後日また半休を取ることになりました。
- 教訓: 持ち物チェックは前日の夜に。「保険証(健康・介護)」「印鑑」「死亡診断書コピー」「届出人の本人確認書類」は必須です。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

役所に行ったら、必ず「葬祭費(または埋葬料)」の申請も一緒に済ませてください。国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた人が亡くなると、喪主に対して3〜7万円程度が支給されます。申請しないともらえませんし、2年で時効になります。「領収書(葬儀代)」が必要になるので、忘れずに持参してくださいね。
2. 年金・手当の停止と未支給分の請求(もらいすぎは借金になる)
年金の手続きは「スピード」が命です。 なぜなら、亡くなった翌月分の年金を受け取ってしまうと、後で国に返還しなければならないからです。この手続きが非常に面倒で、精神的なストレスになります。
- 国民年金: 死後14日以内に役所へ
- 厚生年金: 死後10日以内に年金事務所へ
【実録】「不正受給」の疑いに怯えたEさん(60代女性・パート)の事例
- 状況: 夫が急死。悲しみで何も手につかず、年金事務所への連絡を2ヶ月放置していました。
- 問題: 夫の口座に偶数月の年金が振り込まれてしまい、それを生活費として引き出して使ってしまいました。
- 解決: 後日、年金事務所から「過払い分の返還通知」が届きました。一括返済を求められましたが手元に現金がなく、分割納付の相談に行く羽目に。窓口で事情を説明する際、まるで不正をしたかのような後ろめたさを感じ、ひどく落ち込みました。
【お片づけの窓口独自アンケート】
遺品整理・死後手続きを経験した男女380名に「役所・年金手続きで最も苦労したこと」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 窓口が別々で、何度も同じ説明をするのが精神的に辛かった(42%)
- 必要書類(戸籍など)が複雑で、何度も出直しになった(35%)
- 年金の停止が遅れ、返還手続きの手間が発生した(15%)
- その他(8%)
※調査期間:2023年9月〜12月 対象:弊社へご相談いただいた遺品整理経験者

参照リンク
3. 公共料金・生活インフラの解約(見えない固定費を止める)
意外と忘れがちなのが、電気・ガス・水道・電話・NHKなどのインフラ解約です。 誰も住んでいない家の基本料金を払い続けることほど、無駄なものはありません。
- 電気: すぐに解約せず、アンペア数を最低(10A〜20A)まで下げて契約継続することをおすすめします。遺品整理や不動産の内見で電気が必要になるからです。
- ガス: 凍結事故の恐れもあるため、閉栓(解約)が基本です。
- 水道: トイレ掃除などで使うため、遺品整理が終わるまでは契約しておくのが無難です。
- 固定電話・NHK: 即解約でOKです。
【実録】半年間、空き家に課金し続けたFさん(50代男性・遠方在住)の事例
- 状況: 実家は遠方。通帳の解約は済ませましたが、公共料金が「親のクレジットカード払い」になっていたことに気づきませんでした。
- 失敗: カードの引き落とし口座を凍結させたため、電力会社やガス会社から督促状が実家のポストに溜まっていました。
- 結果: 半年後に実家に行って督促の山を発見。延滞金を含めた支払いに追われました。さらに、誰も見ていないNHKの受信料や、使っていないインターネットのプロバイダ料金まで半年分払っていました。損失額は約10万円。「解約手続き」と「カードの停止」はセットでやるべきでした。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

公共料金の解約時、お客様番号がわからなくても「住所」「契約者名」「電話番号」で照会できることがほとんどです。検針票が見つからなくても諦めず、各社のコールセンターへ電話してみてください。 最近はWebで解約できる会社も増えていますが、故人のIDパスワードが不明な場合は、電話の方が確実で早いです。
第2章では、行政とインフラの手続きを整理しました。 これで、あなたの足元をすくう「期限付きの手続き」と「無駄な出費」はあらかた止まりました。
しかし、まだ安心はできません。 銀行口座を凍結させたことで、故人の資産が動かせなくなっています。また、タンスの奥やネットの中に、まだ見ぬ資産(あるいは借金)が眠っているかもしれません。
次回の第3章では、銀行口座の凍結解除(お金を引き出す方法)と、通帳のないネット銀行などの「見えない資産」をどうやって探し出すか、その探偵のような調査テクニックを解説します。
第3章:【お金】口座凍結の解除と「見えない資産」の調査

役所の手続きが一段落したころ、多くの遺族が直面するのが「お金が動かせない」という恐怖です。 葬儀費用、病院の精算、当面の生活費。 お金が必要な時期に限って、銀行は口座を凍結させます。また、最近は通帳のない「ネット銀行」や「スマホ証券」が増えており、遺族が資産の存在に気づかないまま放置(=事実上の国庫への寄付)してしまうケースが急増しています。
この章では、凍結された口座から合法的に現金を引き出す方法と、スマホの中に眠る「隠れ資産」を完全にあぶり出すテクニックを伝授します。
1. 銀行口座の凍結と「仮払い制度」:葬儀代をどう払う?
銀行は、新聞のお悔やみ欄や家族からの申し出によって死亡の事実を知ると、その瞬間に口座を凍結します。入金も出金も、公共料金の引き落としもストップします。
「遺産分割協議(誰がいくらもらうかの話し合い)」が終わるまでは、原則として1円も引き出せません。しかし、それでは葬儀代が払えず困窮する遺族が出ます。 そこで使えるのが、「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」です。
これは、他の相続人の同意がなくても、「預金残高 × 1/3 × 法定相続分」(1つの金融機関につき上限150万円)までなら、単独で窓口で引き出せる制度です。
【実録】葬儀社への支払いで冷や汗をかいたGさん(30代女性・シングルマザー)の事例
- 状況: 唯一の肉親である父が他界。父の通帳には500万円ありましたが、Gさんの手持ちは10万円しかありませんでした。
- 失敗: 「父のカードの暗証番号を知っているから」と、死亡届を出した後にATMへ行きましたが、すでに口座は凍結されていました(おそらく親戚が銀行に連絡してしまったため)。
- 修羅場: 葬儀社への支払い期限は1週間後。この制度を知らなかったGさんは、慌てて消費者金融で金利の高いカードローンを契約し、葬儀代を工面しました。
- 解決: 後日、銀行窓口でこの制度を教えてもらい、払い戻しを受けて借金を返済しましたが、数日分の無駄な利息と、精神的な焦燥感は味わわずに済んだはずでした。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

この「仮払い制度」を使うには、戸籍謄本などの書類が必要です。即日ATMで出るわけではないのでご注意ください。もし故人のキャッシュカードの暗証番号を知っていて、まだ凍結されていない場合、葬儀費用分だけ先に引き出しておくのも一つの手ですが、必ず「領収書」や「引き出した現金の記録」を残してください。使途不明金として後で他の親族と揉める原因になります。
参照リンク
2. 金融資産の総洗い出し:通帳のない「ステルス資産」を探せ
「うちは通帳が3冊あるから、それが全てだ」と思い込んでいませんか? 今は「紙の通帳を発行しない」ネット銀行や、アプリで管理する証券口座が当たり前の時代です。これらは郵便物が届かないため、部屋を探しても出てきません。
以下の「デジタル遺品捜索リスト」を使って、スマホと郵便受けをチェックしてください。
- スマホのアプリ一覧を見る: 「銀行」「証券」「FX」「仮想通貨(Coincheckなど)」「PayPayなどの残高」のアイコンがないか。
- メールの受信箱を検索: 検索窓に「銀行」「バンク」「証券」「約定」「配当」と入れて検索。
- 郵便物を1年間は転送する: 年に1回届く「年間取引報告書」が手がかりになります。
【実録】ゴミ箱から「200万円」を救出したHさん(50代男性・会社員)の事例
- 状況: 几帳面だった父の遺品整理。通帳と印鑑がセットで金庫にあったので、それで全てだと思っていました。
- 発見: 書斎のゴミ箱に、封も切られていないダイレクトメールのようなハガキが捨ててありました。
- 転機: 何気なく見ると、聞いたことのない「ネット証券」からの通知でした。ログイン方法も分からずコールセンターに問い合わせたところ、なんと200万円相当の投資信託が運用されていました。
- 恐怖: 「父はネットなんてやらない」という思い込みで、危うくハガキごと燃えるゴミに出すところでした。もし捨てていたら、この200万円は永遠に闇の中でした。
【お片づけの窓口独自アンケート】
遺品整理を経験した男女365名に「整理中に発見して最も驚いた『隠れ資産』」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 存在を知らなかったネット銀行・地方銀行の通帳(38%)
- 引き出しの奥や本の間から出てきた「タンス預金(現金)」(27%)
- 加入していることを知らなかった生命保険証書(15%)
- その他(株式、貴金属など)(20%)
※調査期間:2023年2月〜4月 対象:弊社へご相談いただいた遺品整理経験者

3. 負債(借金)の調査:プラスだけとは限らない
資産探しよりも重要なのが、「借金探し」です。 第1章でお伝えした通り、借金が多ければ3ヶ月以内に相続放棄をしなければなりません。
「親に限って借金なんて…」という油断が一番危険です。 財布の中に「消費者金融のカード」や「リボ払いの明細」はありませんか? 少しでも怪しいと思ったら、以下の3つの信用情報機関に情報の開示請求を行ってください。スマホから数千円で申請できます。
- CIC(シー・アイ・シー): クレジットカード、信販会社系
- JICC(日本信用情報機構): 消費者金融系
- KSC(全国銀行個人信用情報センター): 銀行ローン系
【実録】穏やかな母の「裏の顔」を知ってしまったIさん(40代女性・パート)の事例
- 状況: 専業主婦だった母が他界。父も既に亡くなっており、一人っ子のIさんが整理をしていました。
- 発覚: ドレッサーの奥から、複数のキャッシングカードを発見。震える手でJICCに開示請求をしました。
- 真実: 生活費の補填や着物等の浪費で、総額250万円の借金がありました。
- 結末: 実家の売却益で返済できる額でしたが、「もし気づかずに単純承認していたら、私のパート代から返すことになっていた」と思うと、背筋が凍りました。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

信用情報の開示は、法定相続人であれば請求できます。結果が出るまで数週間かかることもあるので、怪しいと思ったら即申請です。 また、友人や知人からの個人的な借金はここには載りません。通帳の入出金記録を見て「毎月決まった額が個人名で振り込まれている(または引き出されている)」履歴がないかチェックするのがプロのやり方です。
参照リンク
第3章では、お金にまつわる「攻め(引き出し)」と「守り(調査)」を固めました。 これで、手元の現金不足や、隠れ借金のリスクは回避できました。
次はいよいよ、目に見えている最大の難関、「遺品整理」という物理的な戦いに挑みます。 第4章では、業者に頼むべきか自力でやるべきかの冷徹な損益分岐点と、悪徳業者にカモにされないための「防衛術」を徹底解説します。
第4章:【戦略】「自力」か「業者」か、遺品整理の方針決定

「親の家だし、自分たちで片付ければタダで済むだろう」 多くの人が最初はそう考えます。しかし、実家の荷物量は想像を絶します。 平均的な戸建て一軒の家財道具は、2トン〜4トントラック数台分にもなります。
これを週末だけで片付けようとすると、数ヶ月、あるいは数年かかります。 まずは、感情論ではなく「コストと労力の計算」をして、自力でやるかプロに頼むかの決断を下しましょう。
1. 自力 vs 業者の判断基準(損益分岐点はどこか)
無理をして自力で行い、腰を痛めたり、兄弟喧嘩になったりしては本末転倒です。 以下のチェックリストで、2つ以上当てはまる場合は「業者依頼」を検討すべきです。
- 期限: 賃貸の退去日や、家の売却日が3ヶ月以内に迫っている。
- 距離: 実家まで片道2時間以上かかる(往復の交通費と時間が馬鹿になりません)。
- 規模: 間取りが2DK以上、または「ゴミ屋敷」状態である。
- 人手: 男手が確保できない、または高齢で重い家具が運べない。
- 心理: 部屋に入ると動悸がする、悲しみで手が止まってしまう。
【実録】「週末に通えばいい」と過信したJさん(50代男性・会社員)の失敗
- 状況: 実家は高速で片道3時間の距離。4LDKの戸建て。業者見積もりの「50万円」が高いと感じ、「毎週末帰って少しずつやろう」と決意しました。
- 現実: 週末に往復6時間の運転をして、現地で作業できるのは実質4時間程度。ゴミ袋に詰めるだけで精一杯で、粗大ゴミの回収日に出せません。
- 結末: 1年経っても片付かず、交通費とガソリン代だけで30万円以上浪費。疲労で本業に支障が出始め、妻とも「いつまでやるの?」と喧嘩に。
- 教訓: 最終的に業者に頼みました。「時は金なり」。最初からプロに任せていれば、浮いた時間で休養も取れ、家族との時間も守れました。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

自力でやる場合、一番のネックは「ゴミ出し」です。自治体のゴミ回収は平日朝が多く、遠方だと出せません。クリーンセンターへの持ち込みも「平日のみ」「本人確認必須」などの壁があります。自力プランを立てるなら、まず「どうやって捨てるか」の出口戦略を確認してください。
2. 失敗しない業者の選び方(悪徳業者の手口を知る)
遺品整理業界は、残念ながら「悪徳業者」が多いのも事実です。 「格安」「無料回収」という言葉に飛びつくと、後で痛い目を見ます。
絶対に避けるべき業者の特徴は以下の通りです。
- 「一式〇〇万円」と詳細を出さない: 後で追加請求される定型パターンです。
- 訪問見積もりをしない: 電話だけで「数万円でできますよ」と言う業者は、当日荷物を見て「思ったより多い」と吊り上げます。
- 「今すぐ契約すれば安くする」と急かす: 考える時間を与えないのは詐欺の常套手段です。
【実録】「トラック詰め放題」の罠に落ちたKさん(40代女性・主婦)の修羅場
- 状況: 急いでいたため、ポストに入っていたチラシの「2トントラック詰め放題 3万円!」という業者に依頼しました。
- 当日: やってきたスタッフは柄の悪い男性2名。「これは積みきれない」「リサイクル料金は別」と言い出し、作業途中で「追加料金を払わないなら、荷物をここに降ろして帰る」と脅されました。
- 被害: 怖くて断れず、最終的に30万円を請求され支払ってしまいました。後日、消費者センターに相談しましたが、領収書も適当で連絡がつかなくなっていました。
- 教訓: 「相場より安すぎる」には裏があります。適正価格(1部屋3〜5万、一軒家30万〜など)を知り、必ず相見積もりを取ることが唯一の自衛策です。
【お片づけの窓口独自アンケート】
遺品整理業者を利用した男女320名に「業者選びで最も重視して良かった(または重視すべきだった)ポイント」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 見積もり時のスタッフの対応・言葉遣いが丁寧だった(45%)
- 「遺品整理士」などの資格を保有し、ホームページに実例が載っていた(28%)
- 料金の安さだけで選んでしまった(失敗談として)(18%)
- その他(9%)
※調査期間:2023年6月〜9月 対象:弊社へご相談いただいた遺品整理経験者

参照リンク
3. 「相見積もり」は3社取って初めて意味がある
業者選びで失敗しないための黄金ルールは、「現地見積もりを3社依頼する」ことです。
- A社: 大手で安心だが高い(50万円)
- B社: 個人経営で安いが、養生(壁の保護)などが雑そう(20万円)
- C社: 中堅で、説明が丁寧。遺品の買取もしてくれる(35万円)
このように比較することで、相場観と「信頼できそうな人か」が見えてきます。 遺品整理は、故人のプライベートな空間に他人を入れる作業です。値段も大事ですが、「この人たちなら、親の遺品を丁寧に扱ってくれそうだ」という直感を信じてください。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

見積もりの際、「買取できるものはありますか?」と聞いてみてください。優良な業者は、古道具や家電を買い取って、作業費用から値引きしてくれます。逆に、何でもかんでも「ゴミですね」と言って処分代を取ろうとする業者は要注意です。
第4章では、整理の方針と業者の選び方を固めました。これで、あなたは「終わりの見えない片付け」ではなく、「計画的なプロジェクト」として遺品整理を進められるはずです。
しかし、いざ部屋に入り、親のアルバムや洋服を手に取ると、手が止まってしまうのが人間です。 「捨てられない…」 その迷いが、作業を停滞させます。
次回の第5章では、そんな「捨てにくいモノ」をどう手放すか。 罪悪感を消し去り、スムーズに仕分けを進めるための「4ボックス法」と、具体的な「供養・処分のテクニック」を伝授します。
第5章:【実践】捨てにくいモノの「仕分け」と「処分」テクニック

業者に頼むにせよ、自力でやるにせよ、最終的に「何を捨てて、何を残すか」を決めるのは遺族であるあなた自身です。
ここで多くの人が「思い出」という沼にはまり、作業が完全にストップしてしまいます。 「これは母が大切にしていた着物だ」 「これは父が旅行で買った置物だ」
そう一つ一つ手に取って思い出に浸っていたら、片付けは数年かかっても終わりません。この章では、心を鬼にするのではなく、機械的なルールで心を整えながら進める「仕分けの技術」と、どうしても捨てにくいモノ(仏壇や人形)の「手放し方」を伝授します。
1. スムーズな仕分けの「4ボックス法」
判断に迷って手が止まるのを防ぐために、部屋の四隅に段ボール(またはスペース)を作り、以下の4つに分類しながら進めてください。
- 【残す(Keep)】
- 重要書類、現金、貴金属、そして「理屈抜きで手元に置きたい思い出の品」。 重要:この箱は「みかん箱2つ分まで」など、物理的な上限を決めてください。
- 【売る(Sell)】
- 年式の新しい家電、未開封の贈答品、着物、ブランド品、骨董品。 「誰かが使ってくれるなら」と思えば、手放す罪悪感が消えます。
- 【譲る・寄付(Donate)】
- 値段はつかないが使える日用品、古着、書籍、ぬいぐるみ。 海外支援などの寄付団体へ送ります。
- 【処分(Throw)】
- 破損しているもの、汚れがあるもの、上記3つに入らないもの。 「迷ったら3秒でここに入れる」のがコツです。
【実録】アルバム整理で3日間泣き続けたLさん(50代女性・主婦)の事例
- 状況:実家の整理中、大量の写真アルバムと手紙を発見。「全部大事な気がする」と、一枚一枚見返しては涙し、3日間で進んだのは引き出し一つ分だけでした。
- 解決策:「思い出ボックス」を一つだけ用意し、そこに入りきる分だけ厳選すると決めました。残りの写真は、専門業者に依頼して全て「データ化(スキャン)」し、原本はお焚き上げ供養に出しました。
- 結果:現物がなくなっても、スマホでいつでも写真が見られるようになり、かえって故人を身近に感じるようになりました。物理的なスペースも空き、気持ちの整理がつきました。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

写真は「人が写っているもの」だけ残し、風景だけの写真は処分するというルールも有効です。また、最近は「箱ごと送るだけでスキャンしてくれるサービス」も安価にあります。デジタル化してしまえば、クラウド上で兄弟全員とシェアできるのでおすすめですよ。
2. 処分に困る「あの品」の対処法(仏壇・人形・遺影)
ゴミ袋に入れるのがためらわれる「魂が宿っていそうなモノ」。これらが片付かないと、部屋はいつまでも片付きません。適切な「供養」の手順を踏めば、バチが当たることはありません。
- 仏壇・位牌: お寺に依頼して「閉眼供養(魂抜き)」を行ってもらいます。魂を抜けば、仏壇はただの「木の箱」に戻りますので、粗大ゴミとして処分しても問題ありません(業者に引き取ってもらうのが一般的です)。
- 遺影・人形・ぬいぐるみ: 可燃ゴミに出す場合は、白い布や紙に包み、塩を振って「今までありがとう」と感謝を伝えてから出します。心理的に無理な場合は、郵送で受け付けている「お焚き上げサービス」や神社の供養を利用しましょう。
【実録】巨大なフランス人形に怯えたMさん(30代男性・会社員)の事例
- 状況:祖母の部屋に、ガラスケースに入った大量の日本人形とフランス人形がありました。目が合っているようで怖く、ゴミ袋に入れるなんてとんでもない状況でした。
- 解決策:近所の神社では人形供養を受け付けていなかったため、インターネットで見つけた「郵送型のお焚き上げサービス(みんなの遺品整理など)」を利用しました。
- 結果:ダンボールに詰めて送るだけで、後日「供養証明書」が届きました。費用も数千円で済み、罪悪感なく手放せました。
【お片づけの窓口独自アンケート】
遺品整理を経験した男女390名に「処分するのに最も心理的抵抗があった(捨てにくかった)品物」を聞いたところ、以下の結果となりました。
- 写真・アルバム・手紙(45%)
- 仏壇・神棚・位牌(25%)
- 衣類・着物・布団(12%)
- 人形・ぬいぐるみ(10%)
- その他(趣味のコレクションなど)(8%)
※調査期間:2024年2月〜4月 対象:弊社へご相談いただいた遺品整理経験者

3. デジタル遺品(スマホ・PC)は「見ない」が正解?
故人のスマホやPCには、家族に見られたくない「秘密」が入っていることがあります。 FXや仮想通貨などの「資産」確認は必須ですが、それ以外のメールや画像データ、検索履歴などは、あえて見ずに初期化するのも、故人の尊厳を守る優しさです。
- パスワードがわからない場合: 無理に解除しようとせず、キャリアショップ(携帯ショップ)へ行き、契約自体の解約手続きを行ってください。端末内のデータは見られなくなりますが、それで良いと割り切りましょう。
- 有料会員サイト・サブスク: クレジットカードの明細を見て、毎月引き落とされているサービス名を特定し、カードごと解約(停止)すれば、自動的にサブスクも止まります。
【編集長からのワンポイントアドバイス】

パソコンのパスワード解除業者は高額になりがちです。どうしても中身(家族写真など)を取り出したい場合以外は、ハードディスクを物理的に破壊して廃棄するほうが、個人情報流出のリスクも防げます。
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遺品整理・死後手続き Q&A

最後に、読者の皆様からよく寄せられる「綺麗事ではないリアルな悩み」にお答えします。
Q1. 親のスマホのロックが解除できず、中身が確認できません。どうすればいい?
A. 無理に開ける必要はありません。
連絡先やお知らせを知りたい気持ちは分かりますが、iPhoneなどはセキュリティが高く、業者でも解除は困難です。 重要なのは「課金を止めること」です。携帯ショップで解約手続き(死亡診断書が必要)を行えば、基本料金は止まります。アプリなどのサブスク課金は、引き落とし元のクレジットカードを凍結・解約すれば、支払いができなくなり数ヶ月後に強制退会となります。これが最も確実で手っ取り早い方法です。
Q2. まだ使える食器や家具を捨てるのが「もったいない」と親戚に責められます。
A. 「では、引き取ってください」と返しましょう。
口は出すけれど手や金は出さない親戚は、遺品整理の最大の障害です。「業者の見積もりでは処分費がかかるので、引き取ってもらえるなら助かります。送料は着払いで送りますね」と提案してみてください。大抵の人はそこで黙ります。 あなたの生活スペースと時間を犠牲にしてまで、モノを守る必要はありません。
Q3. 形見分けでもらったモノを、正直要らないのですが捨てていいですか?
A. はい、一定期間置いたら手放して構いません。
いただいた直後に捨てるのはマナー違反ですが、あなたの家が不用品置き場になる必要はありません。「故人も私が困ることは望んでいない」と考え、リサイクルショップや寄付に出しましょう。 罪悪感があるなら、「頂いた時にお礼を言ったことで、そのモノの役目は終わった」と解釈してください。
Q4. 故人の部屋から現金が出てきました。申告せずに使ってもバレませんか?
A. 税務署は把握していると考えてください。
タンス預金(ヘソクリ)も立派な相続財産です。相続税の調査では、過去の収入と銀行の出金履歴を照らし合わせ、「計算が合わないお金(引き出したのに使っていないお金)」がないかを厳しくチェックされます。 「バレないだろう」と隠して後で見つかると、重加算税という重いペナルティが課されます。正直に遺産分割協議の対象に入れるのが、結果的に一番損をしません。
編集後記:最後にあなたに伝えたいこと
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
死後の整理は、一生に一度あるかないかの大仕事です。 初めてのことばかりで、失敗したり、遠回りしたりするのは当たり前です。 AさんやLさんの事例のように、みんな悩み、傷つきながら乗り越えています。
どうか、自分一人で抱え込まないでください。 役所の窓口、司法書士、遺品整理業者。プロたちはあなたの味方です。 「助けて」と言っていいのです。
まずは今日、「一番気になっている書類を一つだけ探す」、あるいは「ゴミ袋を一つだけまとめる」。 そんな小さな一歩から始めてみてください。 その一歩が、必ずあなたの心の整理にも繋がっていきます。
あなたが無事にこの大役を終え、穏やかな日常を取り戻せることを、心より応援しています。








